新薬史観

地雷カプお断り

これまでの映画視聴履歴/未視聴リスト【2021/01/24更新】

個人的に今まで見てきたものは管理していたのですが、別に公開してもしなくても変わらないし、寧ろなんらかの話題作りになった方がいいし、これを見て有識者がさらに面白い映画を教えてくれることがあったら最高なので、公開します。逐次更新。

オススメがありましたら、この記事のコメント欄か、マシュマロmarshmallow-qa.com/jluayiz4j7fh249にいただければ幸いです。

※基本的にU-nextで観ることができるものを優先して視聴しているので、配信されていないものは、オススメして頂いてもなかなか観れないことがあります。許してください。

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【未視聴リスト】

アニメ はがれん(オリジナルストーリーの方)

Unnamed Memory

https://ncode.syosetu.com/n1488bj/

ソキの旅日記

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880382083

 

仮面ライダーアマゾンズ

ヒューゴの不思議な発明

キュア 禁断の隔離病棟

アドアストラ

カルト

青春デンデケデケデケ

クールランニング

蝋人形の館

アンブレイカブル

スカイクロラ

ウォッチメン

エクスクロス

僕らのミライへ逆回転

ファニーゲーム

未来は今

ハスラー1、2

世界大戦争物語

ファーストマン

ランボー1 first blood(2以降は暇があれば)

グロリア(リメイクじゃない方)

大脱走

戦場にかかる橋

アウトレイジシリーズ

ミッションインポッシブルシリーズ 

メッセージ

スパイダーマンスパイダーバース

「沈黙−サイレント−」(スコセッシ監督作)

海の上のピアニスト

お嬢さん

幕が上がる

舞妓はレディ

悪魔の手鞠歌

オペラ座の怪人

スタア誕生

12人の怒れる男

仕立て屋の恋

インベージョン

五反田団「生きているものはいないのか」

ままごと「わが星」

松浦理英子ナチュラル・ウーマン」

SPIRIT(2006)

告発のとき(2007)

名探偵の掟」「名探偵の呪縛」

バードマン、あるいは

はなしかわって

摩天楼を夢見て

ワンダーランド駅で

スピード(1のみ、2は見なくていい)

泣く男

中山可穂の小説

山内マリコここは退屈迎えに来て」(大森靖子的なリアルな少女描写)

村田沙耶香「ハコブネ」(同性愛でさえない愛の在り方をテーマ)

めぐりあう時間たち

雪舟えま「恋シタイヨウ系」

川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」

 

 

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履修済みリスト

(オススメをいただいたなかで、ブログ開設前に見てたやつだけ記載。これしか見たことがない、というわけではないです)

実写デビルマン

告白

時計仕掛けのオレンジ

2001年宇宙の旅

ローマの休日

パプリカ

東京ゴットファーザー

千年女優

パーフェクトブルー

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

血界戦線

のんのんびより
あたらしいうつくしいことば 

金を払うから素手で殴らせてくれないか?

リメンバーミー

ラ・ラ・ランド

グッドウィルハンティング

 

2020.0412

武器人間

万引き家族

 

2020.04/17~04/23

市民ケーン

タクシードライバー

俺たちに明日はない

アメリカンビューティー

インターステラー

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

最強のふたり

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/04/24/060632

 

2020.04/24~04/30

キャロル

グレイヴ・エンカウンターズ

はじまりのうた

ミリオンダラー・ベイビー

英国王のスピーチ

5つ数えれば君の夢

溺れるナイフ

永い言い訳

叫びとささやき

牯嶺街少年殺人事件

地獄の黙示録

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/05/01/091815

 

2020.05/01~05/07

愛のむきだし

アメリ

カリスマ

自殺サークル

シャーロックホームズ

アメイジングスパイダーマン

怒り

バットマン ビギンズ

ダークナイト

ダークナイト ライジン

コラテラル

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/05/08/124132

 

2020.05/08~05/14

ニュー・シネマパラダイス

バットマン

メメント

フォレスト・ガンプ

鑑定士と顔のない依頼人

ユージュアル・サスペクツ

良いビジネス

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ゼロ・グラビティ

キャビン

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/05/08/163915

 

2020.05/15~05/21

天使にラブソングを

若女将は小学生!

博士の異常な愛

チャイナタウン

テルマ&ルイーズ

ロリータ

Mr.タスク

インセプション

プレステージ

フェイスオフ

アンドリューNDR114

ブレードランナー

サマータイムマシン・ブルース

友達の家

恋する極道

オトコノクニ

曲がれ!スプーン

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/05/21/233602

 

2020.05/22~05/28

ハウリング

ロック

出てこようとしてるトロンプルイユ

ノスタルジア

パルプ・フィクション

御法度

ブレードランナー2049

エイリアン/ディレクターズカット

グリーン・インフェルノ

ミスト

ショーシャンクの空に

カサブランカ

遊星からの物体X

プラダを着た悪魔

ファイト・クラブ

シックス・センス

ソーシャルネットワーク

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/05/30/101557

 

2020.05/29~06/04

羅生門

椿三十郎

レオン

ヒッチコックトリュフォー

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/06/05/174850

 

2020.06/05~06/18

ブラックミラー シリーズ

今夜、ロマンス劇場で

草原の実験

第三の男

ロゴパグ

奇跡の丘

裸のランチ

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/06/20/105942

 

2020.06/19~06/25

BACK TO THE FUTURE2

救命艇

誘惑のアフロディーテ

プロジェクトA

プロジェクトA子シリーズ

失われた週末

バッファロー'66

アタック・オブ・ザ・キラー・トマト

白痴

トレインスポッティング

トップガン

百円の恋

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/06/26/095716

 

2020.06/26~07/02

雪の轍

下妻物語

ローズマリーの赤ちゃん

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/07/04/080659



2020.07/03~07/09

レディ・プレイヤー1

ロゼッタ

オデッセイ

ティファニーで朝食を

狼たちの処刑台

デス・プルーフ in グラインドハウス

プラネットテラー in グラインドハウス

トゥルーライズ

グッバイ、レーニン!

