新薬史観

地雷カプお断り

視聴映画記録(2020.07/03~07/16)

ロゼッタ以降、日付を完全に忘れてしまったので、全部、7月6日に見たことにする。

本当はトゥルーライズまで感想を書いていたのに、途中でMicrosoft Edgeの更新により、開いていたChromeのすべてが強制終了されてしまったようで、下書きの記事が完全に消えた。ガチでキレてしまった。本気でイライラしてブログを更新できなかったのだが、流石にしないとまずいのでします。あと、「グッバイ、レーニン!」の感想を書いていないと教えてもらったので、今更だけど書きます。マジですみません、数か月前に見ていたのですが……。

 

7月4日 映画104「レディ・プレイヤー1」(2018)

安定の金ローでの視聴。見てない映画をやってくれるのはありがたい。なんか金ローの担当者さんが変わってから、日本国民に課せられていたジブリの呪縛(まあジブリ作品ってめっちゃクオリティ高いから見て損になることは一切ないんだけれど)から逃れることができて嬉しいですね。小さい頃からこういう金ローだったら自分ももっとはやく映画を好きになれたのかなと考えたり。

それはそれとして、なんかすごい文脈の作品だなと思いました。なんだこれ。いや、まあ面白いんだけれど、正直版権物のオンパレードで、そこまでしてぶち込んじゃうんだっていう驚きがあった。どうやら原作がそういうヤバいやつらしく、なんか微妙にがっかりしてしまうというか、正直個人的には、引用文献が多すぎてまったく自分の文章がない、大学生が陥りがちなダメレポートという感じがした。でも、まあさすがはスピルバーグというか、ひたすら「なんか知らんけどおもしれえ」をやってくれたので楽しくは見ることが出来た。まあ、後から考えると「なんだこれ」ってなるんだけれど。ならないですか?自分からしたらネトゲ嫁みたいな、結局ネットよりリアルで恋愛したものの勝利^^みたいな空気が感じ取れて死ねってなりました。ほんま、覚えとけよ。

 

7月6日 映画105「ロゼッタ」(1999)

ダルデンヌ兄弟の監督作。これ、もう本当に良くて、貧困層というより、母親が育児放棄をしているひどい家庭環境で、頼るということを知らないロゼッタの「解放」の物語である。解放というのは、ロゼッタ自身が持つ思い込みのことなのだが、これがまあ自分にも当てはまってつらい。というのも、ロゼッタの全ては母親に起因している。

ロゼッタの母親は精神を病んでおり、酒と男に溺れている。育児をしない母親に対して、「なぜ母親としての責任を果たさないのか」という思い、「娘である自分も、いつかはあのような姿になるのではないか」との想いから、母親を破滅に導いている「酒」「男」「性」「大人」「不正」という単語に非常に敏感になっている。ロゼッタは純潔であり、それは身体の面でも思想の面でもそうなのだが、そんなロゼッタに性的な目を向けて近寄ってくる男がいる。当然ロゼッタは拒むわけだが、この男は仕事を紹介してくれるというし、少しなら安らぎも与えてくれる。ただ、性的関係を迫っていることは手によるように分かる。そういう、ロゼッタに対しては「大人」の象徴である「少年」(つまりこの存在が「性」は大人の専売特許ではないことを示しているのだが)と、ロゼッタがどう向き合っていくかという物語。原付?を乗り回すこの少年のエンジンを吹かす音が非常に印象的で、その音がするだけで姿が見えなくても彼の到来をする。ロゼッタに感情移入するほど、その音が怖くなるように作られているので、本当に面白い。

誰もがいつかは向き合わねばならない(ならなければ「こどおじ」になる)問題を、貧困・社会の問題と絡めて描き出した傑作だと思う。自分はかなり好き。

 

 

7月6日 映画106「オデッセイ」(2015)

ガチで火星にしか見えないセットでびっくりした。すごいリアリティと撮影技術。これもう、実質火星に行ったようなものだろう。

肝心のストーリーとしては、観客からすればまったく想像もつかない方法で生き延びていく様は心の栄養にもなるし、非常に楽しんで見れる。本来ならば生死の境目でたった一人で生活するなんて、「シャイニング」のように精神を病んでもおかしくないはずだが、強靱なメンタリティの持ち主なのだろう。そうすることによって、観客に過度な負担を強いずに見ることができるので賢いと思う。自分なら絶対に発狂させるので。

全体を通して素晴らしいの一言でまとめられる本作だが、地球側の障壁として「無能上司」をおいていることで、常に上司に苛つくようになるのはなんとなくもったいないような気がした。20回に1回問題が見つかるならメンテやらんかい。部下にあそこまで言われてんのに事なかれ主義を貫こうとするな。などなど。どちらかと言えば、途中からは火星というよりも、「無能上司を如何に出し抜くか」みたいな映画になっていたのは否めない。まあ面白かったので良いんだけれど。良作。

