新薬史観

地雷カプお断り

酒についての思い出。あと、純米酒 太平山艸月(そうげつ)

自分は20歳になるまで、酒を極端に避けていた。脳が縮むと聞いたから。大学に入学し、新歓だ送迎会だと周りが未成年飲酒に手を染めるなか、自分だけは断固として酒を飲まなかった。「おいお前も飲めよ!」「嫌です!未成年なので!」「ははは、そうか!(意味分かんねえなこいつ)」という会話を幾度繰り返しただろう。付き合いの悪い自分はガラパゴス諸島のように大切に隔離され、その代わりにインターネットの悪い部分だけを飲むようになってしまった。

とにもかくにも、「酒を飲まない」。それが自分にとっての矜持だった。井之頭五郎のように飲めないのではない。飲まないのだ。非常に社交性がなく、なんともオタクらしい意地である。

で、あれからもう数年が経ったわけだが、びっくりするくらい酒を飲むようになってしまった。有り難いことに自分は生物学的に酒への耐性があったようで、がぶがぶ飲んでも正気を保つ。ビール十杯、ワインを三杯、焼酎を四杯とちゃんぽんしても悪酔いせず、二日酔いというものを未だしたことがない。ゲロを吐いたことすらなかった。

ただ、めちゃくちゃに寝た。すごく寝た。寝過ぎて一度、10人くらいの飲み会で完全に就寝し、何をしても一切起きない俺を置いて、残りの9人はカラオケに行ってしまったこともある。誰もお金を置いて行かなかったので、俺は閉店間際に店員に起こされ、2万円近くの請求をされた。寝ている俺を放置し、会計せずに出て行く9人を見て店員は何も思わなかったのかとか、金を置いて行かずに俺に会計を投げる奴ら全員阿呆だろとか無茶苦茶言いたいことがあったが、とにかく俺は2万円をクレカで支払った。今からカラオケに来いよと言われたが全くそんな気になれなかった。もう4年くらい前のことになるが、未だ鮮明に覚えている(そんな奴らとの交友関係が、結局いまも続いて高級パスタの一件に繋がる訳だが……)。

 

で、その反省もあって、「自分は酒を飲むとマジで寝る」を格言として生きているわけだが、それはそれとして酒があれば馬鹿みたいに飲むし、馬鹿みたいに寝る生活を続けている。

たいして味が分からない癖に、うまいうまいとがぶ飲みする。知らない酒を見ると絶対に頼むし、へー面白い酒だなと言ってがぶがぶ飲んで寝る。そして起きたときには、昨日飲んだ酒の名前を忘れている。

酒の名は。

いや、でもそれってちょっと勿体ないよなと思い始めたのが最近のことで、そういえば自分はブログをやっていたのだと思い出した。

そうだ、飲んだ酒をブログにしよう。

そうすれば、「あっ!これ進研ゼミで飲んだ気がする」というように酒の記憶もグッと保たれるだろうし、また飲みたいときに気軽に銘柄にアクセスできる。

鳥頭の自分には、とにかく外部の記録が必要なのだ。

というわけで、このブログはお酒についても書くことにしました。多分更新は気まぐれだけど。

 

 

記念すべき第1回はこのお酒。

 

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たいへいざん そうげつ

純米酒 太平山艸月(そうげつ)

秋田県内限定。この前秋田に一人旅をしてきた友人からもらったお酒。

精米歩合6割、度数は15度。秋田酒こまちという米を使っているらしい。山田錦になれた自分からしたら結構新鮮。

自分はマジで味覚がクソなので、日本酒の繊細な味を文章に出来るのか分からないが、とりあえず書いてみる。変なこと書いてたらごめんね。

まず、非常に口当たりが柔らかく、その印象が最後まで変わらない。吟醸系などはクッと香りが広がる印象があるのだが、それがない。だから吟醸を飲み慣れている人からすれば、一瞬水かと紛うと思う。けれどもそれを否定するかのように、いったん舌に乗せてから、舌の奥で酸味を感じる。鼻には届かず、あくまで口のなかでだけ、微かに尖りつつもふんわりとした清涼感が広がる。それが数秒くらい続き、徐々に酸味が消えていく。後味の感覚としては最初の酸味を1として、 1, 1, 1, 0.8, 0.3, あとは0.1がずっと続く。この香りが気持ちいい。

試しに熱燗にしてみたが、一気に酸味が強まり、アルコール臭さを感じるようになってしまった。大人しかった印象が一変し、口当たりがかなりキツくなる。これは絶対にオススメしない。しっかりと冷やして飲むのが一番美味しい飲み方だと思う。

 

総括として、非常に温和で物静かなお酒という印象。

「う~ん、これは☆いくつ!」とか言いたいのだけれど、そこまで偉そうに酒を評価できる味覚ではないため割愛します。

自分が秋田に勝手に抱いている、静かな印象が増しました。

 

 

酒の思い出について序盤に書いたけど、思い返せば自分は酒を飲んで様々なことをやらかしてきた。でもまあ、それはみんな同じでしょう。

次回更新がいつかは知らんが(こうシリーズ化を宣言すると、常に俺はエタるんだ)、気が向いたら書きます。多分。いつか。またきっと。