新薬史観

地雷カプお断り

社会人になったので寄付始めました

夏になるとそこらの店で冷やし中華が始まるように、社会人になると寄付を始める人間が増えるものだと思っている。知らんけど。

 

自分は偽善者なので、ホームシアターを構築して素晴らしい映画を観ていたり、図書館で借りた素晴らしい書籍を読んで満たされている時、ふと自分の恵まれた環境を客観視して、頭の隅にいる貧困家庭を思っては申し訳なく思う時がある。まあこの癖は常に発動する訳でもないし、申し訳ねえな、ごめんなと思うくらいで別にこれといったことは何もしないのだが、居心地が悪いので何かしらアクションを取るべきだなとは常々思っていた。そうじゃないと良い映画や良い本も味わえなくなる。

かと言って全く活動的ではない自分は、というより他人に自分の時間を使うのがめちゃくちゃ嫌な自分は、貧困とか虐待とかで悩んでいる子供に、できるだけ楽に、かつコスパよく支援できないものかと悩むことになる。大事なのはコスパである。

支援のコスパってなんだよと聞かれる人もいるかもしれないが、端的に言えば「中抜き」が支援のコスパを左右する。◎通とかパ◎ナとかでもそうだが、変なのが間に入るせいで送受信する関係がどこか歪になってしまうことは想像に難くないだろう。意思・報酬伝達が適切に行われないという点で、関係者は相手に不信感を抱くようになり、どちらも心にわだかまりを覚えてしまうので(中抜き以外は)誰も幸せにならない。

こういうのが「コスパが悪い支援」だということになる。

最近だと無料食堂で大量注文するフリーライダーが話題になっていたが、こういう「中抜き」が発生する支援というのは、支援側は支援している気になっているのだけれど、それ以上に心的・身体的負担が重くのしかかるうえに、必要な人たちに支援が行かないという点で歪だ。

さて、この件に言及した元支援団体代表の方がいるのだが、彼はこの方式(無料開放)は全くよろしくないと結論づけている。(いずれの方々もあまり表に出たがっていないので明言は避けます)

というのも、彼はかつて貧困家庭のために無料の食糧倉庫を解放していたのだが、いつしか無料だということを聞きつけたフリーライダーが大量発生したせいで 、支援すべき人と支援しなくても良い人を「選別する」必要が生じ、その責任の重みに堪えきれず鬱になってしまったのだ。彼は無料食堂とまったく同じ轍を既に歩んでいたのである。

実は自分は食料倉庫を開放していた彼の活動に賛同して、たった一度だけ米 5kgを送ったことがあるのだが、ちょうど自分が支援した時あたりからフリーライダーが大量発生したらしく、結局その米が貧困家庭に行き渡ったのか、よくわからんけど無料だからもらっていくかというテンションの爺婆に取られたのかはわからない。

で、前者なら良いのだけれど、後者に取られた場合、自分は非常にコスパの悪い支援をしたことになる。自分は金を出しただけだからダメージは少ないのだが、実際に注文した食品を仕分け、その食品がよくわからん人々に取られていく光景を目の当たりにした彼の心的疲労はとてつもないものだろう。もしかしたら、自分は金を出して善意のある人を傷つけ、善悪の基準が曖昧な人を喜ばせていたのかもしれない。考えるだけでぞっとするが、これが「無料」食堂の構造である。

これは「よろしくない貧困層への支援」の典型例だと言えるので、無料食堂に寄付をしたいという人には再度考え直して欲しい。一度お店が有名になってしまった以上、フリーライダーは絶対に何度も沸いてくる。倫理観のない日本人の割合を、めちゃくちゃ甘く見積もって全体の0.1%としたところで、いったい何人いると思っているんだ。想像以上にやばいやつは多いよ。

 

で、ここで「じゃあどこにも支援できねえなあ」と考えるのは違っていて、やっぱこういうのは特定層に特化した団体に寄付するのが一番だと思う。結局そこにいくんかいという感じだが、少なくとも「自分の時間は大切だから絶対に誰にも譲りたくないが、金をやるくらいならまあいいかな」と舐めたことを考えている自分のような人間にとっては、寄付がいちばんコスパがいいのだ。時間を払わず、金を払うだけで支援することになるので。

そんでもって、無料食堂の件を踏まえて、寄付先にもコスパの良さを求めるなら、確実に支援先に届く支援団体に寄付した方がいいです。なので、まずは自分がどういう層を支援したいのかを明確にして、そこに特化した団体を探す必要がある。

自分の場合は、貧困家庭の子供とか虐待される赤ちゃんがマジで可哀想だなと思うので、そういう団体に寄付することにした。だって可哀想じゃないですか?貧困家庭の子供とか虐待される赤ちゃん。普通にめちゃくちゃ可哀想だと思う。

というわけで、

①フローレンス 

赤ちゃんと母親の関係に焦点を当てている団体。子供の育児環境と母親のメンタルは非常に強い結びつきがあると思うので、良い路線を攻めていると思います。

月額1500円の寄付。

florence.or.jp

 

②カタリバ 

主に貧困家庭の子供への支援を行う団体。やや自分の思想とズレている気もするが、別に貧困に限らず困った子供のためになるなら何でもいいやと思うので、ここでも良いかなと。

月額2000円の寄付。

www.katariba.or.jp

 

というように、上の団体に計3500円/月の寄付を行うことにした。別にそんな大きな金額じゃなくて、競馬で2回くらいスった程度の金額だと思う。まあ年額にしたら47000円とそれなりの金額になるので(寄付は年収の1%くらいが良いらしく、明らかに自分はオーバーしている。そんなに高収入ではありません)、こうして観ると少なくはないかも。

ただ、翌年からは税金の控除も受けられるはずなので、実質支払う金額はそこまで大きくならない。それでも支払った分のお金は支援団体にいくので、結構コスパがいいんですよね、やっぱり寄付は(節税として)最高だと思うので、みんなも今のウチにやっておいた方が良いです。ウマ娘に続いて、今度は「寄付娘」がくるかもしれないから――。