新薬史観

地雷カプお断り

視聴映画記録(2020.05/22~05/28)

5月22日 視聴記録なし 名探偵ピカチュウ見てたけど、途中で寝てしまった。残念。

 

5月23日 映画57「ハウリング」(2013)

U-NEXTに入ってるヨーロッパ企画の作品は全部見るぞという気持ち。上田誠監督。これは発想が面白かった。どうやってオチをつけるんだろうと考えていたけれど、やっぱこういうループものは外部からの干渉を入れると楽に〆ることができるな。長回しということで緊張感のある画になっていたと思うし、楽しかった。

 

5月23日 映画58「ロック」(2010)

ヨーロッパ企画のヤクザもの。永野監督。正直微妙かなあ。面白いとは思うけれど、まあ、うん、という感じになる。

 

5月23日 舞台1「出てこようとしてるトロンプルイユ」(2017)

ヨーロッパ企画の初めて見る舞台だ。どういう話なのかと思ったけれど、予想もしない展開にびっくりした。これは映画化難しそうだな……。やや冗長なところもあったけれど、何度か声を出して笑ったところもあって、やはりコメディに定評があるヨーロッパ企画だな……と妙に納得してしまった。楽しかった~。こういう楽しい気持ちにさせてくれる舞台は、お金を払って行きやすいですね。今は自粛でアレしてるけど、もしも時間と機会があれば生で見たいな。

 

5月23日 映画59「ノスタルジア」(1983)

巨匠タルコフスキーの映画。「惑星ソラリス」しか見たことなかったけど、出だしの霧と緑と黒の影の感じがすごくデジャブだった。画が綺麗だなあ本当に。あらすじや直接的なストーリー説明がないために迷子になるというか、時々ひたすら画が美しすぎる絵画の博覧会みたいになった。もう本当にめっちゃ画が綺麗。でも正直何をしているのよくわからんかった。涙。巷で噂の難解な映画というのは本当にそうで、まあわからん。何度も何度も見て心を癒やす映画かもしれない。そういう話ではないんだけれど。間の取り方とかもすごいし、眠いときに流せば確実に寝れる。感受性が死んでいるので。

 

5月24日 映画60「パルプ・フィクション」(1994)

どちゃくそに面白かったな。すごく良かった。どちらかと言うとコメディなのか……最後の展開が最初につながるというナイスなもの。「俺のボスが淫売ってのか」というのがまさかのつながりを見せるし、ていうかつながりが本当にすごくて笑ってしまう。ちりばめられた話がすごくナチュラルにつながるんだよな。脚本うまいですね。あと、序盤のダンスシーンがかなり良かった。パルプフィクションといえばこのダンスかもしれん。名作。

 

5月24日 ドキュメンタリー1「ホームレス ニューヨークと寝た男」(2014)

 

身なりが良くて仕事も持ってるおっさんがホームレスをやってる。かなり意外でしょ?っていうドキュメンタリー。僕も必要最低限のものと本さえあれば家がどれほど狭くてもいいが(料理はするのでキッチンは広くあってほしい)、この人は家さえもいらないという。何者だマジで。ここだけの話何日か東京で野宿生活をしたことがあるのだが、新宿のバスターミナルで寝たりマックとビルの間に挟まって寝るのは寒くて非常につらいものであり、二度としたくないと思った(当時の自分は将来ホームレスにしかなれないという脅迫観念に襲われており、ホームレスになったときに何処で寝れるかの予行練習をしていた)。結果として屋根と壁の重要性を痛感し、以降はせめて吉野屋で寝る方がいいことに気がついた(ネカフェに入れ)。野宿が大変なのは、絶対に人に見られてはいけないというところで、この人も人がいないところを一生懸命探していた。大変だなあ。僕はもう野宿したくないです……。この人は自由を求めて、何も失いたくないからホームレスしてるとのことだけれど、やっぱり最低限の屋根と壁はほしいよな。原人ですら洞窟のなかに住んでるのに……。

 

5月24日 映画61「御法度」(1999)

