新薬史観

地雷カプお断り

視聴映画記録(2020.08/14~08/27)

ほのうみ小説総集編の作業で他のことが全く手につかず、全然映像を見れていなかった。まだしばらく掛かるので、映画からは少し離れた方がいいかな……。少し考えます。多分見る。

 

8月14日 映画139「雨に唄えば」(1952)

自分が見たことあるミュージカル映画といえば、思いつく物が「ラ・ラ・ランド」と「マンマ・ミーア!」くらいしかなかったので、これは良くないなと思い漁っていくことにした。非常に楽しく見ることができた。脚本がスッキリしており、キャラ立ちしてるため、混乱することなくエンタテインメントととして楽しめる作品。いろいろ唄うが、個人的に一番好きな曲は表題作にもなっている「雨に唄えば」かな。ストレートでわかりやすいがために、万人受けするだろう映画でした。面白かったです。

 

 

8月15日 映画140「オールザットジャズ」(1979)

ボブ・フォッシー監督作品。自伝的作品らしく、なかなかにすごい一生を送っている。監督のジョー・ギデオンを作品中の自分として設定しているのだが、まあ酒とタバコとSEXのことしか考えておらず、世間的にクズ認定されている。途中で監督が演出した最高に艶美なミュージカルシーンがあり、作中ではめちゃくちゃ非難されるが、自分としてはかなり好きだった。徐々に弱っていき、最終的には死ぬのだが、そこへの以て生き方は丁寧でリアルだなと思った。あと、次に書く「8 1/2」もそうなのだが、出資者が監督を詰める様子が可哀想でならんかった。苦悩の積み重ねがこれでもかと繰り返され、それに対抗するように働きまくる。さらに多額のお金がかかり、回収できるんだろうなと出資者が詰める……う~ん、きっついですね。最後の曲「Bye Bye Love」は割とテンションが謎で困ったし、正直そこまで乗ることができなかったのだが、最後のぶつ切りの感じは好きです。ミュージカル映画として不動の地位を獲得している作品らしいが、自分にはあまり合わなかったかな。面白かったけど。

 

8月16日 映画141「8 1/2」(1963)

フェデリコ・フェリーニ監督作品。

高名な映画監督が、出資者からめちゃくちゃ詰められて温泉に行くんだけれど、そこにも出資者がついてきてどこにも逃げ場がなくなるという話。さっきと何処か似ている。本当にそれだけなんだけれど、主人公の苦悩が画面越しに見えて、かなり辛くなる。

かなり画面に拘っているのが分かって、いちいち綺麗、というかお洒落。タルコフスキーを親しみやすくした美しさがある。

途中で作中に出てきた女だらけの家に主人公が住み始める妄想世界に入るのだが、そこで妻のルイザが使用人になっていて、すごい雑に扱われているし、本人もそれを望んでいるんですよね。ここで悲しくなってしまった。ルイザの顔がめちゃくちゃ好きなので……眼鏡掛けると本当に美しい……すき……。まあそれはおいといて、こういう女に囲まれて「俺が法律だ!」と叫んだり、特に考えもなく無意味な高層物を高価な費用をかけて制作したりで、どんどん追い詰められていく。最終的にはみんなに詰められて、握った拳銃で自殺って感じの物語。

ラストの妄想世界での言葉がすごく良くて、備忘録として書き出す。

「全てを壊し塩を撒きたまえ 古代人が戦場を清めたように 結局我々に必要なのは衛生 清潔 消毒だよ 我々を窒息させるのは 存在理由のない言葉や映像や音だ 『空』から生まれ『空』に向かう 芸術家の名に値する者なら 沈黙を習得することだけを求めるべきだ マラルメは『白紙』を称えた 監督ではなく詩人だが 断筆が最高傑作だ 全てを得られないなら 真の完成は『無』だ 我々の使命は 世に出ようともがく失敗作を 日々追い払うことだ」

「誤りの数々が人の役に立つと思っている 人生の断片を集めて何になる?」

「女性達よ 許してくれ やっと分かったのだ 君達を受け入れ 愛するのは自然なことだ ルイザ 自由になった気がする 全てが善良で有意義で真実だ」

「全てが元に戻り 全てが混乱する この混乱が私なのだ 夢ではなく現実だ」

「人生はお祭りだ 一緒に過ごそう 言えるのはこれだけだ」

 

