新薬史観

地雷カプお断り

青田めい「うにうにうにうに」「ゴスロリJK無人島漂流記」感想

 

最近の時間の使いかたとして、7月頃のセールでウン万円分購入した電子書籍を読み尽くすという行為をしている。

その中で、自分は最高の漫画家に出会ってしまった。

青田めい である。

出会いは「うにうにうにうに」だった。正直に言って、「うにうにうにうに」という謎でしかないタイトル、そしてリアルな魚につつかれている猫耳幼女という謎な表紙は、あまりオタクの興味をそそられるものではなく、読み尽くす行為をしているなかでも、その順番は後ろの方になってしまった。

 

うん……なんか、あんまりおもしろくなさそう……。

 

しかしながら、いざ漫画を読むと、その偏見は霧散した。

かわいい絵柄、キレッキレのツッコミ、類い希なる言語センス……。

そして、ギャグとしてうますぎる伏線回収。

え? これ……漫画うまくね?

ただうまいだけではない。

めちゃくちゃうまい。マジで。

 

ストーリーとしては、猫耳の生えたロリ宇宙人をある家族が拾うというもの。

漫画の切り抜きを貼ることはよろしくないだろうから、失礼を承知で他の漫画に例えさせてもらう。ゆるい絵柄と、強烈なギャグセンスは、やや毒気を抜いたちょぼらうにょぽみという感じ。ただ、あちらは文脈というものが存在しない(褒めてる)が、こちらにはしっかり物語としての強度がある。

これ、かなりすごいと思うんですよね。あの不条理ギャグのようなこみ上げる面白さを内包しながらも、しっかりと話の流れがあって、しかもいちいち台詞回しがうまい。

自分が文字を書く方の人間だから敏感になるのかもしれないけれど、本当に台詞回しがうまいです。

しかも時々、感動で物語をしめる時もあって、不覚にも泣いてしまう。

「これすごいな……」と何度も声に出るくらいにはすごい漫画でした。

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で、急いで次に読んだのがこれ。「ゴスロリJK無人島漂流記」。

なんだよこのタイトル。ゴスロリJKが無人島に漂流するのか?といえばマジでその通りです。本当にそのままのタイトル。

で、しっかりサバイバルするのかと思いきゃ、「うにうにうにうに」でも見られたように、宇宙人のようなちょっぴりSFが物語に入ってきて、しかもそれがすんなり受容されて物語が動いていく。

で、この漫画もまたすごくて、台詞うまいしギャグも面白いし、話の運ばせ方もすごく楽しい。特徴としては、あえて問題解決をせずに物語を終わらせていることが多くて、最初の問題提起を「やり遂げた!」というシーンは少ない。いつも、「やり遂げるぞ!」という意気込みで終わる感じ。伝わるかはわからんけど、これは個人的に好きな展開でした。

しかも、ガチ百合ではないにしても、この漫画の百合もなかなか美味しくてですね……。最初はいがみあっていた(?)二人だけれど、後半からはずっとお互いの欠点を理解して、上手につきあって褒め合うという最高の関係になって、それがまた嬉しいんですよね。

いや~本当にすごく良い漫画でした。流石に書籍版も取り寄せることにしました。

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興味のあるかたは是非。ギャグさえ噛み合えば後悔しないと思う。