新薬史観

地雷カプお断り

【自選】自分が書いたお気に入り文章ランキングTOP10

特に他意はないのですが、ここ数年で話題にしてもらえたり、自分でも気に入っている文章や記事をランキング形式で10位まで纏めてみようと思います。一応二次創作も含みますので、気になる方はご注意ください。

なぜこんなことをするのか?

理由は察してください。

 

10位『高級パスタ店に異常独身男性が突撃したらガチでやばいことになるという話』(ブログ:日記)

negishiso.hatenablog.com

ねぎしそをよく知る人なら「え、これが10位なの?」とびっくりするのではないでしょうか? 確かに、この記事は未だに『新薬史観』のなかでもトップレベルのアクセス数を誇っているはずですし*1、自分の存在を(良くも悪くも)多くの人に認知してもらうきっかけになった、それなりに大切な記事です。今の人間関係にもけっこう影響がありましたし。

じゃあなんでこの文章のランキングが10位なのかと言うと、この文章が強いエピソードをそのままブログに落とし込んだ「ほぼ日記」だからです。確かに、色々文章として優れたものにするために技巧的に拘った部分はあります。スマイルクーポンと全然スマイルじゃない結末を対比させたり、オタクが喜びそうな言語をわざと選んだり*2、臨場感のある場面描写を心がけたり……。

ただ、自分が一番拘り抜いた、

キモさの一番搾り。それが自分だった。

要するに、その日の自分は声優ライブのTシャツを着ていた。

この「要するに」の物語圧縮効果について感動してくれる人がそこまで居なくて*3、かなり凹みました。みんな歌う店主のエピソードの強さばかりを取り上げて、「文才がある」だとか「文豪」だとか持ち上げてくるのですが、最近のネットの傾向として、ただ自分に免疫がない(あるいは強烈な)エピソードに触れるだけで、執筆者に「文才」が備わっていると表現する人間が多い気がするので、今回もそれなんだろうなと思った次第です。

というわけで、自分の文章力が実際のエピソードに力負けした悲しみの記念碑として、自分のなかでは上位に押し上げることができない作品になっています。

一方で、MOTHERシリーズで著名な糸井重里さんから文章のセンスを褒めてもらえたことはそれなりに自分の励みになっていて(エピソードではなく「センス」なのが嬉しいポイント)、これを機に「人生の指針として、脚本家を目指すのもアリかもしれないな……」と考え始めたところはあります。

 

9位『みなさま、これまでありがとうございましたm(_ _)m』(小説:一次創作)

negishiso.hatenablog.com

キャラクターとして消費されがちなおじさん構文の主体である「おじさん」に、なんとか生命の息吹を吹き込めないか?と考えて書いた小説です。同時に、ブログという形式でしか表現できない作品にしようと考えていたので、日記という体裁にしてみました。ただ、内容が内容なだけにガチ通報されると困るので、おじさんにカポーティを読ませたり、終盤手前で敢えて文体を崩して読者の意識の覚醒を狙い、ほんのりフィクションであると気付いてもらえたらと考えていたのですが、ブックマークのコメントを見ると「その試みは失敗してますよ」「下手くそ」みたいな感じで叩かれていて凹みました。でも個人的には気に入っている作品です。

 

8位『二枚羽の天使になれたら』(小説:二次創作, 私に天使が舞い降りた!, ひなみや)

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一時期、SFにかなりハマっていた時期があって*4、その影響で自分の書く二次創作の文体がガチガチに固くなっていたことがあります。一方で、元来自分は関係性のエモを追求したり、メタファるのが好きなことに加え、できるだけ原作の設定を破壊してはならないというキツめの縛りを設けている(つもりな)ので、結果として出力されるのがなんだかよく分からない文体になってしまいました。読んでくれた知人からも、「お前の作品は何が面白いのかわからない」「読む気を無くす」と言われることが多かった覚えがあります。

そのなかでも、この作品は個人的にはなかなかそこら辺のバランスがうまく調節できた作品として自分の心のなかに残っています。読み返していないので、もしかしたら思い出補正されているかもしれません。

