三木孝浩『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)
ぼくは明日、昨日のきみとデートする : 作品情報 - 映画.com
【総合評価】6点(総合12点:全体10点+百合2点)
【作品の立ち位置】
ガチで大事にしたい作品(9<x)
積極的推し作品(8<x≦9)
オススメの手札に入る作品(7<x≦8)
まずまずな作品(6<x≦7)
自分からは話をしない作品(x≦6)
【世界構築】1.5点 (2点)
ネタバレになるが、双方向からの時間軸の人間を遭遇させるとどうなるかという試みは面白い。自分という存在と逆行する人間の在り方を描いている作品には『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』がある*1が、世界線ごと逆行させていて、未来予知も絡んでくるという点では『TENET』とかのほうが近いかも。ガッツリとした恋愛基軸でこれをやるのは面白いなあと思うものの、たったひとりだけがこのような状態になることに納得がいかないことや、どちらが先に助けたのか全然わからず、設定そのものに矛盾があるように感じるのでこの点数です。俺が説明を聞き漏らしている説はあるし、そう深くは考えなくてもいい作品なのかも。
【可読性】1点 (1点)
特に飽きることはなかった。
【構成】1.5点 (2点)
しっかりとラブロマンスを前半でやりながら、実はそれが前置きでしたという流れはテンプレだが悪くもない。最後の視点の変化のごちゃごちゃ感が気に食わないので(どちらか一方に絞って、片方の幼少期に遡って終えるべき)、この点数。
【台詞】1点 (2点)
特別良いと思う台詞はなかった。
【主題】0.5点 (2点)
すれ違いの恋愛はよく聞くが、実際の時間軸ですれ違う恋愛という切り口は面白かった。とはいえ、あまり恋愛に興味のない自分がこの主題に対して何かそれらしいことを言うのは難しい。
【キャラ】0.5点 (1点)
悪くはないのだが、最初から最後までキチンとかわいい愛美にとっては、イケメンの高寿がどんどんダサくなる(メガネとボサボサの髪はダサいオタクの象徴だとするうんちみたいな設定はともかく)のはマジで可哀想でしかたなく、やめてあげてよという気持ちが強かった。それでもひたすらに尽くす愛美に、男から見た願望、および性的役割を感じなくもないが、なんとも言えない。
加点要素
【百合】0点 (2点)
該当描写無し。
【総括】
恋愛カテゴリということで、斜に構えて作品を視聴した事実は否めず、やや点数を低く見積もっているかもしれない。普通に面白くはあったし、可哀想だなこの人らとも思ったのだが……特別感情が揺さぶられた訳ではないので、どうしても微妙な受け止め方になってしまう。自分から言えることは、「まぁ、いいんじゃないでしょうか」というひと言だけだ。
*1:まだ最後まで観ていない