適当に漁ってたら目についた。司馬遼太郎原作でビートたけし土方歳三というまさかの布陣。実は映画に携わるビートたけしを見るの初めてだったんだよな。司馬遼太郎も読んだことがないのですごく新しい体験だった。内容としては新撰組のBL映画。映像としては、とにかく殺陣の迫力がすごすぎる。どれだけ打ち合わせして練習したとしても、ここまでできることってあるんだとびっくりした。松田龍平の演技がすっごい下手くそなんだけれど、美貌が良すぎて顔を見ているだけでドキドキする。今の松田龍平を見ると普通のかっこいい俳優なんだけれど、あの雰囲気が出せた20年前の彼はすごかったな。最後に「惣三郎は顔が良すぎた」と土方のビートたけしがつぶやくんだけれど、まあすんごい説得力があったよね。面白かった。

 

5月25日 映画62「ブレードランナー2049」(2017)

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。前作のリドリースコット監督は制作総指揮で、前作とのつながりがある作品。かなりよかった。これは素晴らしい。前作が映像に特化した作品だとしたら、今作はちゃんとストーリーも面白くて、映像もめっちゃいい。一面の砂漠、一面のゴミ、雪景色、雨に濡れるジョイ。前作よりも原作にそった感じの未来になっていて、それを見事に映像化しているのが素晴らしかった。デッカードの行方の先にあった映像がバグった感じのソングライターたちが、バブルのはじけた温泉街ホテルのような廃墟感があって最高だった。ジョイもめっちゃかわいいし、Kの自分の唯一性をめぐる冒険も良かった。レプリカントの存在意義とは、唯一性とはというのがテーマだったと思うが、たとえ彼のしたことが世界を救うわけでもなく、たった一人の男を娘と会わせただけだったとしても、それこそが彼の存在定義であるといったところだろうか。肝心なのは遺伝子でも環境でも思想でもなく、どう行動したか。ここは大事にしたい部分ですよね。間違いなく良作だ。何度でも繰り返し見たい作品。

 

5月25日 映画62「エイリアン/ディレクターズカット」(1979)

リドリースコット監督作品。マジか、ブレードランナーと一緒だったんだ。てかテルマ&ルイーズとかオデッセイの監督でもあるのか……知らんかった。脚本はダン・オバノンということで、ブレードランナーのハンプトンファンチャーとも違うな。エイリアンの話の流れはかなり好きなので、やっぱりブレードランナーは脚本の問題だったんだろうか。(いろんなサイト見てるとハンプトンファンチャーの脚本をいじくり回したとかなんとかで結局誰の書いた話なのかわからん)。まあブレードランナーの話はおいといて、この映画はかなり良かった。宇宙と異星物に襲われる人間、というのはいつのまにか頭のなかにすり込まれていた図式だけれど、これが元になったのかな。オリジナルの空気や、良い意味で洗練されていない手探りの感じが良かった。エイリアンの造形も良かった。猫ちゃん映画。

 

5月25日 映画63「グリーン・インフェルノ」(2013)

なんというか、B級ホラー。特に言うことがない感じ。なるほどとなりました。

食人族って本当に存在するらしいですし、怖いですよね。

 

5月26日 映画64「ミスト」(2007)

どちゃくそに面白かった……。これは本当に傑作だ。クトゥルフみたいな触手とかがウネウネしているキモい生物がめちゃくちゃに好きなので、モンスターの造形がすごくよかった。キャラも魅力的だし、話の展開もグイグイ引かれる感じで最高。最後は本当にか~なり悲しかったが、ツイッターでよく見る「胸糞」というのとは違う。どちらかと言えば鬱とかそっち方面の辛さがある。霧のなかのモンスターという最高の絶望演出に、絶望の環境下におかれた人間の行動や思考が入り乱れて良かったです。最後の最後も胸糞なんだけれど、だからこそ作品全体の悲しさの強度が強固なものになって大満足。これは間違いなく傑作。

 

5月26日 映画65「ショーシャンクの空に」(1994)

