新薬史観

地雷カプお断り

視聴映画記録(2020.08/07~08/13)

無事にラボミーティングも終わりご満悦の日々を過ごす。映画をもっと見たいが、かつてのコロナ禍(今もそうだが)の時のような勢いがなく、悲しい。あ、でも代わりに無限に電子書籍で漫画読んでる。あとあとで紹介したいと思います。それもこれも頑張らねば。

 

8月7日 映画132「ヴェノム」(2018)

 Netflixで追加されたので視聴。マーベル作品なんすね。

いつも通り、人間の醜さに絶望している人が「さらなる段階に進むため」に宇宙外生命体と融合することを目的とする人間と対立する作品。ヴェノムがトコトン強いので、なろう小説のように相手をボコボコにしていたのでよかった。やはりヒーローというものは、守るべきものを一切なくしてからなるものなのかなとふと思った。無敵の人と同じ論理で、やっぱり迷惑をかける相手もいなければ助けてくれる人もいないという状況下では、人間の意志は強烈な力を発揮するのだなと、まあこれは殆どのヒーローものについて言えることだが。で、その無敵の人状態で得た絆こそ大事にすべきもので、そこを突き詰めるべきなのかなと思ったりした。まったく映画の趣旨とはズレているが。

作品としては、いつものマーベル作品という感じで、アクションかっけ~くらいの気持ちで観てました。

 

8月7日 映画133「再生産総集編 劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」(2020)

既にこっちで書いてるので割愛。

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/08/07/213904?_ga=2.184875625.1518965290.1596576298-481205787.1589239390

 

8月8日 映画134「CUBE」(1997)

ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。かなり大好きな映画。非常に低予算というか、セットが1つしかないのに、その中で繰り広げられる人間関係や謎解きが面白すぎた。これすごいわ。 矢部嵩の「[少女庭園]」を思い出した。なんのためにこの世界が作られたのかというのは謎が残るところではあるが、シリーズもかなり出ているらしいので気が向いたら観てみようと思う。物語の多くを語らない構成といい、セットのかなりのでかさといい、コンパクトかつ壮大で傑作。これ作ったの誇らしいだろうな~。

 

8月9日 映画135「CURE」(1997) 

黒沢清監督作品。すごく好き。催眠術で人を殺せるのかどうかは置いておいて、その催眠によって次々に巻き起こる殺人事件が面白く、バッテンの切り傷が印象的で良い感じ。考察というような映画ではない気がするが、主人公は途中から催眠術に掛かっていたとは思うし、時々妄想が挟まっていたために、正直どこからどこまでが現実なのかが分からない感じになっている。果たして間宮は本当に殺されたのか(殺したというのは妄想ではないか)というのが一番大きなところなのだが、どう考えても間宮の手の上で転がされていた主人公が、主の間宮を殺せるとは思えないので、妄想なんだろうなとは思う。ただ、最後のファミレスの店員の様子を見ると、主人公も催眠術を会得しているっぽいので、なんだかよく分からん。よくわからんが、話やギミックは面白かった。好きな映画だ、よくわからんが。

 

8月9日 映画136「回路」(2000)

