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虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第13話感想

「虹ヶ咲13話の感想を更新しないんですか」と聞かれ、慌てて書いています。なんかもういいやと想って放置していましたが、折角13話まで書いたんだし最後まで書こう。今更すぎるけれど!

久しぶりにアニガサキを観ると、懐かしい気持ちになる。あの頃はよかったなあ。

 

 

13話の感想

まずなによりも、アニメはスクールアイドルフェスティバルの描写が非常に巧いなとは感じた。アニメ・スクスタの両者ともに、スクールアイドルフェスティバルについてはその規模の大きさからも現実的にクリアすべき課題は数多くある。それに関してはスクスタはそれなりに向き合っていたように感じるのだが、アニメはそこらへんをばっさりカットしている。ここらに関しては、アニガサキでは学生による完全な自治が実現していることが推測される。理事長なんてものは居ないに等しく、生徒会の一存で(懐かしい単語だ)いろいろなことが出来るのだろう。この生徒会特権とでも言えるものは、二次元アニメあるあるであり、フィクションらしさを示すひとつのパーツだろう。その点においては、スクスタの方がより現実みがある話の運びをしているように思う。

一方で、アニガサキのスクフェスとスクスタのスクフェスでは、その立体感が大きく異なっているように感じる。アニガサキのスクフェスのほうが「フェスティバル」らしいと思えるのだ。これはその中身の描写によるものだろう。アニガサキでは様々な学園と打ち合わせし、会場設営の描写も織り交ぜている。それでいて、実際にお祭りとしてメンバーやファンのみんなが楽しんでいる描写も描いている。この描写がなかなか効いていて、これまでスクスタで説明されても具体的に想像できなかった「お祭り」がどのようなものか、これを実現させる「あなた(高咲侑)」がどれだけすごいのかが分かることとなる。そういう点で、自分はこの話作りはうまいなあと思った。

途中、かすみとせつ菜がバトり始めたあたりで、アニメサンシャインを想起し、「俺は何を見せられているのか」と恐怖で震えが止まらなくなったのは事実だが、無事になんとか乗り越え、璃奈から愛への感情、しずくからかすみへの感情が整理されたあたりで再び集中することができた。かすみの髪飾りは伏線?の回収がうますぎて舌を巻いた。そういうことするんだ。どこまでもすごいスタッフ陣だな。

で、ここに来ての雨であり、誰も積極的に抗おうとしないこの姿勢がやはり今っぽいなと感じた。雨に対しては素直に雨宿りをするに留めているあたり、世間の動き(廃校など)に逆らおうとする前作とは姿勢が大きく違う、あくまでスケールの小さい話、どこまでも「自分たちの話」をしているんだなという印象だった。

また、「夢がここからはじまるよ」はあまりに良すぎて当時は発狂した。改めて見ても発狂した。一部掲示板ではぬるぬる動くここの作画がキモいとの意見があったが、そんなことはないだろう。確かにぬるぬる動くけどここではそれより後ろの謎のロゴに謎に感情を刺激されて泣きそうになってしまう。あれなんでなんでしょうね。キルラキルでもそうなんだけれど明らかに無意味?な文字というのは映像としてかなりの強さを持っている。スタァライトの綿密なテロップもそう。文字は映像と合わさったときに力を発揮するのだ。

また、ここで結ばれるふたつの手こそが第1話の歩夢の「Dream with you」MVで表現されていた別れる手であり、第12話「Awakening Promise」で表現されていた重なる手である。この13話にしてようやく、歩夢の「守破離」ならぬ「離重結(なんて読むんだ?)」が達成されたのだと見ることが出来る。

その後、アニメは止め画で進行することになり、ここについても「作画力尽きたか」みたいな意見があった。個人的にそれは違うと言いたい。バンクが作画労力のカットとして生み出され、それが今では効果的に用いられているように、例え作画労力をカットしても、それが映像作品としての質に影響するかと言えば関連性はないだろう。常に動いている必要は無く、しかもライブ後の映像を効果的にテンポ良く見せることで、ライブがうまく行き、祭りの終わりが静かに終わりつつあることを十分表現できているように感じる。実際、アウトロに重なるようにして侑の独白が始まる。自分はこのシームレスな繋がりが大好きだ。

それはそれとして、同好会内でやりとりされていた意味深なノートが結局は作品中では渡されないという道具の使い方に合わせて、ラストのエマの「いろんな国からお手紙が来てるよ」に対する彼方の「これは是非とも第2回もしなきゃだねえ」という台詞からは、メタ的な、つまり「多くのオタクからの要望が届いたから、本来は予定していなかった2期もしなくちゃねえ」という風に読み取ることはおかしなことではないと思う。

つまり2期はやるんです!知らんけど。

 

以上。

素晴らしい作品をありがとうございました。

最後に総括としてこれまでの解釈を纏めようかなと思ったんですが、割とμ'sとかにも手を伸ばして話をするとややこしくて適わないので、ここらでいったん締めたいと思います。

自分に「何かをやり遂げる」という成功体験を与えてくれたマシュマロ主さんありがとうございました。これで自分に自信が持てました。(?)

アニガサキ2期ありますように……。