この言葉が示すのは、まあ結局今までの監督の全てを破壊せよ(死ね)ということで、人は完全なものは決して作れないし、完全に至る途中の未完成のものを子孫や友人に受け継いだからといって、決して完全に至ることは出来ない。ならば過程も結果も無意味なんだから、何もせずに死ね、という事になる。

だが、その発言を受けたあとのグイドの気持ちは違っていて、そりゃまあ全てを手に入れようとしたのは(女を侍らせたのは)間違いだった。でも女は好きだし嘘はつきたくないし、結局何も手に入らないのは分かっている、それでも手を伸ばす「無意味な行為」が自分なのだと気付き、全てが楽になる。要するに世間体に括られていたわけで、ルフィばりの「俺は女が好きだ!(ドーン!)」という宣言で、そのお祭りが人生で、そこに君がいて欲しい(お前も楽しめ)というプロポーズにもなっている。ルイザはその手を取り、みんななかよくグルグル回る――何やらよくわからないが、メッセージが非常によく伝わる映画だった。

傑作かどうかと言われると分からないが、かなり好きな映画ではある。

 

 

8月16日 映画142「来る」(2018)

中島哲也監督作品。既に原作を読んでいるのでだいたいの話は分かっていたが、かなり面白いなこれ。OP映像がすごい良くてびっくりした。話の展開もおおよそ原作に忠実で、田舎のキモいところや育児の辛いところ、イクメンのうざいところ(僕はああいう「人生を謳歌しています!」という共感性に欠けた上昇志向の人間が死ぬほど嫌いです)など、いろいろなものが詰まっている。それでいて、除霊をエンタテインメントとして昇華しているので、単純にめちゃくちゃ面白い。楽しいホラー映画だった。

 

8月24日 アニメ143「金色のガッシュベル!!」全150話(2003)

実は映画をまったく見ていなかったが、この二週間近くでガッシュベル!を全話見た。150話。恥ずかしながら子供の頃からメジャーな作品を見ていなかったので、この歳でみることになった……が、これが非常に面白いんだよな。最高でした。原作ファンのフォロワーからは「アニメは途中から展開が違うから原作も読め」と4人くらいに詰められ泣きそうになってしまったが、実際にwikiとか見ているとかなり違うようで、読まなければ……になっている。いや、読みます。いつかは。

石版編が非常に好きで、なんと言ってもココとシェリーの関係が良すぎて、何もあなたのことを信じられない、自分のなかの相手の像が崩れたときに、何を信じれば良いのか――と来て、かつての魔除けのリング、約束に気付くというのが本当に良い。素晴らしいですね。身分差百合、幼なじみ百合、増悪百合、かなりのものが詰まっていて最高でした。自分が一番好きなのが、その後に「シェリーの支配を解いてもいいが、その代わりに記憶を残すよ~ん」というまさかの発想で、あまりに極悪すぎて本当に泣きそうになってしまったのだが、普通にブラゴにガン飛ばされただけで終わったのでがっかりした。正直見たかった。あと、それぞれの魔族と相棒の関係性がかなり良くて、ウポポイ(北海道のアイヌ民族館ではない)ウポポイ踊るやつ、美術作品守ってたボーイ、テントウムシのやつ、キッドとなぞなぞ博士等々、ありえん強いエピソードをぶち込まれるので発狂しそうになった、面白すぎた。いちいち見せ場もかっこいいし、メルメルメとサンビームが合流して立ち上がるエピソードも良すぎた、レイラもすげえ好きで、呪縛から解き放たれるところとかアツすぎるし、やっぱり宍戸留美の声がいい!!!!おんぷちゃん!!!!!(クソでか大声)てか本当にみんな良い。良すぎるエピソードしかなかった。

石版編までは……。

なんというか、その後の話はあまり好きじゃないというか、盛り上げ方が雑だった気がする。ベリーメロンがやたらと強かったのは分かるが、それ以外あまりつよい印象もないし、ボスもしょぼかったし、クソでかい魔物というのはかなり驚きだったけれど、まあ、序盤に比べると……という感じだった。

しかも、誰が王になるかわからんまま終わるし!は~~~~許せん。

原作読まないとなあ……。

 

 

今週は以上。 

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