新薬史観

地雷カプお断り

そういえばコミケに出ますよ~~~~~ん

www3.nhk.or.jp

開催されるかな~これ。

 

それはともかくコミケに出ます。新C99。

1日目(12/30)の東O42aのサークル「薬味生活」(新薬史観ではない)で、ジャンル「プリキュア」にて『トロピカル~ジュ!プリキュア』のまなつとローラのまなロラというカプの小説本を出そうと思っています。

でもサクカは「笹アン」です。しかも強欲なことに「ほのうみ」も出そうとしている。間に合わんて。

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本当にこれです。

 

でも頑張って本文を書いています。本当に頑張っているんです。なのにトロプリが分かる人で原稿見て感想をくれる人がマジでいないので、心が折れそうです!助けて!!!!!!!

 

ということで、今回は出す予定のまなロラ小説の本文を少し(3000字くらい)記載します。本当はpixivに投稿すべきなんですけれど、あそこにあげると本として出すことが(空気的に)確定してしまう。でもそこまで自分の筆の速さに自信はないので、無責任にここに載せて良い感じに承認欲求を満たそうと思います。

そもそもまなロラとかトロピカル~ジュ!プリキュアがわからんって人は公式サイトで人物紹介でも読んどいてください。

https://2021.precure-movie.com/character.html

あ、ちなみにまなロラは公式で同棲していて、まなつは人間でローラは人魚で(基本的に魔法で人間の脚が生えている)、最近放送された第37話では、ローラがプリキュアとして過ごした記憶はそのうち完全に消されてしまうことと、実はまなつとローラは幼少期に出会っていたという幼なじみ設定も追加されました!!!!!!!!!!

マジでハマるなら今のうちです。興味が湧いた方はなんらかの手段で頑張ってトロプリを観てください。

よろしくお願いします。

 

(ここら辺で「オタクの女児アニメの二次創作とかキモッ!」って人はブラウザバックしてもろて……)

 

タイトル未定

【以下本文】

 

 まなつの鼻先をシャボン玉が掠めた。透明な球体はレンズのようにまなつとローラの顔を映し、背後にある椰子の木の色を持ち去りながら静かに弾ける。シャボン玉は意地悪なのだとどちらかが言った。表面で流れている虹色の油膜は人の目を奪う癖に、瞬く間に消えてしまうから。
 ローラはストローの先端を容器の中のシャボン液につけ、頬を膨らませて息を吹き込んだ。
 ふう~っ。
 シャボン玉は一度に数個、多いときで十数個生み出される。シャボン玉の一生は、まなつがまばたきする時間間隔とよく似ていた。まなつが目を開けている間だけ、シャボン玉はくりくりしたかたちを保っていられる。ローラは自分のまばたきが気になった。意識的に目を開こうと思えばいつまでも開いていられるが、意識すれば途端に目を閉じるのが怖くなる。一度閉じれば二度と開かない、死ぬ直前ってこんな気持ちかしらと思い始めたあたりで馬鹿馬鹿しくなって考えることを辞めた。乾燥した目は瞬いた。閉じた目は開けられる。ローラは死んでいない。当たり前をわざわざ確認する自分が可笑しくて、上がった口角を隠すためにストローの先端をシャボン液につける。
 ふぅ~っ。
「なに笑ってるの?」
 まなつがローラの頬を突く。まなつはとにかく察しが良かった。ローラが隠す大抵のことを探し当てる嗅覚と、それを見抜く観察眼を持っている。
 別に、と流しても流れないのがまなつだったから、ローラは仕方なくまばたきの話をすることになる。黙って聞くのかと思えば、ローラが「まばたき」という単語を発した瞬間に大声を出す。「そういえば!」
「人魚ってまぶたがあるんだね! すごいよ、トロピカってる!」
 まなつにもあるじゃないと素気なく返しても、まなつは首を横に振る。           
「魚にはまぶたがないんだよ」
 言われてみればその通りで、ローラは知らずに自分の目元を触っていた。まなつと同じように、ローラのまぶたは柔らかに湿った眼球を覆っている。
「お母さんがね、人間のまぶたは目が乾燥しないためにあるんだって。魚にまぶたがないのは、海にいて目が乾燥しないからだって言ってたよ」
「じゃあなんで海に住む人魚にまぶたがあるのよ」
「さあ、なんで?」
 もちろん回答権はローラにあるから、回答不能のローラにはシャボン玉を吹く権利があった。
 ふぅ~っ。
  まなつの鼻先をシャボン玉が掠めた。まなつはシャボン玉の一生をじっと見つめている。まなつが目を開けている間にシャボン玉は決して割れないし、まなつが目を閉じた瞬間にシャボン玉は割れる。そういうことになっている。
 ローラはまなつの隣で宙に浮く球体を眺めている。あの球体が弾けたとき、きっとまなつは目を閉じる。

   ○

 誰もいない台所を通り過ぎ、二人は夜の街に駆け出した。まなつとローラはお揃いのサンダルで湿った地面を踏みしめ、潮の香りが乗った夜風を楽しむ。深夜三時のことだった。
「静かね」
「うん」まなつは微笑む。「なんだかイケないことしているみたい」
 ローラはその語の意味を正確に理解できなかったが、「イケない」と口にするまなつの唇が艶めいて見えたので視線を外した。水気のある地面を踏む二人の足音が暗闇に響く。瑞々しいと思う。その音の湿り方は、「イケない」という言葉から連想されるイメージとよく似ている。
 夜に出歩くのは危険だとまなつは言った。否定したのもまなつだ。夜中に起き出し、わざわざローラの布団に入り込んで耳元で囁いた。
「ローラ、起きてる?」
「……奇遇ね、いま起こされたところ」
「やった。じゃあさ、コンビニ行こうよ」
 はあ?と首を傾げるローラに、まなつは白い歯を見せた。
「昔から夢だったんだ、深夜に肉まん食べるの」

