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樋口真嗣『シン・ウルトラマン』観た!

樋口真嗣『シン・ウルトラマン』(2022)

シン・ウルトラマン」=おっさんホイホイの理由 | スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

映画『シン・ウルトラマン』公式サイト

【総合評価】10.5点(総合12点:全体10点+百合2点)

【作品の立ち位置】

オールタイム・ベスト・コンテンツ(10<x)

ガチで大事にしたい作品(9<x≦10)

積極的推し作品(8<x≦9)

オススメの手札に入る作品(7<x≦8)

まずまずな作品(6<x≦7)

自分からは話をしない作品(5<x≦6)

時間をロスしたと感じる作品(x≦5)


【世界構築】2.5点 (2点)

開始1分の素早い作品世界の紹介、あるいは怪獣たちの畳みかけで完全に心を掴まれた。庵野秀明だと思った。監督は樋口真嗣だけど。

この作品を通して得られたものは、「特撮ってこんなに面白いんだ」という気付きと、「エヴァって特撮だったんだ」という気付きだ。この感想は、自分がエヴァという作品を「デザインのよい異形が襲ってきて+専門の機関が対策しようとして+人間の醜さや愚かさを描く」作品くらいにしか思っていないから出てきているものです。異論は認めます。成田亨の本来のデザインを踏襲したというウルトラマンもすごく良くて、異形(SCP)感が増していて好み。また、しっかりと宇宙に飛び出てSFをしてくれるのも嬉しいポイントだった。めちゃくちゃに好きな世界観。

 

【可読性】1点 (1点)

真ん中あたりでやや間延びするが、気になるほどではない。


【構成】2点 (2点)

丁寧に作られていたと思う。ウルトラマンの戦う敵が段階的に強くなっていくのも良いし、人間をあくまで素材としてしか認識していない宇宙人たちとの対立もしっかり描かれていた。

 

【台詞】1.5点 (2点)

多少コミカルに描くことで、台詞を多少遊ばせても作品世界を崩していない。自分は本当にこれが最高の手法だと考えているので、それを実践している作品を見ると興奮してしまう。とはいえ、心にめちゃ響く台詞や会話の応酬があったかと言えばなかったので、この点数にしました。「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」とか「私の好きな言葉です」はまあまあ好き。

 

【主題】1.5点 (2点)

人間はちっぽけで愚かだけど頑張ってやっていきます、以外のものは無いと思うし、それでいいと思う。

 

【キャラ】1.5点 (1点) 

みんなよかったです。特にメフィラス星人のキャラ立ちはなかなかのものがあった。ブランコを漕がせたり、居酒屋で割り勘しようとするのはすごくいい発想だと思う。自分には思いつけない。

 

加点要素

【百合/関係性】0点 (2点)

該当描写無し。

 

【総括】

自分が一番良かったと感じるのが、ゼットン戦の最後に出てくる制限時間が表示されるのシーンである。βカプセルを使うことでバンクの発生、および時間が遅くなり、さらにコンマの領域に入ってさらにバンクが発生し、時が遅くなる。その畳みかけのタイミングや色遣いが圧倒的すぎて、本気で映画館で絶叫しそうになった。自分の性癖を的確に突いてくるシーンで、あれを見るためだけに俺は今日まで生きてきたのかもしれないとまで思った。それくらい脳汁の出たシーンを内包する作品として、「オールタイム・ベスト・コンテンツ」として記載させてもらっています。もちろん、全体的に非常に出来が良かったので文句なしの傑作ではあるのだけれど(エヴァの根底にあるのが特撮だというのもようやく実感できたし)、それでもやはり個人的には忘れられない作品になった。あの後のブラックホールみたいなのに飲み込まれる演出も楽しかったし。まだ観てない人は絶対に映画館で見て欲しい作品です。バンク2回掛けは本当に気持ち良い。

 

そういえば、この作品の感想としてセクハラ云々があるのを思い出した。実は自分は全然そういうものを感じなくて、なんとなく女性が巨大化した辺りかなとは思うのだけれど(それともお尻を叩くアレか?)、マジで心当たりがないのでショックを感じる。自分がセクハラを検知できないアンテナをしていることにである。割とつらいので、セクハラ箇所が分かる人がいたら教えてください。