新薬史観

地雷カプお断り

徒然日和 Season2について

 

『ぼくと徒然日和』シリーズの最新記事です*1

 

前々回の記事

negishiso.hatenablog.com

 

前回の記事

negishiso.hatenablog.com

 

今回の記事がここです。

 

 

 

 

昨日の夜、絶叫した俺の声を君は聞いたか?

聞いていない人のためにここで絶叫します。

!!

 

これまでの徒然日和をしっかり覚えている方は、今回の徒然日和の雰囲気が違うことに気付かれたと思います。これは作者の土室圭先生も認めているところで、新しい描き方を模索するなかで生まれた作品だというお話でした。

実際にどの辺りが違っているのかを観ていくと、結構面白いものが見えてくると思います。

 

①背景の線が少なくなっている

まあこれは商業作品かどうかという違いを無視できないのですが、少なくとも今回の作品(以下S2)はこれまでのもの(以下S1)と比べてかなり背景への書き込みが簡略化されている印象を受けました(これでも十分に巧い)。S2の背景描写がデフォになれば先生も少しは楽になるのかしらと変な期待をしてしまうのですが、S1の圧倒的な自然や家への書き込みが強固な世界観を構築しているのは確かなことですので、その辺りは難しいところです。

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②真冬の髪のトーンが一段明るくなっている

真冬はS1では黒のベタ一色に白のハイライトのみだったのですが、S2ではさらにもう一個明るいトーンで髪を描くことで、つややかな髪の質感を生み出せているように思います。

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③キャラの輪郭線が全体的に太くなっている

キャラの輪郭線を太くする手法は最近のデジタルイラストの流行かな~とぼんやり思っていて、これがS2で活かされているように思います。くっきりキャラを描くことで、背景からキャラを目立たせることが出来るほか、キャラの実在感を高めることができるように考えています。今回は①の背景のデバフも合わせて、かなりキャラが前面にでているんじゃないかなと感じました。

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④瞳・影の描き方が線から面になっている

S1では瞳のグラデーションは弱めで斜線のみで描いていたのに対し、S2は面で瞳を描いている印象です。ここでも行われているのが線の排除で、①~③で行われてきた線の省略化を見て取ることができます。やはり瞳の描き方ひとつで大きく変わりますね。線から面になることで、瞳にしっとりとつやが出ます。全く同じことが影についても言えますね。

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 以上、ざっと纏めるとS1とS2にはこのような差異があります。いずれも共通しているのが「線から面へ」の態度であり、ここに作業効率の向上はもちろん、キャラ全体にしっとりとした質感(肌の温かみもそう)を与えるという点で自分にとっては非常に嬉しい変化です。が、先生が果たしてこのような意図で描き方を変えたのか判らないため、自分はこのような記事で妄想を書き殴る次第です。

それにしても、S2は非常に良かった。脚本の構成力やテンポ、絵の見せ方などはS1から変わらず最高で、特にラストページの小春と真冬の配置については心を強く打たれた。自分なら二人を真ん中に配置するのだけれど、あえて真冬を右にずらすことで、小春が前のめりになり真冬への感情を強めているという演出に繋がる。

また、今回の面への描き方の変化によってラスト手前の真冬の輝く瞳が表現可能になったというところも見逃せないと思う。これはS1の表現ではどうにも散らばってしまいそうだが、面で瞳や髪を描くことで、非常にインパクトのある絵が生まれている。

天才!

 

さて、土室圭先生が絵の練習をされているということは今後も作品を描く意志があるということで間違いないでしょう!いや~次回作が気になります。みなさんも絶対に徒然日和を読みましょう。

と書いても読まない人がいるんじゃないでしょうか?

実は、イマドキのオタクはそういう姿勢では全くダメなんですね。『徒然日和』を読まない人は基本的に出世コースから外れるというように人事担当者から聞いています。これは中小や大手、外資含めてすべての企業で観られる傾向ですね。というのも、「世界最高峰の百合漫画」を押さえていないことになるので、得意先との商談などでふと話題が百合になったときに

相手「そういえば、徒然日和の小春さんと真冬さんの件ですが」

あなた「あのう、なんですかそれは?」

相手「あ~……(この会社は社員に『徒然日和』も読ませていないのか! まったく非常識だなあ!)」

ということになりかねませんので、本当に備えたほうが良いということですね。『徒然日和』って小学校低学年にとっての『俊足』とか『コロコロコミック』とか『ドラゴン柄のエプロン』みたいなものですので、そこのところよろしくお願いいたします。

 

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【追記】

これはマウンティングの一例になるので良くないのですが、漫画に感想をリプライして土室圭先生から名前を入れて返信してもらっているのは自分とみ●みて●ん先生だけでした。*2

 

*1:そんなシリーズはありません

*2:だから何だという話ですね。ねぎしそは何一つ偉くないので……。