これこれこれこれ!ずっと見たかったやつ。もうめちゃくちゃに面白かったです。なんと言ってもキャラが立っているし、これこそある意味胸糞ではないかと思うんだけれど(無罪で20年近くも服役させられることの何処が胸糞でないと言うのか)、しっかりと元を取ってくれるし、主人公のアンディーのまっすぐな志がずっと失われないのは、視聴者としてすごくうれしいところ。その気持ちが、仮釈放に悲観的だったレッドに自由への希望を持たせることになるし、出所してからもブルックスと同じ轍を踏まないような希望を抱かせる。これはアンドリューの物語のようで、レッドの語りで始まり、終わるように、レッドの物語であるという方が的確な気がする。たとえ刑務所に入ったとしても、スキルとして身につけたアンドリューの会計処理や司法処理能力が失われるわけではないというのは、ドラクエ5の奴隷になって武器が取り上げられても魔法が使えるから脱獄できる、というのと同じ文脈でめちゃくちゃに好きな概念。環境って本当にいろんな要因が多すぎて当人の手に負えないことになることが殆どだと思うんだけれど、その中でも唯一自分が学んだことというのはなかなか消えるものではないので、できる限り自分のなかに貯金という形で、いろんな作品の背景や文脈を取り込んで、自我を確立させていった方がよいと思う。アンドリューが図書館を増設したり音楽を流したのもまさにそれで、どれだけ厳しい環境でも、絶対に自由の心を持たないと行けないし、それは決して何人たりとも汚せない神域なんですよね。逆に言うと、自分のなかの神域、自由を求める心を殺すのは自分しかなくて、ブルックスやレッドはそれと同じ気持ちになっていた。要するに、釈放されても心が自由ではなかった。自分たちが決して忘れてはいけないメッセージを教えてくれるこの作品はベスト級の傑作ですね。なんと言っても自分の考えとめちゃくちゃ重なったので、推すしかない。最高でした。

 

5月26日 映画66「カサブランカ」(1942)

これ、いいなあ~~。劇場版ラブライブ!の挿入歌「As time goes by」がピアノで弾かれた時はびっくりしたけど、めっちゃ良い曲なんだよな。時代背景や政治やビザに翻弄される人々のなかで、愛に焦点を絞った物語。正直、イルザがもう本当に「女」って感じでめちゃくちゃに嫌いなんだけれど、彼女は彼女なりに一生懸命生きているからなあ……。人情に厚いリックが本当に良すぎて、おまえ、どこまで良いやつなんだよって涙が出そうになる。名言が多くて、「君の瞳に乾杯」とか、「持つべきものは友人だな」とかいうのも、リックの感情を考えるとすごく言葉に詰まる。パリの思い出が詰まった「As time goes by」、あの時の愛は真実だったと言い張るイルザ。いや、まあイルザからしたら真実の愛はいくらでもあるんだろうし、みんな心から愛してるのよ~って感じだとは思うんだけれど(だから自分では決められないのよ~っていう姿勢がクソ)、最後にリックが優しい人間だとわかってからの対応もクソだし、ガチでここまで典型的な嫌な女の要素を煮詰めた人間はなかなか映画でも見ないけれど、話自体はすごく良かった。最後のルノーの対応といい、リックにも救いがあって不快感も和らぐし良かった。リックは最高。イルザはクソ。マジで童貞みたいな感想しか出てこなくてつらいけど実際イルザクソじゃないですか? 僕は本当にこういう女性が無理です。久しぶりにイライラした。

※追記 ちょうどこういう感想を書いた後にツイッターを見たら「女性はホルモンバランスの影響で一日に4回性格が変わるし、自分でも不安定すぎて恐ろしくなる」旨のツイートを見かけたのでなんというか、了解しました。イライラはするけど責めることはしないようにします(?)

