新薬史観

地雷カプお断り

行った店記録『ガラムマサラ』『新時代』『一軒め酒場』『寅屋 天満』

これは先々週くらいの出来事ですが、原稿を書くのに飽きたため久しぶりに記事を書こうと思います。

生来引きこもることを生業としてきたものだから、休日には一歩も外に出ずとも充実した日々を過ごせるおめでたい性格をしている私ですが、酒を覚えてからというものの唐突に酒を飲みたい欲求に襲われることがあり、そういうときは素直に欲望に従うことにしています。

この日がそうでした。酒が飲みたくなったのがお昼ごろ。でも地元の良い店をあまり知りません。というわけでいつものように安牌の大阪に行く。友達はいないので代わりにその時読んでいたポール・オースター『ムーン・パレス』を持っていきました。この記事を書く一週間前くらいに読み終わりましたが、面白かったのでオススメです。

 

①インドレストラン ガラムマサラ和歌山駅

居酒屋でバクバク飯を食って太ることがマジの課題だったので、地元のインドカレー屋で先に昼飯を食いました。ねぎしそ賢い。

店員はしっかりとインド人だった。インド人を見るたびにハンドルを想起するのだが、このミームに特に意味はないのに、毎回思考回路に割り入ってくるので腹が立つ。

それはそれとして、インドカレー屋のガラムマサラ率はあまりに高いんじゃないだろうか。いまさらながら、インド料理を出す以上、インド語(人はそれをヒンディー語と言います)を店名につけなければならない日本の社会に絶望する。別に『インドカレー Happy』とか『インドレストラン 和』とかがあってもいいと思うのだが、日本の社会はその店で出す料理の国籍を店名にまで押し付けないと気が済まないのだ。そういうのは多様性を欠いていてよくないと思う。自分は常に反体制側の人間なので、ねぎしそが日本料理店を海外に出すときには、絶対に「料亭 ガラムマサラ」という名前にしようと思います。

f:id:negishiso:20211220184828j:image

で、これランチの「Cセット」なんですが、タンドリーチキンにサラダにデカいナン、ラッシーまでついて850円だからかなり破格だと思う。自分が札幌にいたときだと、これくらいで1000円はしたかなあ(たかが150円の差かよと言われるとそれまでですが)。

選んだのはテンプレのチキンカレーです。自分は結構インドカレー屋だとマトンカレーを選びがちなのですが(多分これはオタクあるある)、素直にチキンカレーを選ぶのが最適解っぽいことにようやく気付きました。ラム食うならジンギスカンでええんだわ。

タンドリーチキンも程よく辛くてよかったです。チキンカレーの辛さも最大の3に設定したのだけれど、普通にヒィヒィ言いながら食えるレベルでよかった。また来るかも。

 

②新時代(天満駅

で、腹を満たして電車に揺られ来たのが大阪の天満駅。なぜ天満駅かと言うと、飲み屋街があるだけでなく、ほかでもない「新時代」があるからなんですね~。

f:id:negishiso:20211220184842j:image

さて、新時代の何が狂っているかというと、「休日含む毎日11時~18時までドリンク全品90円」とかいう謎のハッピーアワーである。しかも初手ではビールも1杯のみ90円で注文可能だから、頼まない方がおかしい。こんなふざけたことをしているから、俺みたいな乞食が列を成して、入店まで10分くらい時間がかかりました。くそったれ。ただ、ほかの居酒屋と比べて回転が速いので助かります。唯一画面中央のミニお通しで300円取られるのがかなり腹立たしいが、乞食のような真似をしているのだから罰を受けて当然みたいなところはある。自分に文句を言う権利はない。

f:id:negishiso:20211220184845j:image

ビールをすぐに飲み終え、すぐに「メガハイボール(1L)」に移行しました。これも90円なんだから頭がおかしくなりますよ。

酒のお供にはやっぱり「伝串ピラミッド」! これ本当においしくて、絶対に10本はバクバクいっちゃうのでピラミッド(10本)で頼むことにしています。しかも1本50円だからいくら食っても罪悪感がない。最高すぎますね(ねぎしそはケチなので安いものが大好きです)。f:id:negishiso:20211220184850j:image