日本沈没2020

キノの旅 -the Beautiful World

トゥモローワールド

花とアリス殺人事件

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/07/16/193337?_ga=2.187412456.15611517.1596105237-481205787.1589239390

 

2020.07/10~07/23

イレイザーヘッド

ベルリン・天使の詩

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/07/24/144145?_ga=2.187412456.15611517.1596105237-481205787.1589239390

 

2020.07/24~07/30

モンティ・パイソン/人生狂騒曲

凪のあすから

ガタカ

トゥルーマンショー

シモーヌ

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/07/31/052026?_ga=2.75414098.1518965290.1596576298-481205787.1589239390



2020.07/31~08/06

バリー・リンドン

新聞記者

許されざる者

犬神家の一族

恋人

めぐり逢い

円盤皇女ワるきゅーレ

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/08/06/184706?_ga=2.75414098.1518965290.1596576298-481205787.1589239390



2020.08/07~08/13

ヴェノム

再生産総集編 劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド

CUBE

CURE

回路

ボヘミアン・ラプソディ

グレイテスト・ショーマン

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/08/15/184746?_ga=2.268030283.457148853.1597480001-481205787.1589239390



2020.08/14~08/27

雨に唄えば

オールザットジャズ

8 ½

来る

金色のガッシュベル!!(ファウード編は原作も)

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/08/30/191527?_ga=2.173513575.59780527.1599220737-481205787.1589239390

 

2020.08/28~09/10

マグノリア

マッドマックス 怒りのデス・ロード

マッドマックス

マッドマックス2

マッドマックス/サンダードーム

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2020/09/11/054408?_ga=2.173513575.59780527.1599220737-481205787.1589239390

 

2020.09/11~09/17

砂の器

Oasis

ペパーミント・キャンディー

 

2020.09.22

TENET

 

2020.09.22~2021.01.24

ダーティ・ダンシング

ピアノ・レッスン

魔女見習いを探して

鬼滅の刃 無限列車

 

マイ・フェア・レディ

ノッキン・オン・ヘブンズドア

ミッドサマー

グランド・ブタペスト・ホテル

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

ファンタスティックMr.Fox

ムーンライズ・キングダム

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2021/01/23/130701


 

2021.01.24

ダンサー・イン・ザ・ダーク

https://negishiso.hatenablog.com/entry/2021/01/24/110603

 

 

以上。

 

おすすめ作品とはこちらに投げてくれると管理しやすくて助かります

marshmallow-qa.com

おねロリ百合アンソロジー「ストロベリーパルフェ」読んだ!

f:id:negishiso:20210912071847j:image

毎日ブログ更新、かなり評判が良くて毎日6551481363579人くらいの読者から「毎日ねぎしその文章が読めるのサイコー!」という声を頂いていたのですが*1、やっぱりめんどいので辞めました。自分は本当に毎日何かをするというのが向いていない。ウォーキングだけは続いているので偉い。でもそれ以外は何一つ偉くないですね……。

本記事タイトルのおねロリ百合アンソロジーを読んだので感想メモを貼ります。感想は気に入った作品の順に並べています。

 

全体の感想

本作においておねロリの核となる部分(大人と子供との倫理観のすれ違い、立場の違い、大人が子供に手をかけることの罪深さ)を作品に落とし込めているさかさな先生、伊藤ハチ先生がラストを飾る形になっており非常に良かった。それ以外でも素晴らしい作品はいくつかあったが、一部おねとロリが絡むのがおねにとっての癒しであると大人側の都合のみで書かれている作品があり、評価の難しいところ。もちろん自分の考えが全てではなく、癒しを求めておねロリを読む人間もいるだろうからこの作品のラインナップはアンソロジーとして非常に優秀だと思わざるを得ない。編集者の斉藤浩さん、また名前を見かけることになるかもしれない。

 

伊藤ハチ「自由への逃亡」

やっぱ天才なんだわ。基本的にロリには世界を拓く力はなく、死体や涙や絶望といった「汚い」ものを見せられていい存在でもない。つまりロリとは当たり前ながらも庇護されるべき存在であるし、その役割を担うのは子供より物理的・社会的に力を持ち、「汚い」ものを見慣れた人間でなくてはならない。この当たり前の前提をどこまで共有できるかが問題なのだけれど、少なくとも今回のケースは国が行った原発実験にこそ問題があり、その害を被るのは本来大人だけでなくてはならなかったという点で共感する。大人の都合により自由を奪われた「天使」を、「天使」がずっと夢見ていた青空や花畑という「自由」の場へと連れ出すのが大筋で、これだけで好きになる。本来であれば逃亡百合に備わるはずの閉塞感は、灰色の空から青空へ、生命の朽ちた病院から草原へと移ることで軽減され、なんとも言えない絶妙な読後感を生み出す。妹への追悼をタバコの火で代用するのはファイアパンチで見た流れなのだが、やはりとてつもなくかっこいい仕草。大人のケジメは大人がつけるという倫理観を他でもない伊藤ハチ先生が備えていることが、日本のおねロリ界にとって救いでしかない。線の薄さ、多重に重なる輪郭線が演出する子供の頬の柔らかさが大好きすぎます。天才です。