 

5月26日 映画67「遊星からの物体X」(1982)

犬がいっぱい出てきてかわええと思っていたら、最高の異形と化して笑顔になってしまったな。グロさが気持ちのいいグロさで大好き。人間に完全に化けるのは怖い、敵がどこに潜んでいるのかわからないというのはマジの恐怖で、エイリアンみたいなモンスターとは違った怖さがある。めちゃくちゃに凍った人間や、グロい変身が大好きでした。

 

5月27日 映画68「プラダを着た悪魔」(2006)

楽しい映画だった。「最強のふたり」のように、理解のない者が異質な業界に入り込むストーリーが良かった。多分元通りに戻るんだろうなという憶測があったが、「最強のふたり」ではフィリップ、つまり異質なものから断ったのに対し、こっちの作品では入り込んだ方からしっかり辞めている。多分構造の問題ではなく、「最強のふたり」はドリスではなくフィリップが、今作ではアンディが主人公なんだろう。キャラの成長という観点から見ると、ドリスが殆ど不変だったのに対し、フィリップは大きく変わった。ただ、今作はあんまりそういった個人の成長は見られなかったように思う。どちらかというと、持ち前のタスク処理の有能さを仕事で生かして成り上がるなろう系の雰囲気があり、仕事と私生活のバランスについて考えさせられる映画だった。個人の成長を描けばもっと良くなると思うんだが。例えばアンディが自分からはまったく決断できない女性だとすることで、最後の携帯を噴水を放り投げるシーンがよりよくなるんじゃないだろうか。まあ最初っから興味ないファッション雑誌の面接に行ったりしている時点で、自分のやりたいことがわかっていない節はあったけれど、それだけにしては弱くないかな~あともう一個くらいほしくないですか?僕はそう思いました。それはそれとして、最後のミランダの微笑みは良かった。楽しい精神で、楽しい労働を。

 

5月27日 映画69「ファイト・クラブ」(1999)

チャック・パラニュークの原作は読んでいたが、映画を見ていなかったので視聴。オープニングかっけえ。序盤の高速カメラワークと早口の語りは化物語ハルヒに通じる心地よさがある。やっぱこういうのがいいんですよね。ストーリーとしては原作に忠実でかなり良いものがある。タイラーのかっこよさは最高だし、それ以前にキャラの性質上、どう映像化するんだろうと思ったけれど、もう最高の再現度でしたね……。流石にびびってしまった。なんだこの完成度。小説の最高の語り口は引き継がれているし、暴力の残酷さも健在だし、家は最高に汚いし何から何までわかりきった人間が作り上げた作品になっている。まあ原作の完成度が異常というのもあるだろうけれど、マジで良すぎ。デヴィッド・フィンチャーと言えば「セブン」だが、それくらいしか知らん!この監督を積極的に追っていきたいなと思った。次は「ベンジャミンバトン」でも見るか。「ソーシャルネットワーク」は見た気がする。多分。見直すか。

 

5月28日 映画70「シックス・センス」(1999)

流石に良すぎた。超有名どころ故名前だけ知っていた感じなので見たんだけど、本当の大傑作だった。普通にだまされたし、最後を踏まえた上でもう一度視聴した。二回見るとまた違う見方ができてめっちゃ面白い。感想を書きたいが、もしまだこの映画を見ていない人がいたらすぐにブラウザバックしてこの映画を見てほしい。まあ既に多くの人が見ていると思いますが。念のために言葉少なめの感想にします。

赤色がすごく印象的で、生と死の狭間、血の色が象徴的に使われていた。脚本も凝りに凝っていて、天晴れです。マジで傑作。

 

5月28日 映画71「ソーシャルネットワーク」(2010)

確実に昔見たことがあるけれど、この年になって改めて見ることで何かあるかもしれんということで再視聴。想像以上にマークの性格がクソ過ぎて見る気が失せちゃった。あくまで変人のマークをめぐる資本家たちのバトルって感じでボーイズゲームか何かか?と思ったが、最後まで見るとそれなりに楽しめた。構成自体は面白いし、特別難癖つけるところもないんだけれど、傑作かといわれると微妙。数々の受賞作はFBに媚でも売っているのかと疑わざるを得ないのが本音でした。

 

今週は以上。