 夜の街はいつもの風景が闇に溶けて見知らぬかたちになる。道筋に沿って均等に割り振られたはずの街灯は遠近感のせいで間隔が狂っていて、昼に聞かないキイキイした虫の鳴き声が一層街を異世界染みたものにする。コンビニまでの道中は、ふたりの他に誰もいなかった。まなつは気にしていないようだが、ローラは不安に思う。昼はあれほど賑わうあおぞら市が、夜を迎えただけでこれほど静かになるだろうか。はやくコンビニに着けばいいのに、そう思うローラに答えるかのように、道の向こうでは月明かりのように光るコンビニがふたりを待っている。
「コンビニだ!」
 まなつはローラの手を引く。ふたりのサンダルは少し濡れている。自動ドアが開き、来店者を告げるメロディが鳴った。乾いた床にサンダルの跡が残されていく。
「にっくまん、にっくまん、にっくまんま~ん」
 店内にはまなつの鼻歌だけが響いていた。店員の挨拶はなく、ふたりの他に誰かが動いている気配もない。ローラはご機嫌なまなつの手を離し、店内を見て回ることにした。セラミックタイルの床とサンダルが擦れる。嫌な音とともに綺麗な床を泥水で汚していく罪悪感だけが静かにローラを焦らせる。店内は静かだ。誰も見当たらない。
「すみませえん」ローラはバックヤードに向かって声を上げた。「誰かいませんかあ」
「寝てるんじゃない?」
 ローラはぎょっとして横を向く。いつのまにか隣にまなつがいて、肉まんを口いっぱいに頬張っている。
「えっ、ちょ、なに食べてるのよ!」
「なにって肉まんだよ。ローラも食べる?」
 はい、と差し出された手には半分に分けられた肉まんがあり、肉汁の溢れる餡からは白い湯気が立っている。
「そうじゃなくて」ローラはまなつの手から肉まんを奪い取って齧り付く。「ほはへはははっはほ」
「なんて?」
 ローラは返事より先に目の前の肉まんを選んだ。肉まんは冷めないうちに食べなくてはならない。あっという間に平らげてから、ローラは脂で汚れた指をまなつの服で拭いた。
「お金は払ったの?」
「食べてからそれ聞く?」
 まなつはゲラゲラ笑い、レジの前に置いた小銭を指さした。「大丈夫、ちゃんと払ってるから」 
「ならいいけど」
 本当は良くなかった。ローラの関心事は別のところにある。この街に訪れた静寂に、まなつは気がついていないと思っていた。けれどもまなつは店員のいないコンビニに慣れ親しんでいて、当たり前かのように肉まんを手にしている。
 何かが変だと思う。まなつも夜の街も。
 けれども美味しい美味しいと言いながら肉まんを食べるまなつの表情はいつもと全く変わらなくて、その横顔は思わず手を握りたくなるような親しみを持っていたから、ローラは何も言えず、ただまなつを信じることしか出来なかった。肉まんを食べ切ったまなつは口まわりを手首で拭い、汚れた手を自分の服で丁寧に拭いてから、その手をローラに差し出した。
「帰ろっか」

 コンビニを出て夏海家に戻る道のりのなかで、まなつはシャボン玉セットをポケットから取り出した。まなつが吹くのかと思えば、ローラに押しつける。
「なにこれ」
「吹いてよ」
「なんでよ」
「なんでも」
 夜の街にシャボン玉が浮き上がる。断る理由はなくて、ローラはシャボン玉を作ることが大好きで、そのことをまなつはよく知っていた。まなつはローラが頬を膨らませるのが好きだった。眺めていて飽きないと聞かされ、ローラは何と返せばよいのか分からなくて、照れ隠しにシャボン玉をたくさん作った。
 歩きながら作るシャボン玉は、ブロック塀に当たったり、電柱にぶつかったり、庭の木に衝突してすぐに破裂する。なかには衝突と街灯の光からうまく逃れたシャボン玉も生まれて、彼らは闇夜にすっかり消えてしまうから、その後の消息が掴めなくなる。
「思うんだけれど」まなつは目を細め、ストローを咥えて膨れたローラの頬を突いた。「きっとあのうちの何個かは、割れずに何処までも行くと思うんだ」
 ローラはシャボン玉を作り、「そんなのあり得ないと思うけど」と呟いた。ストローをシャボン液に浸す。
「分かってる。分かってるけど、もし割れないシャボン玉があるんだとしたら」
 まなつは指をくるくるさせて、にこやかに微笑んだ。
「それってすっごく、トロピカってるって思わない?」

 

【ここまで本文】

 

はい。

大体これで1/10から1/5くらいになるはずなのですが、時間もそんなにないしマジでめんどくせ~~~~~。誰か『屍者の帝国』における円城塔のような仕事をしてくれる人はいませんか?居たからといって絶対に書かせないとは思いますが……(そんな能力をもった人がいるなら自作を書いてもらった方が良いので)。

完成すればまた何かしら記事を書くかもしれません。それでは。

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