 

さかさな「まよいどり」

ガチで俺が求めている倫理観を持っている人間に出会えて本当に良かった。子供の感情のまま(こと恋愛に関しては)善悪がつかないような大人もいれば、何を考えているのわからない無邪気なロリから脱却しつつも、嘘をつく大人になりきれない子供もいる。大人=嘘というのがこの構造の中にはあるんだけれど、嘘をつくようになったからと言って精神(大人)と肉体(子供)が一致するわけでもなく、心身の成長スピードには差異がある。春の季節に新たな制服に身を包んだ小瑠璃は「ダボダボ」というイメージからまた子供にリセットされてしまうけれど、精神と違って肉体はそのような脱皮を繰り返して少しずつ大人になるナツの季節に近づいていく。脱皮というイメージから連想される幸せ、「待つ」ことを覚えた(倫理観を備えるようになった)大人、ナツから連想する青春の甘酸っぱさが見通せて全てが愛おしい。素晴らしい作品。


篠ヒロフミ「のんちゃんのコーヒー」

とても素晴らしい。ロリの感情の動きや行動(手紙を恐る恐る開くシーンなど)に愛が詰まっており、大満足。冴子さんからのんちゃんへの優しい視線も最高。


くもすずめ「私の先生は魔法使い」

めちゃくちゃいい。魔法使いを疑われる人間が魔法使いという展開はありふれているが、魔法使いであることが幼女にとってストレートな救いになる点が綺麗すぎる。大好きだ。


はねこと:表紙

ロリに迫られ、診察を受ける「お姉さん」の頬の染め具合が良い。恐らく血は繋がっておらず、共に友人は少ない。大量の診察セットからはロリの診察に対する真剣さが感じ取られ、絶対にお医者さんごっこをしたいんだという強い意志が見られる。それに屈するお姉さんはまだ学生で、大人になりきれていないところからも庇護する側に完全には立てておらず、ロリの倫理観でずるずると危うい一線の近くをあゆみ続ける。そういうシーンの切り取りを思わせる素晴らしい一枚。


いちごイチエ「私のおねいちゃんはうるさい!」

おねいちゃんって呼び名がとてもいい。ただのお姉ちゃんではないことが「い」に込められている。しょんもりという言語センスもよく、絵だけではなく言葉でも作品世界作りがなされている点で好感度が高い。個人的には姉妹百合なのだが、これくらい歳の差があるとおねロリと言えなくもない。


寺山電「姪に殺されるかもしれない」

ジト目ロリ、めちゃ可愛いので神。子供の意味わからん動きが表現されていてそこもいい(最後の首締めだけは微妙だが)。強い感情を持ったロリに法律を変えるとまで言わせるのはオタク的にはとても嬉しいが、その感情の大小に関わらず、取り組むべきは大人だよなとは思う。でもまぁフィクションはフィクションで消化すべきですね。


和泉キリフ「おとなりエンジェルズ」

ゆうぽむを連想してしまった。案外テンプレ気味な作品でびっくりした。


めの「これはフィクションです!」

youtuberの画面越しの虚構を扱っているが、次第に嘘が本当になっていく様は予想通りだが嬉しい。ただそう離れていない年齢差や(義理であれ)姉妹である関係性を考えると、おねロリに分類されるのかは微妙(自分は姉妹百合だと思う)。ただ、これまでのおねロリの概念を広げる良い作品でもあるのかもしれない。

 

さかなや「マイプリンセス」

お姫様に憧れるひなちゃんはとても可愛らしいのだけれど、自分の代わりにみどりお姉さんをお姫様にしようとする感情の動きが掴めなかった。幼女はそんなことを考えるだろうか?もう少し自分本位なムーブが見たかったし、自分の嫌な黒髪サラサラストレートでもお姫様になれることを教えてあげるのが筋だと思う。とはいえ、ほんのりと親戚づきあいをするこの作品はそもそも他の作品とはまた違った目でみることになった。こういうのもおねロリと言えばおねロリですね。


竹嶋えく「お姉ちゃんは変わってる」

あまりにテンプレなので面白くないが、逆に言えばテンプレでも作品として仕上げる実力があるのですごいのかもしれない。

 

以上。

*1:嘘です

遠野遥「破局」読んだ!

さっと読める中編だった。高山羽根子首里の馬』と同じく第163回芥川賞を受賞した作品であるが、個人的にはそこまで評価するものかな?とは思う。芥川賞は取りそうな香りがプンプンしていたので、いかにもという感じ。

この前読んだ村田沙耶香コンビニ人間』では、無感情かつ無欲な人間が規律に縛られることで社会に溶け込もうとする話で、孤立から脱却する(他者から承認される)手段として中身が伴わない抜け殻を模倣することを良しとする。コンビニという中身が圧倒的に充実した店舗で働く一方で、中身が詰まっていない人間とそれを承認する社会の対比が面白かったように思う。

破局の主人公も、コンビニ人間と同じく中身を伴わない人間だ。唯一彼には自律的なスポーツへの執着があり、恋愛とセックスが好きなように、他者を征服することに快感を覚えている節がある。一方でその他のことには何処までもフラットな(あるいは興味の無い)視点で物事を見つめ、それが端正な文体に表現されている。もうひとつ面白いのは、『コンビニ人間』の主人公は社会的敗者で、『破局』の主人公は社会的勝者に分離されるところだと思う。作品としてそれぞれ違った道のりを歩むが、いずれも執着していたものを奪われた瞬間に自己が暴走する点で似通っている。ただ、『コンビニ人間』よりも共感しやすく、共感能力や自己が欠如した人物の造形に成功しているという点においてはすごいと思うし、それゆえに『コンビニ人間』が芥川賞を取れば『破局』も芥川賞を取ることになる。押い出しの原理である(そうか?)。

