時の流れとは早いもので、完全なる無職になって一週間が経つ*1。
退職する前にはぼんやりと「無職になると無限に時間が生まれるんだろうなあ」と思っていたがそれは明確な誤りで、たっぷり時間はあるからヨユーヨユーとベッドの上でソシャゲをしたり将棋をしているうちにあっという間に時は流れ、体感としてはむしろ会社員をやっていた時の方が時間を有意義に使えていたように思えてくる。
いやはや、無職とはなかなかに難しい職業である。
というわけで、上記の懸念を解決するため、これからはなるべく日々の活動を纏めた週報を記事として投稿する。私が三日坊主なのはご承知の通りだと思うので、この取り組みが果たしていつまで持つのかはとんと見当も付かないが、少なくとも対外的に何かしらの成果、あるいは記録を発表しなければならないという環境下に自らを置くことで、タイムマネージメント意識を強化する作戦だ。
もちろん、本週報は日記としての側面も持つ。
以下週報。
- 3/1金(「龍と苺」を180話読む)
- 3/2土(「エデン条約編」「のび子ちゃん」など)
- 3/3日(「棋王戦第3局」)
- 3/4月(「エデン条約編」、古民家ランチ)
- 3/5火(「未解決事件は終わらせないといけないから」「OROKAWA MELTDOWN」など)
- 3/6水(銀だこ390円、零合の感想、夏コミ申し込み)
- 3/7木(ハロワ失敗、図書館、シネマ203、ハムガールの冒険)
3/1金(「龍と苺」を180話読む)
・柳本光晴「龍と苺」が期間限定で全話無料公開していることを知り、180話まで一気読みをする(3/8現在、全話無料公開は終了している)。
朝の9時から読み始めて、最新話の180話まで読み終わったのが21時だった。
さっそく無職をしているな。
私は著者の前作である「響~小説家になる方法~」を未読なので知らなかったのだが、知り合いに聞いてみたところ、どうやらこの作者の世界に暴力は付きものらしい。プロ棋士、そして棋士のトップである竜王ともあろう者が、いとも容易く女子供に暴力を振るう点、そもそも将棋をたしなんでいるモブおっさんの女性蔑視が度を超えて酷い点など、将棋が好きな人間にとってはそれなりに不快な描写が続いたが、話の筋としては面白く、最後まで飽きさせずに読ませるものだった。やはり負ける人間の過去回想ほどグッとくるものは無いし、天才である主人公の藍田苺(あいだ・いちご)の快進撃は見ているだけで気持ち良い。個人的には、苺が先輩として将棋部を指導する立場になってからの物語が非常に良く、後輩との距離感を含め、将棋を通じて人格が形成されていく様は、将棋のスポーツとしての側面を表現しているようで素晴らしいと思った。
また、話にしっかりと幼なじみ百合が出てくるのも良かった。本作には、メインキャラではないものの、将棋以外の生活能力が皆無な天才女子高生棋士の鴨島凛々(かもじま・りり)と、そのお世話をしているそこそこに将棋が強い女子高生の小松すずによる百合がある。互いの才能についてアレコレして確執が生まれるとかではないのだけれど、凛々はずっとすずにお世話をしてもらえると信じている点、実際にすずも多少はそれに答えてしまう点が萌えである(最も、最終的には凛々も自立するのだが)。
と、ここまでは180話の感想であるが、上記の感想を全て爆発させる衝撃の181話がネットで公開されたばかりである。もう全話無料公開も終了したので一から追いつくのは難しいと思うが、機会があれば是非180話を堪能し、181話の衝撃に「は?」と目を丸くして欲しい。
以上、思ったよりも長くなったが「龍と苺」の感想終わり。
この日は「龍と苺」だけで全てが終わっている。
3/2土(「エデン条約編」「のび子ちゃん」など)
・ブルーアーカイブのエデン条約編を読み進める。
補習授業部の馬鹿馬鹿しい日常からシリアスな展開に持っていく手腕は流石の一言。往年のエロゲー感がある。あんまエロゲーやったことないけど。
・ヒフアズにハマる。(ヒフミ×アズサのカップリング)
・シナリオの途中で自分で育成したキャラを使用する場面があり、そこで詰む。ストーリーが第3章のラスト直前でお預けになり、涙。
・作曲を少しだけやる。メロディーは思いついたが、もう少し検討。
・零合02を読み進める。
・「のび子ちゃん」という二次創作を読む。のび太が実は女性であることを隠していたら……という世界線をもとに、出来杉からのび太に向けられた、劣等感と性欲の入り交じった感情を描くすごい作品だった。絵柄をしっかり寄せているのがすごいし、カメラワークとかもめちゃくちゃ気持ちよくて良かった。投稿されたのが10年前ということでビックリ。すごい人もいるもんですね。