これも黒沢清監督作品なのだが、面白いことに黒沢清の映画はどれも空気が似ている。少しおとぎ話チックというか、明確な現実感がないというか、映像がつねに虚構性を帯びているような気がする。映像の色が薄いのかな?原因はわからないが、これがホラーに結びつくことでホラーとしての強度が上がることは確かで、耳袋とか呪怨みたいなガチガチの怖さではなく、ギャーと叫ばずに精神的に追い込んでくるような、じわじわとした恐怖を植え付けてくる。で、この回路とかはまさにそれで、とにかく怖いというか、気味が悪い。イチオシポイントとして、この世界の死生観がかなり独特で、死者の世界が有限というのはよく話されているものだが、それが生者の世界に降りてきた際に、「触れる」というところ。これはすごい新鮮だった。というのも、生と死は対等であり、どちらも確かに存在しているので、触れて当然なのである。これは面白かったな。それがインターネットを通して、というのは正直設定として要らなくないかと思ったのだが、生きている人間が、孤独を慰めるために使う人と繋がるツールであるインターネットが、死者と繋がっているというのは、割と皮肉がきいていて面白いし、そこでも、孤独なのは生きてても死んでても同じという独自の哲学が開かれているので興味深い。ぱっと見は使い古された設定でありながらも(赤い部屋とかウォーリーを探さないでとかあったじゃないですか、要するにアレですよね。まあそれよりこの作品がずっと先行しているという点では、この作品にまったく罪はないし、むしろよく思いついたなというところではあるんですが)、よく考えるとインターネットしかあり得ないとは思うので、ここは難しいのかなと思う。ただ、ここまで新しい概念を持ちながらも、「助けて」と幽霊に言わせるところが逆に面白くて、やっぱり幽霊は助けてほしいのかなと思う。個人的にはエヴァみたいに、死後はすべての魂は融合されて満たされ合うというのも面白いんじゃないかと思うんだけれど。既にそういう宗教はあるのだろうか。なければこれを題材にSF小説書きたいな。まあこの程度のアイデア無限に先人が調理してそうだが……。

話がずれてしまったが、この時代に見ても新しく面白い映画だった。他にももうちょっと黒沢清作品をdigってみたいところだ。

 

8月13日 映画137「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)

クイーンについて一切を知らずに見たのだが、フレディマーキュリーがかっこよすぎて面白かった。聞いたことがある曲が初っ端から流れるので、これ知ってるけどクイーンの曲だったのかという発見があった。話の構成としては、クイーンという集団が天才すぎるので音楽に関する障害物は特になく、出資者や仲間割れ、フレディマーキュリー自身の性癖に焦点を当てているので、やはり伝記的な側面が強い。あの時代の同性愛の偏見がどれほどだったか知らないが、普通に理解はされていたようなので、彼自身が認めるところが問題となっていた。それを考えると、ちょいちょい挟んできた男子トイレのシーンや、男に目移りしてしまうところはなるほどという感じ。ゲイがゲイっぽい風貌になるのはどうしようもないことなのだと思うが、あれは何故なんだろう。日本だと、あごひげにもみ上げの角刈りスタイルが流行っているようだが、性癖で風貌まで似るのは非常に興味深い。まあそれはおいておいて、ライブエイドのシーンを最後に持ってくるというところがよかった。最初のシーンではフレディマーキュリー一人だけがステージに上がっていたように思ったのだが、ラストではみんな上がってくれてよかった。あと、ようつべに落ちていた実際のライブエイドの映像を観ると、マジでフレディマーキュリーの歯が出ていてびっくりした。あと、コロナ禍の今だから思うのだが、こうしてみるとライブってめちゃくちゃ密だな。それにしても、クイーンのつくる曲はどれもすごいな……。この映画を観て以来、ちょいちょい他にも聞いています。

 

8月13日 映画138「グレイテスト・ショーマン」(2017)

もうね、これは最高のミュージカル映画でしたね……。なんといってもイントロが良すぎる。入りがあまりにも良すぎて、開始1分で泣いてしまった。マジで。とにかく曲と映像がよくて、自分は特にミュージカル映画にありがちな、踊るうちに場面転換、時間経過していく演出が本当に大好きなんですが、もうこの映画はドンピシャにそこを突いてくるし、いちいち音楽も振り付けも演出も良すぎるので、ボロボロ泣いてしまった。こんなに面白い映画ってある?流石に良すぎるだろ。波に乗るのが遅れてしまったが、大傑作だよ。だってすべてが良いんだもん。芸術的とかそんなんどうでも良くて(良くないが)、ただただ面白い最高のエンタテインメント映像だった。無限に見たい……。ていうかもしかして、自分は普通の映画よりもミュージカル映画が好きなのだろうか。もっと探ってみようかな。

 

今週は以上。 

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