ひとつ気になるのが、平野啓一郎も選評で触れていた「かくれんぼ」等の用法だが、これに加えて作品中では「首だけの女の怪談」「区別が付かない赤いメダカ」などがある。怖いようで怖くない怪談や、赤くて名前のないメダカは恐怖を煽るようで煽らず、個人的には、所有主の灯の増大する性欲の象徴の予兆として働いているくらいの認識を出なかった。かくれんぼで「隠れるのが巧い」と自称する灯が、その性欲を隠し続け、最期の最期に正体を見せることになるという点も巧いといえば巧いが、そこまで構造や作品の美しさに寄与しているかと言えば微妙。

結論からすれば面白いけれど積極的には推せないレベルの作品なのだが、それでも一部の表現には思わず唸ってしまったのでいくつか引用して終わりにする。

私の性器が麻衣子の腰に接触し、ナイフのように勃起していた。勃起した男性器を押しつけられるのは、いったいどんな気分か。興奮するか。もっと押しつけて欲しいか。熱いか。硬いか。何とも思わないか。どうでもいいか。汚いか。不快か。頭にくるか。悲しいか。泣きたいか。許せないか。早くこの時が過ぎて欲しいか。少し気になったが、勃起した男性器を押しつけられた経験のない私にはわからない。私としては、麻衣子の腰に男性器を押しつけているのは、悪くない気分だった。

これは素晴らしかった。

また灯が性器に話しかける描写や、麻衣子に詰め寄られた時の文章、

どうしてと麻衣子が言い、穴、と私は想った。口や鼻というのはつまり人間の顔に空いた穴だと気づいたのだ。

この辺りは非凡なセンスを感じる。主人公の異常性というより、独自の価値観による視点を十分に説明できている文章だと思う。

こうして見ていくと、作品自体はそこまで合わなかったが、作家としてはやはりすごいのだろうと考えを改めたりする。他の作品も読んでみたい。

美術館と図書館に行く

本当ならばタイトルに「映画館」も追加したかったのだけれど、映画館へのアクセスが悪すぎて足を運べない。そう離れたところにあるわけでは無く、車があれば十数分でいける距離ではあるのだが(都会からすれば非常に遠いことは否めない)、家族みなが「ねぎしそは家に引きこもるもの」だと思い込み、勝手に自分たちの予定を組み立てていき車に乗っていくので、自分は祖母の介護を強いられ昼間で自宅待機をせねばならないし、外出時の相棒は偽ロードバイク(自分はロードバイクだと思って買ったが、自転車屋の店員は「これはロードバイクではないです」とのこと)ということになる。俺はこいつと旅に出る。美術館と図書館に行く。ついでに映画館にも行ければいいのに。

と思って感傷的に書き始めていたのだが、よくよく考えれば自転車でもそう遠くないことを思い出した。あれ、もしかしたら自転車に乗って映画館見に行けるかも。というより、仕事終わりに映画館に向かうことだって可能かもしれない。今までずっと車に乗って行っていたので、「休日に」「車でしか行けない*1」という固定観念に縛られていた。まるでゼルダの伝説のダンジョンのようだと思う。そうか、自転車でも行けるのか。しかも平日でも行けるのか!

仕事終わりでもぜんぜん「ドライブ・マイ・カー」観れるじゃん!

ちょっと急にテンションが上がってきたので今回の記事はここで終わりにしようかと思います。*2

このブログ書いて良かった、こういう気付きがあるのでブログは良いですね。

 

*1:実は自分は免許を持ってはいるものの、車の運転がめちゃくちゃに嫌いだ。事故した時のリスクと移動するときの利便性を考えると、あまりに釣り合いが合わないからだ。それゆえに車に乗って映画館に行くことに強い抵抗感があった

*2:ちなみに本来書こうとしていたことは、美術館で何故か毎月初めの日曜は入館無料になっていたこと、浜田知明『初年兵哀歌 銃架のかげ』『初年兵哀歌 歩哨』や吹田文明『虹は花の色を盗んで咲く』、君平『7.62MM 7食入』などを知ることが出来た嬉しさについてだった。入館料無料が嬉しいのは言うまでもないことだけれど(ただ社会人として全然払える金額ではあるし、入館料を払った方がこの美術館のためになるんじゃないのかと思ったりするので、今度行った時に聞こうかなと思ったがかなり失礼なので辞めます)、やはり良い作品に出会えた時の喜びは格別である。自分はこれまで美術館の所在地が田舎である故に、展示されている作家も作品も、同郷のよしみで飾られているものしかないんじゃないのと思っていたところがあった。そのため都会の美術館しか行く価値はないと思っていたのだが、地元の美術館で宇佐美圭司『遺作・制動(ブレーキ)・大洪水』を見て以来認識を改めているし、とんでもない作品というのはふとした時・場所に転がっているものである。もちろん、田舎より都会の方が接点が多いために出会いやすくなる確率は高いと思うのだが、田舎でも全然悪くないなと思えるようになってきている。特にこれは図書館において言えるのだけれど、地元の図書館がはちゃめちゃに優秀なので、海外から国内の有名どころの小説が多数揃っている。自分の経験上でしかないが、こればかりは都会でも珍しかったりするので、せっかくなのでもっと活用していきたいなとぼんやり考えている。これで気の置けない友人さえできれば最高だし、事実高校同期がそこらに居るので不可能ではないと思うのだけれど、このまえ呼びかけてから一気にコロナが拡大し、立ち消えになってしまった。インターネットオタクと連絡をとればいいのだけれど、最近はインターネットに人間関係を掌握されすぎな気がして良くないな~と声優と家族以外からほぼほぼ来ないLINEを見ながら考え込んでしまう。まあ原因は自分から話しかけないことにあるのだけれど、周囲はみんな車か釣りにしか興味がないっぽいからなあ。SNSで同郷のオタクを探すしかないのかもしれん。インターネットから離れたいのに、離れるためにインターネットを使わなければならない本末転倒感。とほほ。