 

7位『本日6年間通い詰めたラーメン二郎を退店しました』(ブログ:日記) 

negishiso.hatenablog.com

これは普通にお気に入りの日記です。ラーメン二郎と自分との間には、村上春樹でも比喩できないような不思議な結びつきがあって、それは時々、自分をひどく混乱させます。そうして、混乱しながら出力した文章がこれってワケです。当惑がところどころから滲み出ていて、読み返すだけでも気恥ずかしいですね。誰かのラブレターを盗み読んでいる気分になってきます。

 

6位『気持ちを言葉にしようという話』(ブログ:日記)

negishiso.hatenablog.com

ねぎしそ聖人説をフォローする記事です。嘘です。それはともかく、百合漫画の最高峰と名高い『徒然日和』の作者である土室圭先生に向けて書いたファンレターの話は、何度読み返しても気が狂っていて、そのときの感情をしっかり文章に残してくれた自分に感謝しています。ちなみに、このブログを第1作として、『徒然日和とぼく』シリーズは続編2作がありますので、興味があればブログ内検索で探してみてください。

 

5位『黒い虹』(小説:二次創作, 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会, ゆうぽむ)

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知り合いの勧めで「劇団ままごと」をはじめとする舞台を観ていた時期があったのですが、そこで感じた「語り」の強さをうまく文章に落とし込めないかなと考えながら書いた作品です。個人的には、上原歩夢と高咲侑のキャラの要素を踏まえた上で、うまく纏まっている良い感じの二次創作だと考えています。知らんけど。

 

4位『【ネタバレ注意】劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト 考察 』(ブログ:感想系)

negishiso.hatenablog.com

こういう考察合戦は速さが命なので*5、2回視聴してすぐに投稿してみたのですが、思いの外読まれて高評価をいただき、自己肯定感を満たせてよかったです。ちなみにこの文章の新規性は「かれひかが大切にしてきた交換は奪い合いの隠蔽でしかない」くらいのものなので、そこまで優れたものではないと思っています。でも色んな人から褒められたので、この順位にしました。褒められるのだいすき!

 

3位『地雷カプと和解せよ。』(ブログ:日記?)

negishiso.hatenablog.com

実はこの記事、地雷カプへの憎悪を思う存分に込めて筆が乗るままに書き散らかしたのですが、投稿時は全然反応がありませんでした。ところが、ランキング10位に挙げた高級パスタの記事がバズったことにより、過去に投稿していたこの記事もバズに巻き込まれるかたちで読んでもらえたという経緯があります。

奇しくも、一方的に認知していてSFの読み手として尊敬している、いとう階さんに言及してもらったことで、拡散に火がついた覚えがあります。ありがとうございました(勝手に引用してすみません)。ハヤカワSFの溝口さんからも「令和のチャック・パラニューク」だと言及されていた記憶があるのですが、ツイートが見当たらないので幻覚だったのかもしれません。

やや長文になったのが唯一の心残りですね。内容的にも、もっと圧縮できると思います。

negishiso.hatenablog.com

ちなみに、内容の関連性から選外にしましたが、続編として上記の記事があります。こちらは『地雷カプと和解せよ。』を読んで下さった(自分にとっての)地雷カプを推している人と通話をさせてもらい、「地雷カプの人間と共存することは可能である(!)」と理解できた貴重な体験を元にした文章です。一個人のマシュマロへの回答という形にはなっていますが、地雷カプに悩む人間へのひとつの解決策として、ある程度の射程を持った考え方だと思うので、参考にしていただければと思います。

 

2位『シャボン玉とメイク』(小説:二次創作, トロピカル~ジュ!プリキュア, まなロラ)

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新C99の冬コミで電子媒体として無料頒布したものの、1回もDLしてもらえなかった作品です*6。流石に悲しかった。でも、撤収間際にフォロワーからTwitterで頒布していた電子版を製本してもらって(!?)、手渡された時に、「そっか、人生ってこんなに自由でいいんだ」と思いました。その自由さへの憧れはその先の創作にも活かされ、一次創作での破茶滅茶な設定に繋がっていきます。多分。