メガジョッキを2杯飲みほしたあたりでいい気分になってきたので、「海苔10倍磯部揚げ」とかいうゴキゲンな名前のメニューを頼む。350円。これかなりコスパいいです。海苔が10倍の磯部揚げがこんなにおいしいって知らなかったな。想像よりかはノリノリしてないんだけれど、しっかり味がついていて美味。卓上にある伝串専用のスパイスを振りかけるとさらに良かったです。

 

f:id:negishiso:20211220184839j:image

最後に頼んだのは「伝串 赤」(90円)です。文字通りに伝串を香辛料で赤くしたやつで、ドラクエに例えるとスライムベスにあたる。これが微妙でした。おいしいかおいしくないかで言えばおいしいけれど、別に伝串の2倍の値段を払って食べるものではない気がする。自分のスライムベスに対する感情と同じです。スライムはいっぱい集まってキングスライムになるけど、スライムベスってキングベスにならないですよね。もりもりベスは逃げですよ。そういう詰めの甘さのことを僕は言っています。

というわけで(?)フルタイムの2時間飲んで食べて居座って、持ってきていたムーンパレスを読んで、会計1859円で終えました。安すぎる。こんなの2件目に行くしかないよ。

 

③一軒め酒場(天満駅

一軒め酒場に二軒めに行くという長年の夢を叶えました。新時代の隣なのでスムーズに入れます。店内は疲れ切ったおじさんばかりでサイコーでした。でもみんな飲み相手がいて幸せそうで腹が立ちました。自分にはムーンパレスしかいないのに……。
f:id:negishiso:20211220184833j:image

最初に決めたのが一軒め酒場名物「バクハイ」。これはウイスキーとビールを混ぜたものらしく、未知の体験にドキドキしながら飲んでみると全然おいしくなくて草。正気か?こんなものを看板商品にするな。290円。

f:id:negishiso:20211220184814j:image

こちらは「名物!煮込み」290円。汁はおいしいのだけど具はおいしくないです。普通に肉を煮込んだだけ。ぷりぷりとか食感の楽しさもないし見た目もしょぼい。ネギくらい乗せろよ。

……え、文句を言うならもっと高い金を払っていい店に行けって?それはそう。正論楽しいですか?

f:id:negishiso:20211220184831j:image

文句ばかりですが、友達のムーンパレスがマジで面白いので実際はそこまでキレていません。あと一軒め酒場をフォローすると、次に頼んだ「しそサワー」「レモンサワー」(各190円)がかなりおいしくてよかったです。追加で「旨カツ」2本をソースと和風(おろしポン酢)でいただいたが、これもめちゃくちゃにおいしかった。「流石串カツの街大阪!」と店内で絶叫したが、この串カツは神田(東京)リスペクトの味らしい。どないやねん。

合計1273円で終了。

 

店を出てその辺をふらふら歩く。興味のある店は結構多いのだけれど、店が多すぎて絞れないし、案外ひとりで入って楽しい居酒屋ってのは見つけるのが難しい。

酒屋ではなくたこ焼き屋を見つけたので買いました。ねぎしそは別にたこ焼き殺しの家系に生まれたわけではないのですが、「見つけたたこ焼きは腹がはちきれるまで買え」と幼少期から教わってきたので、こういうことをしています。この辺りで昼にインドカレーを食った意味とかない気がしていました。

f:id:negishiso:20211220184825j:image

味ですが、不味かったです。まあ幼稚園とか小学校の塀にありがちな在校生の自由な落書きを彷彿とさせる、いっさい統一感のないパッケージからして嫌な気はしていましたが……。右下の桃鉄の名産怪獣みたいなやつはなんなんだよと思いますし、真ん中のたこ焼き家族を見ていると、「自分が普段食べているたこ焼きは子供なのか?大人なのか?」を想像して怖くなってしまうので、マジであまりパッケージを見ない方がいいです。SAN値がたまる。もしかしたらこのパッケージを見て、ラヴクラフトクトゥルフ神話を書いたんじゃないか?

