別に本編と分けなくてもよくねえかと今更思ったんだけれど、酒は酒でなんとなく分けてみたい。居酒屋への入店はそれだけでコンテンツなのだ。
というわけで兼六園から徒歩で15分くらいかけて着いたのが、この「おでん居酒屋 三幸」である。かなりの有名店で、金沢と言えばここと「赤玉」が挙がるらしい。少し調べてみるとめちゃ並ぶらしく、警戒した自分は開店30分前に到着した。それでも、まぁいますよ人間。
だいたい8人くらいは前に並んでいて、結果として自分は予約していた客が来るまで、つまり1時間20分制限付きでの入店を許された。人気がヤバすぎる。実際に自分が入ってから数分もせずに、何人もの人が「入れますか!?」「ごめんね、もういっぱいだよ〜」と追い返されていた。
どうやらこの店は予約していくのが確実のようだ。しかしながら、予約可能人数は3人組かららしく、1人や2人では予約ができないのだと言う。なんと殺生な……。
次に来る時には友人を作らなければならないが、それはそれとして今回は入れたのだからヨシとせねばならない。
早速お酒を注文。
加賀鳶、地元の極冷?大吟醸らしい。600円くらいだったかな?
というか、金沢ってこんな容器に入れてお酒を出してくれるんですね。かなり入っているように見えるし、実際にいくら飲んでも減らないのでビックリした。無限酒だ。
注文したつまみはこれ。
牛すじ煮込み 600円?
これ、めっちゃくちゃに美味しかった!
牛すじがトロットロでやわらかい。これが1番大事だと思うんだけれど、味付けの醤油はくどくなく余分な脂も全然ないのだ。まさに理想の牛すじ煮込みである。牛すじ特有の牛の繊維とまろやかな脂が合わさって最高。牛の旨味と感触が非常にうまく喚起されている逸品。
続いてこれ、金沢おでん。これを食いにきたんだよね。大根とちくわ、シューマイを注文。
これは美味しい、けれど味が静かとでも言おうか、落ち着いた真面目なおでんという印象のせいで格別好きというわけでもない。金沢おでん自体がそういう感じなんだろうな。自分は味覚が死んでいて味が濃い方が好きなので、丁寧に出汁をとって透き通るような汁で似ているおでんが好きな人にはドンピシャだと思う。
次は串物で、シロと牛バラ。
シロはいつも食べる店より美味しいかもくらい。これに関しては圧倒的に宇ち多゛が強いな〜。もっかい行きてえ。
これが牛バラなんだけど、これマジで牛バラの最高峰です。舌で肉の表面に触れるだけで、細かな旨み脂がすくいとられて目を見開く。その軟らかさに、噛めば噛むほど笑顔になってしまう。めっちゃいいですよ、これ。大好きになった。
極め付けはこれです。三幸名物のとろろ焼き。
これね……めっっっっちゃ美味しいんです!!!絶対にみんなに食べて欲しい味!とろろが粉物と合うことは知っていたけれど、とろろを多くすることで主軸がとろりとした生地になって、そこにエビとかタコが隠れていて、口の中でめちゃくちゃ嬉しい邂逅を果たすことになる。しかもこれ、【和風×チーズ】のハーフアンドハーフなんだけれど、和風はわさびソースが香り高くてすごく合うし、チーズは粉物にもう合わないわけがないんだわ。伸びる伸びる。すんごい美味しい!
これ食うためだけに行ってもいいレベルですよ、金沢。本当にうまいので。
確かこれ全部合わせて3000円くらいだったかな。旨さを考えると安すぎますね。最高の時間を過ごせました。
いやあ、満足満足。で、新幹線の乗車時間までは残り2時間と……。
なるほど。
よ〜し、2軒目行くかあ!
というわけで来たのが赤玉本店。
アッ!桃鉄マークがある!
なるほど、ここがモデルになっているのか。すげ~。
頼んだのは……何だったか忘れた。特筆すべき点はなし。
三幸でそこまでだった金沢おでんのリベンジ。
車麩とかにしんじょうと、丸いかまぼこ(名前忘れた)
こちらのほうが出汁は美味いです。というより自分好みの濃さをしている。ただ、だからと言って格別に美味いかというとそこまでかな……。暖かいおでんは確実に美味しいのは事実としてあって、そのカテゴリ内に収まっている味ではある。
ただ、車麩の「軸(?)」だけ硬い感触は新鮮で面白かった。これは美味しい。
追加で注文した「たこ」と「肉いなり」。たこは微妙な硬さで悲しかったが、肉いなりはジューシーでかなり良かった。美味しいですねこれ。
以上。総合的には、是非とも「三幸」に行って欲しいものです。絶対にうまい。自分も21世紀美術館の企画展に合わせて、時間見つけてまた行きます。一緒に行ってくれる三人見つけないとな~。