 

7月6日 映画107「ティファニーで朝食を」(1961)

めっちゃくちゃに好きな映画だ。本当に。

原作は結末が異なるらしく、ホリーが最後まで旅を続けるというものらしいが、やっぱり自分は映画の方が好きだ。オードリーヘップバーンの魅力が多分に含まれており、破天荒な女を好きになるポールの気持ちは分かる。ストーリー展開というか、まあ本当にホリーの天然、頭の弱さを書き出すのがすんごく上手だなと思った。ここまでかわいく頭の弱い感じを書けるのはすごい。本当に。けっこう頻繁に出てくる猫チャンもかわいらしく、だから最後雨の街に猫チャンを放り出すシーンはガチギレしそうになったし、その後の猫チャンが「にゃーん……」と柵の前でびしょびしょに濡れそぼっているシーンで涙がとまらんかった。泣いてないが。最終的にポールが猫チャンを助けに行ってくれたので本当によかった。猫を助けたので傑作、みたいなところがある。

まあそれはそれとして、常に理想を求めて、愛を枷だと信じ込み、居場所を失い続ける彼女に、救いの手を与えるという終わり方が本当によくて、「ムーンリバー」の良さが相乗効果を生み出している。本当に好きです。これぞ映画って感じ。傑作。

 

7月6日 映画108「SPL/狼たちの処刑台」(2017)

かっこいいなあ。アクションがマジでかっこいい。香港映画だけなんでこんなにアクションがうまいんだ?意味が分からなさすぎる。個人的には、「アクションかっけえ」という小学生みたいな感想しか抱けないのだが、悪の組織と警察(市長)がズブズブみたいな展開も好きだし、途中の交通事故で、追いかける側と追われる側の運命が一瞬だけ交差する、あの演出もめっちゃ好きだった。あそこのカメラの見せ方は本当にうまいと思う。まあ、それにしても出てくるおっさん、みんなかっこよすぎです。かっこいいなあ。かっこいいがつまった映画だ。俺も運動とか筋トレせずにあんなムキムキになりたい。楽してかっこよくなりたい。

 

7月6日 映画109「デス・プルーフ in グラインドハウス」(2007)

タランティーノ監督作品。もう本当に最高過ぎる映画だった。わざとB級チックに作っているらしいが、個人的にB級なところが画質以外に分からず、感性が死んでいるのかなと思った。それにしても、本当に最高過ぎる。序盤から意外すぎる展開にゲラゲラ笑ってしまったが、それが更に大きく覆される展開がそれ以上に最高で、最高を超える最高に出会ったとき、ヒトは笑うしかないんだという新たな知見を得た。もう本気で面白すぎて無理だった。きちんと見え見えの伏線をご丁寧に張り巡らせているのも好印象。これがB級な部分かな?それはそれとして、もう本当に大傑作。ツイフェミさん見たらスタンディングオベーションしそう。その光景が見たい。

 

7月6日 映画110「プラネット・テラー in グラインドハウス」(2007)

こっちはロバート・ロドリゲス監督作品。これもなかなか面白かった。デスプルーフには及ばなかったが、ハチャメチャな展開とガルマッゾ(ドラクエ)みたいなゾンビの描写が好印象だった。銃を足に装着してからの爽快感は半端なく、すげえつかいこなすやんとゲラついてしまった。いちいちギャグテイストなやりとりも面白く、終始楽しくみれた。なかなかに良い映画だった。

 

7月6日 映画111「トゥルーライズ」(1994)

めちゃくちゃに金を使っているハリウッド黄金期の作品ということで見たが、まあ金を湯水のようにつかっていてすごかった。時代的にCGじゃないだろうし、マーベルを地で行くようなやりくちは圧巻だった。橋を崩壊させたり、戦闘機を飛ばしたりと最高過ぎる。ただ、あまりにもスパイとしてガバガバなのが気になった。国を守っているとは思えない職権乱用っぷり。こんなやつらに国を守られていると考えると悲しくなってくる。人間味を出しているのはいいんだけれど、それにしても私情で一般人をがっつり巻き込んでいるし、結局妻もスパイにさせるしで……いや、ええんか?アメリカ国民のみなさんがいいならいいんですが……。

アクションは楽しかったが、スパイとしての責任感や倫理観を疑ってしまい、素直に楽しむことは出来なかった。映画と言われればそれまでだが……なあ。

 

7月6日 映画112「グッバイ、レーニン!」(2003)