・Abemaにて「ABEMA地域対抗戦 予選Aリーグ 1位決定戦 <関東A VS 中国・四国>」を視聴。
メンツ的に関東Aの勝利はほぼ確みたいなものだったが、混戦の果てに菅井八段が羽生九段に勝利し、チームを勝利に導いていてすごかった。これで糸谷八段を温存しているんだからすごいですよね。次戦が楽しみ。
3/3日(「棋王戦第3局」)
・【第49期棋王戦第3局】藤井聡太竜棋王 対 伊藤匠七段を視聴
大注目の一戦。個人的に藤井聡太棋王への勝利に最も近い存在が永瀬九段と伊藤匠七段だと思っているので、本戦も楽しみにしていたのだが、結局は第一局の持将棋定石を警戒した藤井棋王に序盤から▲4五桂と研究を外されてしまい、長考に沈んでかなりの時間差が生まれることに。その後、伊藤匠七段もなんとか良い手を指し続け、△3四馬となったあたりでは戦況もまずまずだったのだが、その後難しい手順があったのか、藤井棋王への迫り方を誤り、どんどん悪くして負けてしまった。悲しい。次回は伊藤匠七段の先手番なので、ここでなんとか1勝をとってほしいところではある(伊藤匠七段は今のところ、公式戦で藤井棋王に対して0勝なので、かなり相性が悪いのかもしれない……いや、純粋に藤井棋王が強すぎるというのもあるが)。
・零合02を読了。感想などは後日(下記)掲載。
3/4月(「エデン条約編」、古民家ランチ)
・役所に無職ですと言いに行こうと思ったが、雨なので断念。
無職になってからは、カメハメハ大王ではないが、雨が降っていたり風が強く吹いている時は「用事は明日でいいや、今日は家で大人しくしておくか……」という選択ができるのですごい。
・百合エントリを発見
見下していた女が成り上がってモヤモヤするのは百合です。本作では見極めが難しいが、独占欲があるとなお良い。
・親に連行され、和歌山県の紀美野町の古民家系食堂へランチに行く
地元産の植物しか使わないと謳う精神は良い。が、ワンプレートランチ(デザート付き)で2200円という価格におったまげた。美味しかったですけどね。
mgmg pic.twitter.com/sj3YQpKyYr
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月4日
・親に連行され、近くのカフェでティーパーティーをする。
ピカデリーという茶があり、「新宿ピカデリーやんけ」と思って注文。全然新宿ピカデリー要素はなかったが、香りも味もフルーティーで美味しかったです。
ティーパーティーのナギサになってる pic.twitter.com/cIhJdgwWx4
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月4日
・エデン条約編、自キャラ育成の末、なんとかヒエロニムスを倒して読了。
めちゃくちゃ良かった。シナリオがいいしキャラも可愛いし、百合もすごいし、ブルアカってもしかしてすごいコンテンツなのでは? モリモリ二次創作意欲が湧いてくる。
・モリモリ二次創作意欲が湧いていたので、ハナコハの落書きをする。
ハナコハ pic.twitter.com/RNBzRJcQlq
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月4日
こうして見るとやっぱり私の絵、というか落書きはインターネットでよく拡散されているかわいいイラストに対して、視認性と可愛さ、キャッチーさが欠如しているように感じる。だからと言ってどのように描けばいいのかは分からないが、伸びないイラストよりかは伸びるイラストの方がいいに決まっているし(一般的に伸びる萌えイラストは多くの人にとっての「かわいい」や「好き」という感情を呼び起こした事実を示しているため)、自分としても二次元美少女のかわいさの再現性を高めていきたいので今後も精進したいところ。折角の無職期間なので、萌えイラストの技術も高めていきたい。
3/5火(「未解決事件は終わらせないといけないから」「OROKAWA MELTDOWN」など)
・役所に無職ですと言いに行こうと思ったが、雨なので断念。
やむなし。
・「未解決事件は終わらせないといけないから」をクリア
