新薬史観

地雷カプお断り

書籍

最近読んだ本の感想書くます

無事に金曜日の労働も終えたので自分と向き合う時間が来た。まこと素晴らしいことである。今回は最近読んだ本の感想を地道に書いていく。暇なので。 ①アゴタ・クリストフ『悪童日記』 読書やってる人間からすると今更かよ感あるが、今更読んだ。面白かった。…

最近触れた作品の感想(ポケスナとかピンチョンの49とかレイ・ハラカミとか)

あまりに更新していなくて申し訳がないので(別に義務感を覚える必要はないんだけど)、なんか雑に書きます。感想とかを……。 ◎ゲーム ①Newポケモンスナップ(Nintendo Switch) マジで面白い。最高です。 操作性:画質がかなり良くなったため、画面を回転さ…

パトリシア・ハイスミス「回転する世界の静止点」読んだ!

最高の文章を読めて笑顔になっています、今。タイトルからしていいもんね、これ。 というわけでパトリシア・ハイスミスの短編集です。彼女は『見知らぬ乗客』と『太陽がいっぱい』で有名っぽいのですが(自分はいずれも知りませんでした)、そこからではなく…

桜井晴也『人類の最後の夜』読んだ!

久しぶりの感想。知り合いに教えてもらったので読んでみた。作者さんがブログで無料公開されているので、気になった方は是非読んでみてください。 首吊り芸人は首を吊らない。 あえて文章をややこしくしており、自他の境界を曖昧にし、言葉を誰かの所有物に…

小説版「韓国・フェミニズム・日本」読んだ!

最近フェミニズムに関心があるのと、SFとしての傑作デュナ「追憶虫」があるとのことで読んだ。 感想として、韓国勢の小説は総じて素晴らしかったが、反面日本勢はちょっとこれどうなのと思わないでもなかった。 以下、個別に感想。 チョ・ナムジュ「離婚の妖…

カズオ・イシグロ「クララとお日さま」土屋政雄訳 読んだ!

カズオ・イシグロの百合SFだと聞いていたので手にとった。非常に強い百合だと思うのだが、ロボットの認知という問題が絡むだけで話が少しややこしくなるのが面白い。 よく「信頼できない語り手」という単語が使われるが、結局は「アルジャーノンに花束を」み…

小川哲「嘘と正典」読んだ!

バチクソ面白かったです。小川哲は「ユートロニカのこちら側」を読んであまり刺さらず、「ゲームの王国」はマジですごそうだけど途中で積んでいる状態なのでそこまで先入観はありませんでした。が、本作を切り出せばやっぱSF小説を書くのがうますぎるな~と…

松浦理英子「ナチュラル・ウーマン」読んだ!

ガチで大好きノベルになっちゃった。本当に攻撃力が高い。自分は攻撃力が高い本と相対すると酒と煙草で防御値にバフをかけないと絶叫して死ぬタイプの人間なので、手元に煙草と酒があって本当に助かった。自分は煙草を常飲しないのだけれど、こういう数ヶ月…

松浦理英子「最愛の子ども」読んだ!

本当に素晴らしい作品だと思う。以下、感想というか考察というかなんというか。 日夏と真汐と空穂という同じ歳の女子高生が家族を構成するという奇妙な設定で非常に面白かったが、さらに本作の面白さを高めているものに、その疑似家族の関係性を内部と外部の…

乙一「失はれる物語」読んだ!

乙一というのはまったく変わった名前で、自分は「バーサーカーが人をミンチにする物語でも書いているのではないか」という偏見を持っていた。怖そうなので。 古本屋で見つけたこの本を手に取った理由としては、現在進行中の「偏見やめよう委員会」に則っての…

諏訪哲史「アサッテの人」読んだ!

本作の構造のまとめ ①書きたい内容「叔父の話」(本来の小説) ②その執筆を邪魔する自分の「ポンパ」、およびそれをありのままに書くことで「叔父の話」は邪魔された、と考えている自分(通常小説の執筆者の姿) ③その様子をただ文章にしている自分(②をあえ…

秋山徳蔵「味 天皇の料理番が語る昭和」読んだ!