感想、書いた気がするのだが書いてなかった。

個人的には、母親のためとはいえ、主人公が嘘を貫き通すのがキツかった。それで一度は視聴をやめたのだが、アニメじゃあるまいしそんな長くもないのだからと最後まで見切った。結果としては、普通に楽しめた。見ている時はキツかったものの、思い返せばあの母親が寝ている空間だけはベルリンの壁に囲まれており、嘘で作り出された異質な空間が形成されている、その虚構性がよかった。正直、細部があやふやになっており、感想も書きにくくなっているのだが、もし自分が倒れて、突如として公式から「えりうみだけが正解です」みたいなアナウンスが出たとしたら、自分はそれを教えて欲しいのだろうかと考えてしまった。多分、自分はこのブログか増田として長文のお気持ち表明をするだろうが、それはそれとして公式よりも自分の方が園田海未のことを分かっている自信があるので、多分通常運転になる気がする。結論として、自分が寝ている間にうみえりが公式カプになってもそれを伝えてくれてもくれなくてもどっちでもいいなという話です。だからなんなんだ。

 

7月6日 アニメ113「日本沈没2020」(2020)

わざわざ2万文字の記事にしたから、これで終わりにさせてほしい。

negishiso.hatenablog.com

 

7月15日 アニメ114「キノの旅 -the Beautiful World」(2003)

今更ながらキノの旅を見た。というのも、lain中村隆太郎監督作品というのを今更知ったからである。これは見なければまずいということで手をつけた。実はラノベでもアニメでも一切見ていなかった。それまで少女がバイクに乗って旅をする程度の解像度しかなかったが、事実そうだったので安心した。

とはいえ、それぞれの国の虚構性といい、非常に「見えない都市」「方形の円」に近しいものを感じた。なかでも興味深かったのは、キノがキノとして旅立つキッカケとなる「大人の国」であるが、これはイーガンの「しあわせの理由」と似通っているものがある。ここでこの発想が出てくるんだと驚いた。それから、映像のなかでの文字の出し方が特徴的で、中村監督みを感じた。あとまあこれは原作に由来すると思うんだけれど、エルメスにしろキノにしろ、すごく淡々とした喋りで達観してるなあと思った。まだ子供なのにすごいなあ。めっちゃ強いし。どこで身につけたんだろう。

あと、旅に出る前のキノがとてもかわいらしくて好きでした。出てからもかわいいけれど。

最後に、最終話の「やさしい国」は、人気投票で1位になっているのを見たことがあるが、自分はあまり良いとは思えなかった。だって、子供に知らせずに国と心中はひどすぎやしませんか。あれほどかつてのキノを想起するような展開をしており、サクラ(多分キノの前の名前もサクラだよね?)ちゃんにも旅をするという選択肢が与えられている。その提示の仕方があまりに卑怯で、だって彼女は将来も街があり続けることを信じて宿屋を継ぐことを選んだわけであって、それが予知されているのに教えないという感性が分からん。普通にただの殺人だと思った。許せん。他の話の殺人はまあ全然いいんだけれど、思ったよりも血の気の多い作品で笑いました。最終話は許せないけれど、全体的に見たらとても面白い作品でした。好き。劇場版もあるっぽいので見てみます。

 

7月16日 映画115「トゥモロー・ワールド」(2006)

アルフォンソ・キュアロン監督作品。非常に面白い設定で、なるほど、そういうのもあるのかという顔になった。ただ、設定をうまく飲み込むことができず、結局なんで子供ができなくなったのか、あるいは何故子供ができるようになったのかが分からないので、話の展開を追うのが難しかった。あと、途中から「逃げる」という方向に向かうのだが、具体的に何処に向かうのか、ボートとは言え、その先でどうするのかなどがきちんと明示されておらず(それか見逃したか?)、赤ちゃんを持って何をしたいのかが分からなかった。政治利用などではなかっただろうし、う~~~ん。

アクションに関してはすごく良かった。めちゃくちゃに戦争がリアルで、死に方や爆撃の感じ、生々しい貧民街などが爆発していくのを見るのは良い。脚本については、上記にも書いている通りよく分からなかったのが正直なところだ。気が向いたら再視聴したい。

 

7月16日 映画116「花とアリス殺人事件」(2015)

岩井俊二監督作品。実写のイメージが強かったが、アニメ作品も手がけていて意外だった。テレスコープを用いており、非常に興味深い作品。背景との親和性もいいし、実写ではやや臭くなる台詞や振る舞いも、アニメーションにすることで緩和されて良い。あと、躍動感のある動きがとにかく素晴らしくて、リアリティが詰め込まれていて最高だった。気になったのは、ユダパパを尾行しようとビルに入ったあたりで、それまでハチャメチャに面白かったのに、なんというかアリスがポンコツ過ぎて見ていてイライラしてしまった。オタクなので自分に甘く、他人に厳しい。

あと、自分は礼儀正しくない舐めた女子中学生が地雷なので、アリスがおじいさんに不遜な態度を取ったり、他人をトラブルに巻き込んでおいて雑な後処理しかしない点も気に障った。自分で書いていて自分の心の狭さにびっくりしている。つらくなってきた。

個人的に百合かどうかと言われると、百合じゃないような気がする。これは友情ですかね。なんとなくそんな気がする。

 

今週は以上。

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