前々から知り合い各位に勧められていたのを思い出しプレイ。2~3時間でクリアできる短さながら、ハッシュタグのワードを通じて関係者の証言を思い出し、その発言内容と時系列をそれぞれに当てはめていく、という新しいプレイ体験、そして二転三転するシナリオに大満足。ネタバレを避けるため多くは言及しませんが、800円で出来る体験のなかではかなり上位に来ると思うのでオススメです。
・ケムールにて「OROKAWA MELTDOWN」を寄稿
小野繙名義で「OROKAWA MELTDOWN」という短編小説を寄稿しました。あらすじはこんな感じです。
泥酔を日課とする未名子はある夜、Xで泥酔してくたばる女の写真を投稿するアカウント「OROKAWA MELTDOWN」を見つける。見苦しいけどバズっているその写真の女は、よく見るとまさかの自分で……。
私が書いたわけではないので手放しに褒めるのですが、本当に出来の良いあらすじだと思います。
本当はもうちょっと序盤の導入を長めにして、終わり方もより読後感の良い感じにしたかったのですが、6000字という字数制限と今の私の技術力ではこれが限界でした。投稿前日まで推敲を重ねてしまい、編集者の方には大変ご迷惑を掛けましたが、読んだ方から面白かったという声をいただけてホッとしています。正直もう自分ではよく分からなくなっていたので……。
フォロワーの方から質問があったのでほんの少しだけ裏話を書くと、本作の導入部分の「ある日、泥酔して見知らぬオッサンにダル絡みをして、オッサンも訳が分からずブチ切れていたのだけれど、急に私が正気に戻って『あなた誰ですか』という問いかけをしたものだから、双方ビックリして気まずくなって別れた」というエピソードは私の実体験であり、先日、この話をフォロワーと呑んでいるときに披露したところ、めちゃくちゃウケて「それ絶対に作品にした方がいいですよ」と言われたので、その言葉を真に受けて採用してみました。その後の展開はなるように任せましたが、狂人vs狂人の構図を描きたかったので、そのように出来て良かったです。個人的には結構な百合エンドだと思っていたのですが、読んでくださった方はみんな「今回は百合要素弱いっすね」みたいなことを仰るので、マジで?となっています。私からしたらストーカー女が女を追いかけ回しているだけで百合だし、追いかけ回される方が嫌がりながらも若干の名残惜しさを感じるというところが最高に萌えなのですが、私の当たり判定が広いだけかもしれません。気になる方はぜひ読んでみてください!
3/6水(銀だこ390円、零合の感想、夏コミ申し込み)
・「龍と苺」181話更新
伝説の回。詳細は既に述べている通りだが、180話すべて読んで、ぜひこの1話の衝撃を味わって欲しい。
・銀だこ390円セール
Xにも投稿したのだが、私はこの世の食べ物のなかで銀だこのたこ焼きがTOP10に入るくらいに好きなのだが、8個入580円という価格設定にキレ散らかしているため、全然買わずに1年近く口にしていない。
mgmg pic.twitter.com/y5JgbZfNE4
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月6日
3月5日から7日にかけて、銀だこが1舟390円のセールを行っていたので無職のアドバンテージを活かして買ってみた。思ったよりも美味しくなくて悲しくなった。家族も食べるかなと思ってもう1舟買ったのだが、冷えた銀だこは外側のカリカリ感がなく、マジで美味しくなかった。最悪である。銀だこを、呪う。
・零合 百合総合文芸誌 第2号の感想記事を投稿
感想を書くために何度も読み直してめちゃくちゃ時間を掛けました。「無職になったからにはこういう知っている人の関わっている作品には積極的に感想を言っていかなければ……」という謎の使命感で書いたのですが、めちゃくちゃ疲れたのでやっぱりこういう感想を日常的に書いている人はすごいと思います。
・夏コミに向けて、ブルアカでサークル申し込みを行う。
コハルちゃんがかなり可愛く描けたように思う。個人的には、二次元美少女の肌に「限りなく白に近い色」以外のものを選択できたのがめちゃくちゃ嬉しい……。ただ直前までコハルちゃんのヘイローを描き忘れていたのと、いま見返すとコハルちゃんの首から全身を中心で二分している謎の線を描き忘れているので、結構後悔している。果たして自分にちゃんとした漫画が描けるのかは分からないが、最終的にはエロ漫画も描いてみたいので、その練習も踏まえ、出来るところまでやってみようと思う。目指すのは映画のようなカットで構成された漫画なのだけれど、初心者がやるには難しすぎるかもしれん……。
夏コミ、ブルアカで申し込みました!