枕の死骸に頭を乗せたら最悪なことになりました

公園に行った時のことでした。丁度日課の朝マラソンをしていた時に、木の根元から枕がゆっくりと顔を出す場面に出会いました。なかなか無いことなので座り込んで見守っていたんですけれど、その木には大量の枕の抜け殻がくっついていて、なるほどこの木は枕の脱皮スポットなのかと驚きました。甲殻類特有の節ばった二関節の八本脚で木にしがみつき、他の抜け殻の間を縫って自分だけのスペースを見つけます。枕が落ち着いたのでようやく脱皮かと思ったのですが、なぜか呼吸のたびに僅かに膨らみ萎むばかりで、全く殻を割る気配を見せないのです。脱皮するタイミングを見失ってしまったのだろうかと不安に思っていると、枕の堅く透明な殻のなかで、突如、真っ白な羽毛がブワッと広がりました。その勢いは烈しく、破裂しそうになりながらも殻内部からの圧力と大気圧との均衡は保たれていたようで、それきりゆるゆると萎んでいくばかりでした。結果としてそのまま枕は脱皮することなく、朝マラソンの二周目に再びその場に戻ってきた頃には、枕はコテンと木の根元に転がっていました。透明な殻のなかには羽毛をため込んだままです。見ると枕の裏側には内臓が詰まっていて、二度と拍動しないそれらは赤く黄色い有機物の塊でしかなく、ややグロテスクにも思えたのですが、なんとなくそれが生春巻きみたいにも見えて綺麗だったので持って帰ることにしました。

枕の死骸の感触はゴムのようでした。

枕というと普通、飛んでいるものを生け捕りにして永久麻酔で眠らせてから洗浄して皆さんの家庭に届けられるものですが、やっぱり死骸ということもありますし、いつもの枕とは少し様子が違います。あまりふわふわしていないし、ゴムっぽい肌触りはお世辞にもいいものだとは言えません。それでも自分はこの子を本当の枕のように使ってあげてみたくて(そもそも本当の枕はどちらかという話にもなりますが)、昨日は枕の死骸に頭を乗せて眠りに就きました。

悪くない寝心地でした。

ただ、問題は「いま」このときです。今朝起きたとき、何故か部屋全体がお酢のような匂いで充満していて、思わずむせ込みました。頭も濡れているし何コレという気持ちだったんですけれど、どうやら寝ている間に潰れた枕の内臓の汁が殻の隙間から漏れ出ていたようです。部屋の悪臭はこれが原因でした。ベッドは酸化した赤黒い色の汁でべとべとですし、羽毛も真っ赤に染まっていてキモいしで最悪です。それ以上にキモいのがさっきから自分の部屋の窓をキイキイ叫びながらたたき割ろうとしている枕の群れで、きっとこれも換気した時に部屋から漏れた枕の死臭につられてやってきた正義感の強い枕たちなんでしょう、本当に面倒くさい。いまはなんとか窓を閉めて耐え忍んでいますが、そのうち窓ガラスも割られてなかに入ってくるんじゃないかと心配です。とりあえず警察には通報しています。

でもこいつら、部屋のなかに入ってきて何をするつもりなんでしょう?

樋口惣太郎「大江戸温泉物語」を読んだ感想

※注意! このブログは「大江戸温泉物語」のネタバレを含みます!

 

 

 

 

最近話題になっている「大江戸温泉物語」を読みました。

ついに完結しましたね。樋口惣太郎「小江戸温泉物語」シリーズの三作目でもある「大江戸」ですが、2作目の「中江戸」に比べたら流石に面白かったです。「中江戸」はなんというか全てにおいて中途半端で、宮原満緒が新聞に寄せた書評で「あまりに冗長で吐き気がした。作者を殺そうと思う」とまで書いたのも理解は出来ます。頷けはしないですけれど。個人的には田村なお子が「(中江戸は)まるで三日間お湯を替えていない温泉に入ったかのようなぬるさ」と評していたのが的確で、あの微妙に引き締まるようで引き締まらない文章をずるずると読まねばならない感覚は、温泉に入っているのにぬるいがために身体が冷めていくという逆転現象に通じるところがありますし、それでいてそこから抜け出せない感覚も思い出されます。田村も自分も作者への殺意は沸かなくて、「小江戸」で完全に心を奪われた側の人間として、どうしても「中江戸」を捨てきれないところがあるんだと思います。確かにミステリとしての質は言うほど悪くはないんです。文体が森鴎外みたいにかっきり事実を並べていくスタイルなのもよかった。ただ、そのようなテンポかつ面白そうな雰囲気で話を進めていくのに対し、メインストーリーの動きがあまりに少ないし、不必要な描写が多すぎる。結局サビの部分がわからないまま殆どの人は詠み終えると思います。で、結局は500P越えのくせに、中身としては小江戸と同じくらいの面白さなんですよね。小江戸が100Pだったことを考えると、やっぱりその密度の差が面白さに直結したのかな~と。