前書き 最近の感想の記事タイトルがあまりに味気ないなと悩んでいる。 例として 茂木俊彦「障害児を育てる」 サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」安堂信也 高橋康也 訳 こんな感じですよ。 タイトルがタイトルだけに近寄りがたすぎる。 あと著者名と…

茂木俊彦「障害児を育てる」

古本屋で見つけた一冊。自分は子供もいないし周囲にそういう人もいないのだが、いろんな見方を学んで損することはないので手に取った。万が一にもないと思うが、自分が結婚して(!)子供が生まれ(!)その子が障碍を抱えていないという保証はない。 初版か…

サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」安堂信也 高橋康也 訳

古典に全く明るくない自分だが(そもそもあらゆることに知識がない自分だが)背表紙に「現代演劇の神髄!」と書かれているのを見ると、「現代演劇の神髄なのか」と素直に信じるほかない。神髄というからにはこれまでとこれからの現代演劇に通底するなんらか…

津原泰水「ヒッキーヒッキーシェイク」感想

非常に楽しく読めた。津原氏の著作を読むのはこれが始めてなのだけれど、読んですぐに文章のうまさに気付いた。何がうまいって、登場人物のセリフの掛け合いである。ポンポンとテンポよく進む会話、その中身のなさが非常にリアルで読んでいて楽しい。人物像…

高山羽根子「首里の馬」感想

高山羽根子という作家の名前を聞いて思い浮かぶのが、「なぜこの人はSF作家と言われるのか?」という疑問だったりする。というのも、自分は高山羽根子の作品をほぼほぼ読んでいる(はずな)のだが、未だにこの人とSFというジャンルの組み合わせがしっくり来…

西尾維新「デリバリールーム」感想

読んだ。装画が魅力的だよね 西尾維新のデリバリールームを読んだ。新刊だったらしい。 簡単に内容を纏めると、妊婦になった中学生が、妊婦とバトルして幸せを掴もうとする物語である。なんじゃそりゃ、という感じだが、そのなんじゃそりゃに惹かれてこの本…

カミュ 窪田啓作訳「異邦人」

これも古典的名著ですよね。最近そういうのばっかり読んでる。今まで読んでこなかったので。 本書の裏の解説によると、「通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、不条理の認識を極度に追求したカミュの代表作」とのこと。 通常の論理的な…

トルーマン・カポーティ 村上春樹訳「ティファニーで朝食を」

村上春樹の訳、かなり好きだな。原文を読んでいないので分からんが、少なくとも「キャッチャー・イン・ザ・ライ」みたいなクドさはなかった。 自分は表題作を映画で知った人間だ。 村上春樹も怒ってたけど、確かに映画から入ると、ホリーにオードリーヘップ…

ジョージ・オーウェル 高橋和久訳「1984年」

誰もが知っている本ランキング1位でありながら、読んだフリされるランキング1位でもあるこの本。自分は読んだフリする側の人間でしたが、この度ようやく読んだと言える様になりました。 本作は、ディストピア、監視社会の例としてあげられているが、実際にそ…

ダニエル・キイス 小尾芙佐 訳「アルジャーノンに花束を」感想

誰もが読んでいる本、というものを全く読んでいないことに気がつく度に、これまでツイッターで無為に過ごした時間を想い、悲しくなる。 「わが闘争」「銃・病原菌・鉄」「失楽園」「神曲」などなど、全て未読。挙げ始めると本当にキリがないので、滅多に「読…

村上春樹「一人称単数」 感想

フォロワーに誕プレでもらった。 村上春樹はちょいちょい読んでるけれど、個人的に毒にも薬にもならないなというのが正直な感想で、読んでいる時は、度数低めの酒をちびちびと飲んでるような嬉しい感じになるのだけれど、読み終わると「あー読み終わった。や…

吉屋信子「わすれなぐさ」感想

フォロワーに誕生日プレゼントで送ってもらった本……自分はお返しに酉島伝法の総集編を送りました。未読ですが……。 百合(少女)小説の原点かつ最高峰として名高い吉屋信子だが、自分は「花物語」でスゲ~!ってなったくらいで、これは読んだことがなかった。…

仲谷鳰「やがて君になる」感想

最高の百合漫画と話されながらも、個人的にはずっと引っかかっていた作品。 3巻までフォロワーに譲ってもらって読んでから、多分2年くらい経った気がする。 ようやく読む気が起きて、結局8巻まで全部買って読み終えたのが今朝の話。 いやあ、最高でしたね!…

カート・ヴォネガット「ガラパゴスの箱船」

個人的に好きな漫画家が「大好きな作品」として挙げていたので、気になって購入。 筆者・題名ともに知らなかったため、前評判も知らずに読み始めたが、非常に面白い試みをしている。 なんといっても、「もうすぐ死ぬ人間の名前の前に*をつける」という謎に…

読了記録「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」

kindleで読んだ。これ、すごくいいですね。 阿佐ヶ谷姉妹が普段の生活をエッセイで綴るというものだが、そこで見え隠れする二人の人生観がすごくいい。 阿佐ヶ谷姉妹っていうと、「よく顔が似ているけれど赤の他人同士のコンビ芸人」くらいの認識しかなかっ…

これまでの映画視聴履歴/未視聴リスト【2021/01/24更新】

個人的に今まで見てきたものは管理していたのですが、別に公開してもしなくても変わらないし、寧ろなんらかの話題作りになった方がいいし、これを見て有識者がさらに面白い映画を教えてくれることがあったら最高なので、公開します。逐次更新。 オススメがあ…