新薬史観

地雷カプお断り

研究室は研究の方向性の違いにより解散

すればいいのに,という話である.

お気づきの方もいるかもしれないが,この文章の句読点はアカデミックによくあるアレ仕様になっている.ツイッターなどでも,研究者のツイートの句読点はこうなっていることが多く,眺めていると研究職を誇示してんねえと歪んだ感情が浮かぶのだが,いざ自分が同じ立場になると,ただただATOKからプロパティを開いて句読点を変換する作業がめんどくさいからだと気付く.

いちいちツイートの句読点を気にしてプロパティを開いていたら世話がない.いまの自分もその気持ちである.これを読んでアカデミックを誇示してんねえと思われる方がいたとしてもしょうがないが,いずれその方も自分のような気付きに至るのだろう.

 

コロナやらなんやらで,去年は非常に面倒くさい一年だった.どれだけラボでの作業が残っていても,一日の最大滞在時間は8時間が限度.どこの研究室でも毎年恒例だろう「卒業時期なのでラボで連日寝泊まり!」なんてことは,もはや御法度となってしまった.

そのうえ偉い方々は学生に入退室記録を1分刻みで報告することを求めてくるし,前日までに明日の予定を報告せねば入室すらもままならないという仕様になっている.

自分はたいへん不真面目な学生なので,研究はうんこのようなものだと思っており,「うんこを出したい!」と思って研究室に行くのではなく,便意を催すという生理的現象に抗えずに仕方なく研究室に向かっている.そのようなモチベーションだから,「明日のうんこの予定時間を教えてください」なんて言われても,うんこをしたくなる時はしたくなる時でしかなく,「気が向けば」と回答する.「それではいけない」と予定管理者は首を横に振る.恐ろしい監視社会ではないか.学生の便意を把握するラボだなんて,全国を探してもウチしかないだろう.

冗談はさておき,そんなこんなで最近は非常に忙しい.研究を行う時間が制限されるということは,単に一日の実験量が減るということだ.それは研究の長期化を意味する.

研究結果を得るのが遅くなると,そのデータ解析も遅くなる.解析できないので結果を吟味できない.わからないから自分の研究が現在どのような状況なのかがわからない.自分の研究の方向性がわからないから論文に手をつけられない.

そんなこんなで,「やることは膨大だけど何も手に着かない普段の自分」が,今度は研究のかたちをして襲ってくる.ADHD vs ADHDの構図である.自分でも何を書いているのか分からないが,忙しいことだけは確かである.

 

最近はずっと論文の要旨を先生に添削してもらっていて,「これではダメだ」「これでは貴方の研究の良さは相手に伝わらない」と非常に丁寧にコメントをして頂き,また修正してはコメントをもらうことを繰り返しているのだが,その往復が7回目を越えてきたとき,僕たちはどこに行くのだろうと考えてしまった.

うんこの自分がうんこをしにラボに行き,出すのはやはりうんこである.いくら先生が潤沢な予算を与え,見栄えを良くし,ぼくにいい結果を出させようと尽力してくださろうとも,出るのはやはりポジティブデータではなくうんこなのだ.悲しいことに,出たうんこはうんこであることにどうしようもなくポジティブであり,今日も自分はびっくりするくらいに快便なのである.