その点、本作の「大江戸」はマジですごかった。というより「なんで『中江戸』みたいな中途半端な物語をやったんだろう?」って思っていた謎が「大江戸」ですべて解消されて、「そんなことある???」と思いました。

なんか最近Twitterでバズってましたけれど、未読者からすれば意味がわからん大江戸の冒頭、

「小西さんは死なないよ。僕やなっちゃんが死んでも」

 痛みはなかったはずだ。

 数秒後に出来た大曲の後頭部の凹みは、奇しくも中佐古と同じかたちをしていた。血で濡れた角材を手にする男とその妻は、大曲の頭の陥没がもう二度と元には戻らないことを確認し、足早にその場を去っていった。だから彼らは、大曲が胸元のペンダントを握っていたことに気がつかなかった。

 気付くはずがなかったのだ。

この入り方はマジで天才のそれで、ここに「小江戸温泉物語」シリーズが全て詰まってるって言っても良いんですよね。いや、なんか書きながら泣けてきた。

つまりどういうことかと言うと、これはシリーズ全体のネタバレになるんですけれど、「シリーズの主人公は全員、地球外生命体」なんですよ。SF小説でこれやるならつまらなさすぎますけれど、このシリーズってミステリとして読むじゃないですか。登場人物が地球外生命体っていう発想は外されるんですよね。しかも小西は探偵役で、中佐古も大曲も探偵役かつ被害者をやっていますけれど、まったく地球外生命体である要素は推理に関わってこないんです。このシリーズを通して描かれているのは、「いつのまにか地球に入り込んでいた宇宙人の日常」でもあるんですね。で、小江戸の小西はまさにモデルタイプで、探偵として巧く地球に溶け込んでいて、「侵略せずに他の星の面倒事を解決することで共存を図る」平和的手法を活用していたことからも、次世代である中佐古と大曲のヒーロー像そのものでもあったわけです。この伝記が「小江戸」として故郷で発行される。漫画化もアニメ化もされて、故郷の星では小西になりきって戦う遊びが流行っていたらしく、それを受けて、小西への憧れがずっと抜けない中佐古と大曲を主人公として配置した構成が非常によかった。しかもこの二人は幼なじみ百合であることが「大江戸」で明かされるのがすごく良くて、「中江戸」で中途半端に放置されていた中佐古が死に際に握る胸元のペンダントは、かつて故郷で大曲と一緒に買った小西仕様のそれであり、お揃いなんですよ。いや~流石にエモすぎる。これ、二人だけしか持っていないペンダントじゃなくて、あくまでレディメイドってところがいいんですよね。つまり二人の絆は中江戸と大江戸で完結するわけですけれど、小西への憧憬は二人だけのものではなく、誰でも手にすることができるレディメイドのペンダントを通して、これからもずっと続いていくんですね。これが本当に良い。その根底にあるのが他者との共存で、相手(地球人)の問題を本当に理解したいと考えているその姿勢に心をやられますよね。さらにここで地球人として心を打たれるということにも逆転の構造があって、我々も同様に他者への理解をすれば、歩み寄られた側からすると心を打たれるよね?という樋口惣太郎の善性が込められているのだと思います。

TLを見ていても、大江戸温泉物語を読んでいる人は全然いないので、はやくこの感想を分かち合いたい……興味のある方は是非こちらからどうぞ→(

今までよかった誕生日ランキングベスト10

今日はねぎしその誕生日です。9月2日は「クジの日」なので、幼少期から自分はクジ運に恵まれているんだと信じ込んできたのですが、宝くじは300円しか当たったことがありませんし、そもそも5年に一度くらいの割合でしか買ったことがない。ビッグ・ドリームのない若者なので。

 

さて、もうこの歳になると誕生日も憂鬱でしかありませんね。両親の誕生日を祝って「もう嬉しくないよ」と言われた時は「なんて逆張りしているやつらだ」と憤慨していましたが、その気持ちがようやく分かるようになってきました。誕生日が嬉しいのはせいぜい20歳までで、これは【飲酒解禁】という人生を変えるビッグイベントがあるわけですから酒が飲める人なら誰でも納得していただけると思います。しかし21歳、22歳になると雲行きが怪しくなっていき、23歳、24歳まではギリギリ許容範囲なのですが、アラサーに入ると途端にダメになります。30~50代の方からすれば20代はまだまだ若者でしょうが、渦中の20代は絶望のまっただ中です。昨日、両親からは「私は23歳で結婚したし、お前の歳にはもうお前を産んでいる」と宣言され、発狂しそうになりました。まだ大人じゃない、僕はまだ子供なんだ……とまでは言いませんけれど、入社時に社長から「そろそろ結婚する歳じゃないか」と言われたり、外部の女性の方と仕事をすると「あの中にお前の嫁さん候補がいるかもしれんね」と上司から弄られたり、歳下の同期には「なんでねぎしそさんは誰かとお付き合いしないんですか?人生楽しく生きましょうよ!」と無垢な笑顔で煽られたりと散々な日々を過ごしています。そりゃ地球上の女性はみんな自分のお嫁さん候補になる可能性はありますし、男性もパートナー候補になり得るでしょう(どちらも限りなく可能性は低いにしても!)。自分からすれば上司の弄りはまったく意味のない発言であり、聞く度に「そうですね」と返すのですが、マジで田舎の婚姻への執着が怖すぎる。恋愛以外にやることがないんでしょうか? ないんでしょうね。