個人的には、トロピカル〜ジュ!プリキュアの持つテーマ性や、まなつとローラとの関係性、また秘密めいた「愚者の棺」というアイテムの活用法など、思いつく限りのアイデアをしっかり落とし込めた点で満足はしているのですが、ラストの物語の組み立て方にやや難ありかなと自覚しています。スピード感だけで説得力がないというか。原作では完全なギャグで片づけられた本作ですが、しっかりと人間と人魚の恋に向き合った作品があってもいいのではないかと考える自分にとって、拙作はそれなりに力を持っているものだと信じたいです。

 

1位『あの日、私たちはバスに乗った』(小説:一次創作)

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第4回百合文芸小説コンテストで河出書房新社賞を受賞した作品です。今までありとあらゆる人生のイベントから逃げてきた自分にとって、残されたものは百合と文章だけでした。百合文芸というドンピシャのコンテストを目の前にして、「これからも逃れていいのか?」と自問自答して、締め切り二日前に思い立ち、死に物狂いで書き上げた作品です。直前に読んでいたアレッサンドロ・バリッコ『シティ』からそれなりの影響を受けていて、架空のキャラを取り扱うこと/その存在を信じることの意義や、かねてから考えていた「百合」という空虚かつ密度の高い関係性、同性愛に対する不理解、かつての社会システム(それは今も続いています)からの避難場所として機能していたエス文化、また虚構を真実だと「無理やり捉えさせられる」物語の力についていろいろ考えて、文章に落とし込んでみた作品です。一方で、この作品のテーマ的に短編でないと勝負ができないと考えたり、他の作品と差別化するために文章力で常にジャブをかまし、最後に強烈なストレートをかますことを意識して作品を構築していきました。うまくいくかどうかドキドキでしたが、結果的に(運良く)拾ってもらえて、本当に嬉しかったです。自分の拘りが初めて認められたように感じました。

結果論にはなりますが、あの時「ここで自分は応募しなければならない」と直感的に感じることができて、本当に良かったと思います。いくら優れた技量を有していても、応募しなければ受賞することは絶対にあり得ないので。自分の周りには文章の上手い人が沢山いて、結構劣等感を感じていたのですが、これを機に少しは自分を認めてあげることができそうです。

問題点はただひとつ、これを超える作品を今後も書き続けることができるのか?ということです。こればっかりはわからない。割とこの作品、バグによって生まれたところもあるので……。

 

以上、ねぎしそが選ぶ自選お気に入り文章ランキングTOP10でした。

これからも引き続き、文章を書いていきたいと思います。評価されようがされまいが、自分にはそれしか残されていないので……。

(自分全然小説界隈のしきたりが分からないのですが、こういう賞を受賞したらなんかアンソロとか呼んで貰えるものなんですかね?自分は基本的に暇なので、もし自分に興味を持ってくださった方がいたら是非なんか、こう、欲しいです)

連絡先はTwitter(@negishiso)のDMとか、メール(negishiso893⭐︎gmail.com)に頂ければと思います。まぁ来ないと思いますけれど、念のため。宣伝せずに後悔するなら、宣伝して後悔した方がいいですからね。

よろしくお願いします!

*1:記事ごとのアクセス数が分からないので断定はできませんが、おそらくそう

*2:「異常独身男性」や「キモさの一番搾り」等

*3:多少はいました。

https://twitter.com/NORIAKIISGOOD/status/1302663088353632256?s=20&t=jtYJpULKqo2KNAmwcBdQXA

https://twitter.com/su_san178210/status/1302578748865142784?s=20&t=jtYJpULKqo2KNAmwcBdQXA

*4:今も「どちらかと言えばそう」です

*5:情報を出すのが遅いと大抵n番煎じになり、自分の考察力(笑)をアピールできなくなる

*6:Twitterでもコミケ開場時間に電子版を無料公開していて、そちらは何回かDLしてもらえました