 

さて、たこ焼きで外れを引いたので悲しくなって帰ろうと思ったのですが、正直あともうちょっと飲みたいので往生際悪く天満駅周辺を徘徊していました。そこでようやくこの店に出会います。

 

④寅屋 天満(天満駅

いかにも良さそうな雰囲気があったのでホイホイされました。暖簾をくぐると、「もうテッポウとアブラしかないけどいい?」と言われ、本当は何もよくなかった(ほかにも食べたかった)けれど「いいです」と答えて入店しました。ここで同意が形成されたので二度と私は文句を言うことができません。

f:id:negishiso:20211220184836j:image

飲み物は「三冷ホッピー黒」(400円)を注文。これがマジでよすぎて、飲んでいて笑いが止まらなかった。こんなにおいしいホッピー、本当に飲んだことない。以前に酒の本を読んで、どうやらホッピーは三冷(中と外と容器を冷やすこと)が一番おいしいらしいとは情報として持っていたのだけれど、まあ氷を入れたり瓶だけ冷やされていたり何も冷やしていなかったりと千差万別で、なかなか三冷には出会えなかった。そのなかでこれが飲めた感動!マジで黒ホッピーの濃厚な風味が楽しめておいしかった……。そういえばここは自分で注がなくてもいいんですね。


f:id:negishiso:20211220184847j:image

これは「アブラ」(オススメ:たれ)。部位で言うと豚の小腸にあたります。実は酔っていたのとメニューを見ていない(先述のとおりアブラとテッポウのみだった)ので値段がわからなかったんだけど、多分1本200~300円くらいするんじゃないかな?けっこういい値段がすると思うんだけれど、全然払う価値ありの串です。1人でも2本がデフォなのでそれだけがネックだが(特にアブラみたく癖の強い脂質はキツイ)、それでも一度は食べる価値のある串だと思う。外は少しカリカリしているのだけれど、一口食べるとやわらかいアブラがぶわっと口のなかに広がって、一気に満足中枢(造語)まで快感が届きます。これはタレがベストですね。よかった。

f:id:negishiso:20211220184936j:image
こちらが「テッポウ」(たれ)。テッポウとは豚の直腸をいうのだけれど、これが個人的大好き部位であるシロ(大腸)よりもずっと弾力が強く、濃厚なうまみを持っていておったまげました。もちろんテッポウがどこの部位かなんて入店時には一切わかっていなかったのだけれど、今回を機に覚えることにしました。シロとテッポウはあたり部位だ(アブラは1本だけ食べるなら最高)。

めちゃくちゃ満足の時間をすごしているうちに、店は瞬く間に回転、すぐに暖簾を外してしまった。時刻にして19時前後で、居酒屋にしてはびっくりするほど早い。次回も行くのが確定した店ではありますが、もっと早くにいくのがよさそうです。

 

というわけでこの日の居酒屋梯子は終了。すごく気持ちよかったし、いま思い返しても最高の時間だったなと思えるのでよかったです。本当はもっと大阪の別のエリア(特に中津とか西九条とか鶴橋とか)にも行きたいのだけれど、天満の居心地がよすぎてなかなか抜け出せない。自分が天満を出るキッカケになるような、オススメの店があれば教えていただけると嬉しいです。それでは~。

 

【追記】

なんとスライムベスの集合体、ベスキングが実在しました……。こんなの知らないと思っていたら、本編ではなく外伝で無限にイキリ散らかしているようです。許せない。自分はこいつを認めません。悔しかったら本編に出なさ〜い!(しかるねこ)

f:id:negishiso:20211221032223j:image