まあ自分はまだまだ結婚はおろか交際する気もないのですが、それは単純に他人に時間をかけられるほど自分に余裕がないことや、他人に興味を持つことが少ないというのが主な要因です。また比較的精神が安定しており、一人で生きるのが(今は)なんら問題がないというのも大きいように思います。あまり人間関係を損益で語りたくはないのですが、自分には間違いなくその物差しはあり、性交渉にあまり魅力を感じない自分としては、恋愛路線に乗せてまで他者との関係を親密にさせるコストとメリットが釣り合いません。

周りにこの考えを話すと「お前は異常者そのものであり、明らかに婚姻できない人の思考であり、孤独死直行√だよ」とのことですので、ここらはちょっと改善の余地があるかなと思います。なので後学のために交際はもしかしたらするかもしれませんが、自分から動くことがないために、そのままアラフォーになる可能性が高いです。とはいえ、想像以上に鬱陶しい田舎特有の(都会でもこんななら笑う)うざい恋愛志向による抑圧から逃れるための交際という手段はやぶさかではなく、そこにのみ自分のメリットがあるような気がします。まあその場合は、都会への転職も十分選択肢に入りますし、そちらの方が実現可能性は高いです。

で、交際ですらこのような面倒がっている人間なのに、婚姻ともなるとさらに気持ち悪くなります。自分は生まれてくる子を(どうしようもない外的要因以外において)不幸にしてはならないし(恐らくどこかで破綻しますが、それでも出来ることはあるんじゃないの程度のノリです)、最低限度の環境は用意してあげるのが親の務めだという思想を持っています。生まれてくる子に罪はないので。

ですから、自分の頭のなかでは①一日が48時間で、②貯金額も充実しており、③「一個人でありながらも」(ここが大事ですね)親として子を育てる最低限度の環境の用意があり、④子を育てる決意があり、⑤いざという時に育児を頼めるバックアップの存在があり、⑥第三者からの審査のうえ、①~⑤を十分に満たすと判断されたときにのみ婚姻をしてもいいかなという気にはなりますが、ここまで書いておいて我ながらキモいので、今後これについてはあまり口にしないようにします。

 

で、何の話をしているのかと言いますと、もう自分はそんなことを考えるような歳になってしまったという悲しさを文章にしていたわけで、決して自分がこの歳になっても彼女ひとりいないことの弁明を顔を真っ赤にしてやっているわけではありません。これはマジです。それにしても、この前までコッコロちゃんを初めとする幼女体型のアニメキャラに「ママ~!」と叫んで画面にかぶりついていたのに*1、今ではすっかりパパの気持ちです。交際している人すらいないのに恥ずかしい人ですね。まあ、そうですね……でも本当に時間の進みとは早いものでして、ママと叫んでいた子もパパとしての可能性を検討するような歳になり、あっという間に孤独死するのでしょう。これも全ては1日のうち1/3を占める8時間労働のせいで、やっぱり労働はクソなんだと思います。労働がないだけでいかに生活が充実するか、皆さんは考えたことがありますか?あるならなぜ未だに資本主義社会が屹立しているのでしょうか、本当に許せない。労働さん、こちらがぶぶ漬けどす、ドスどす、その痛みと苦しみが、死どす。

 

と鬱屈した文章を書いていても何も楽しくないので、いよいよ本題に入りましょう。そう、まだ本題じゃなかったんですよ。

実はこの記事のタイトルは「今までよかった誕生日ランキングベスト10」でして、かつての良い思い出を振り返ることで、これからも前向きに生きていこうという企画でした。

と思ったはいいのですが、びっくりするくらい誕生日の思い出がないことに気付きました。よく考えたら誕生日会なんてやったことがないし、誕生日に家族以外の誰かと遊びに行ったこともないんじゃないでしょうか。いや、大学生時代に男と飲みには行きました。誕生日プレゼントも何度かもらったことがあって、大学の寮の人から200円くらいのコンビニのケーキひと切れをもらったのは良かったのですが、その人の誕生日にお返しを渡すのをすっかり忘れてしまい、マジで険悪になったことがあります。

また、一度ネットで欲しいものリストを公開したこともあるのですが、そのときは一方的に高額な本が何冊も送られてきて震えました。じゃあそもそも入れるなよという話ですが、欲しいものリストの認識が甘かった自分は、純粋に(値段関係なく)これまで気になっている本をメモ代わりに入れるという使い方をしていたため、まさか本当に購入されるとは思っていなかったのです。流石に頭が弱すぎる。で、慌ててお返しを送ろうにも、送ってくださった方は欲しいものリストを公開してくれないし、これは申し訳ないということで二度とやらないことにしました。

あとは大学のラボ同期と誕生日にラーメンの驕り合いをしたくらいでしょうか。

今思えばなんともコメントに困る思い出で、全体的に良かったし、「良くなかった」ことはありません。ただ、自分のなかで鮮明に覚えているのが自分の誕生日よりも高坂穂乃果園田海未の誕生日ばかりで、彼女たちのためだけにステーキを買ったりワインを買ったり、園田海未の好物である「ほむまん」を作ったり、穂乃果の好物の「いちご」を買ったり、祭壇を作って自己顕示欲を満たしたり、フィギュアを握って海に行ったりしていたキツい思い出ばかりが思い起こされます。

あの頃は若かったし、事実若かった。今はもう年老いており、成人したばかりの人間が「いや~もう歳だわw」と言っていると殺したくなってくるのですが、こうして文章を書いている自分ももしかすると、アラフォーやアラフィフからすれば殺戮対象だろうし、未来の自分はそうすると思います。やっぱり人生において一番大事なのは時間なので、皆さんも大切にしていきましょう。

 

結論

気になる「今までよかった誕生日ランキングベスト10」ですが、そんなこと書いている暇があるなら本を読みたいので、本を読みます。皆さんもこんなクソ日記を読む暇があったら本を読んだほうがいいですよ。それでは。

*1:一度もそんなことをした覚えはありませんが、周りがしていたので自分もしたことにして書きました

アガサ・クリスティ「アクロイド殺し」「スタイルズ荘の怪死事件」「ABC殺人事件」読んだ!