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月6日
コハルちゃんとかが出てくるエモい百合漫画を描く予定です。よろしくお願いします! pic.twitter.com/wViBjfirab
3/7木(ハロワ失敗、図書館、シネマ203、ハムガールの冒険)
・自転車屋のアサヒでチャリの空気を入れようとしたら、わざわざ店員が出てきて入れてくれた。サービス精神旺盛過ぎる。
・離職票を紛失したと思い込んでハロワの窓口に行ったら「まだ貴方に離職票は届いていないので届いてから来て下さい」と言われ、追い返される(家に帰ると離職票が届いていた)。
・図書館で書籍を借りる。
「るるぶ九州」
「るるぶ箱根」
石川宗生「ホテルアルカディア」
大前粟生「チワワ・シンドローム」
今村昌弘「屍人荘の殺人」
岐部 雅之(編訳)「ブラジル文学傑作短編集」
読む気満々で借りているものの、書かなければいけない原稿が数多くあるので果たして何冊読めるのか不明。
・和歌山のぶらくり丁にある「シネマ203」を訪問
和歌山のぶらくり丁という商店街をぶらぶらしていたら、アパートの一室で映画館をしているシネマ203に遭遇。(203号室を改装したのでこの名前なのだとか)ビクトルエリセの特集上映をしていて、思わず引き込まれて「ミツバチのささやき」を鑑賞。客席15の日本一小さな映画館なのだというが、雰囲気は pic.twitter.com/iEHj6yq91N
— 村上浩康 (@murakamihiroyas) 2024年3月6日
5日、この方の投稿で地元にミニシアターが出来ていることを知る。「映画が好きです!」とデカい声を出している割にこんなことも知らなかったの、恥ずかしいな……と思い訪問。現地に着いて思ったけど、やっぱこれ映画館があるって察するの無理ですよ。
いや草
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月7日
ここに映画館があるって分かるやつ誰もおらんやろ pic.twitter.com/XIBQVSnXmt
映画のポスターが一枚貼られているところの横にある路地を進むと階段があり、そのアパートの一室(203号室)がミニシアターとなっていた。すごい所だった。
折角なので、カール・テオドア・ドライヤー「ミカエル」とビクトル・エリセ「ミツバチのささやき」を視聴。「ミカエル」はまさかの台詞の音声が入って居らず(BGMはある)、登場人物の台詞が文字として挿入される。なんかごちゃごちゃやっていたがあまりの眠気に負けてしまい、まともにあらすじを追えなかった。俺は何をしに来ているのか。1700円は地元のミニシアターへの寄付ということで自分を納得させる。
次の「ミツバチのささやき」は、子供の死への興味を描いた作品だと思うのだけれど、どう評価すればいいのかは分からない。面白くない訳ではないが、ストーリーがかなりゆったりと進むのと、死を匂わせる「線路」「毒キノコ」「イサベルの死んだふり」「焚き火飛び?」などのストーリーが断片的に挿入されているようで、そこまで美しくないように感じた。まあでもアナがめちゃ可愛いのと、イサベルのアナに対する優位な立場が徐々に覆っていく様は良かったです。ミツバチのモチーフについてもうちょっと考えることが出来ると、評価も変わるかもしれない。
・ブルアカのコハルちゃんを描くなどする。
夏コミに向けて、コハルちゃんを中心とした漫画を描こうと思っているのだけれど、こうやってちゃんとした作画をしようと思うとかなりの時間が掛かるため、キャラの線を省略したりして簡単に可愛く描けなければならない……ということで練習をしている。個人的にはかわいいと思うが、インターネットにはもっと線が少なく、可愛いコハルちゃんに溢れている。イラスト、漫画の世界はマジで難しい……。
コハルちゃんrkgk pic.twitter.com/wo4vYomqK7
— ねぎしそ (@negishiso) 2024年3月7日
・フィビ鳥「ハムガールの冒険」
素晴らしい漫画だった。やはり作品におけるテンポ、スピード感は現代の創作においてメチャクチャ重要であるように感じる。深く作品の世界を表現しなくとも、そこに生きているキャラを魅力的に描けば、自然と読者はキャラを通じて作品世界や物語のテーマを読み取るし、読み取らなくても最後、ハムガールがこれまでお世話になった人たちから何かを受け取ったっぽい描写を入れることで、大団円というか、いいものを読んだ感が出る。こういう手法を参考にして小説に持ち込むのが重要だと思う(雑すぎるか?)。
週報終わり。
この一週間、マジで何もしてね~と思ったが、列挙すると想像以上に書くことがあってビックリした。ここまで詳細に書かなくても良い気もするし(7500字もある!)、この週報だけで3時間くらい掛かっているので、今後の書き方については要検討ですね。
*1:大抵の会社員は退職前にまとまった有給休暇を消費することで「偽の無職期間」が発生するため、その状態と区別して「完全なる無職」と呼称している