マーティン・スコセッシ『ヒューゴの不思議な発明』(2011)
【総合評価】7.5点(総合12点:全体10点+百合2点)
【作品の立ち位置】
ガチで大事にしたい作品(9<x)
積極的推し作品(8<x≦9)
オススメの手札に入る作品(7<x≦8)
まずまずな作品(6<x≦7)
自分からは話をしない作品(x≦6)
【世界構築】2点 (2点)
駅の壁に住んでいる、という設定がかなりよかった。駅構内がひとつの生活空間になっているのも面白く、そこでの人間関係が描かれるのも魅力的。スティーヴン・スピルバーグ『ターミナル』みたいな話だと思ったが、そっちよりもこっちの世界観の方が魅力的に感じた。それでいて、史実に基づいているのも好み。
【可読性】1点 (1点)
適切な位置に飽きないためのスリル要素があり、よく考えられていると思った。
【構成】1.5点 (2点)
非常にお手本的であると感じた。孤児ヒューゴの物語からパパ・ジョルジュの半生(サブストーリー)に切り替える手法は見事だし、それでいて面白いのでかなり良い。とはいえ、サムネにもある時計塔のシーンが特別目立つわけでもないのが気に掛かった。逆回転する時計のお披露目、映画を通した時計塔のシーン、時計の修理屋としての血筋、公安官に追い詰められた時計など、物語では時計のモチーフが頻出するにもかかわらず、物語のなかで重要な役割を占めているわけではない。それなのにパッケージに時計を出すのか?という困惑があった。自分ならもっとも盛り上がるパパ・ジョルジュのために機械人形を持って行こうとするシーンに時計塔の文字盤に隠れる構成にするだろうと思う。まあ、今でも十分に面白いんですけれど。
【台詞】1点 (2点)
特別、これだと響いた台詞があるわけではなかったが、悪いわけでも無い。
【主題】1点 (2点)
過去にとらわれていた人間が前に進み始める物語である。良いと思う。
【キャラ】1点 (1点)
サブキャラの個性が強く、魅力的だった。限られた尺のなかでうまくサブストーリーを組み込めていたと思う。主人公ヒューゴの行動原理もわかりやすく、感情移入ができた。
加点要素
【百合】0点 (2点)
該当描写無し
【総括】
本作でジョルジュ・メリエスという存在を知ることができたので良かった。昨今では珍しい、万人受けするような作品になっている気がする。本当にめちゃくちゃ前にマシュマロをもらったことがきっかけだったのだが、今回ネトフリに契約したことで無事に視聴できてよかったです。教えてくれた方、ありがとうございました!