ソシャゲは5時に日付が切り替わるので、なにかとソシャゲに例えられる人生においてもこの言説は成り立つと思います。というわけでこのブログも5時までは9/1の投稿文ということで良いはずです。少なくとも自分のなかでは。

 

実は生まれてこの方アガサ・クリスティを読んだことがありませんでした。ダンガンロンパ逆転裁判レイトン教授など、明らかにその系統のゲームは好きな癖に、そもそもミステリの本は読まないという偏りっぷり。別に悪くはないのですが、この前他の人と話していて「これはちょっと良くないな」と思い、まず手始めにアガサクリスティを読むことにしました。しかしながらまさか市民図書館で小学生が群がる棚に収められているとはつゆ知らず、見れば裏表紙に「小学校上級生から」という印字がされていてとても悲しくなりました。自分がこどもおじさん(大人になっても子供部屋に閉じこもる独身男性の揶揄)であることは重々承知しておりましたが、まさか読み物でまでそれを指摘されるとは……。

冗談はさておき、読み終えたので感想を書きます。

 

(「犯人は誰」というような直接的なネタバレは避けますが、文章の端々から匂わせる雰囲気でわかる可能性があるので未読の方は避けてください。ちなみにタイトルをwikiると秒でネタバレが発生するので注意です

 

アクロイド殺し(1926)

実は自分が読んだ本のタイトルは「アクロイド氏殺害事件」なのですが、かっこいいので上のままで書いてます。

この作品から入ったことによる恩恵があったため、評価がかなり上向いた作品です。非常に有名な「ミステリにおいてこの展開はフェアかアンフェアか」という論争を巻き起こした作品ですが、自分は断然フェア派です。同じフェア派にドロシー=セイヤーズ江戸川乱歩がいて、アンフェア派にはS=S=ヴァン=ダイン、小林秀雄がいるそうです。フェア派の人間は今なら非常に多いような気がします。というのも、オタクが大好きなとある用語が、この作品の性質そのものを指し示しているからです。ここで大事なのは既にその用語がインストールされている頭のまま読める人間が大多数いるということで、当時はその概念が確立されていなかったために、大きな論争を巻き起こしたのでしょう。この作品がガチの本家という訳ではないのですが、画期的だったのは事実でしょう。自分は後半で犯人に気がついたのですが、それもポアロが匂わせに匂わせを重ねた末のものであり、自力で見つけるのは難しかったと思います。もちろん、先述のある概念をインストールされた頭ではアンテナを張れますし、ダンガンロンパシリーズで似たような話があることからも犯人を推測することは可能です。あの話もかなり面白かったな。

というわけでネタバレを避けたのでほぼ何も書けていませんが、面白い読書体験でした。確かに序盤の描写でも納得の伏線があり、巧いとしか言いようがないなと思います。人間関係をうまく描いているのも魅力で、これは自分にはないものなので勉強したいですね。やはり欲をどこに向かわせるかですよねえ。

ただひとつ、笑えて仕方ない麻雀描写があるので、あれだけはなんとかして欲しかった。いや、楽しいからいいのだけれど。

 

②スタイルズ荘の怪死事件(1920)

アガサ・クリスティの処女作。けっこう古いミステリの匂いを感じますが、自分は古いミステリを全く読まないのでこの感覚がなんなのかは分かりません。

登場人物が多く、基本的に全員が屋敷のなかでギュウギュウしているので話がややこしくなるかと思いきゃ、非常にテンポ良く物語が進むのでびっくりします。小学生上級向けに翻訳されていることもあるとは思いますが、ポアロの親しみやすさを反映させたかのような文体で好きです。

トリックとしては非常に緻密で、というよりなんか細々したものの積み重ねで、正直読んでいるこちらからすれば犯人をあてるのは不可能なんですけれど、それでも面白いのはその説明が納得できるものであり、なおかつこれまでの展開を十分に反映したものだからでしょう。犯人の意外性や、本当に犯人を追い詰めるために何をしなければならないのかが見えているポアロの慧眼に脱帽です。今回あげる3作品のなかで、話の展開としては一番好きでした。

 

ABC殺人事件(1936)

これもかなり面白い。ポアロのプロファイリングが遺憾なく発揮される作品でした(基本ポアロはそうなんですけれど)。読者とポアロが全く違う方向を見ているのが面白く(そのためのヘイスティングズ大尉です)、これはなかなか話の役割の当て方にも使えるなと思いました。犯人に意外性はあったと言え、十分に想像できる範囲ではありましたが、犯人の殺害動機やプロファイリングが面白かったので良かったです。

 

以上、アガサ・クリスティ3作品の感想でした。ポアロシリーズは読みやすくていいですね。

他にもホームズとかミス・マープルとかも全然読んでないので、そっちも読みたいです。オススメあったら教えてください。