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ウッディ・アレン『ブルージャスミン』観た!

ウッディ・アレンブルージャスミン』(2014)

ウディ・アレン 「ブルージャスミン」 | Mikiki

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00OC497T0/ref=atv_dp_share_cu_r

【総合評価】 7点(総合12点:全体10点+百合2点)

【作品の立ち位置】

ガチで大事にしたい作品(9<x)

積極的推し作品(8<x≦9)

オススメの手札に入る作品(7<x≦8)

まずまずな作品(6<x≦7)

自分からは話をしない作品(x≦6)

 

【世界構築】1点 (2点)

特筆すべき点はない。


【可読性】1点 (1点)

観ていて飽きなかった。回想と現在の境目が不明瞭でややこしかったが、許容範囲内。


【構成】1.5点 (2点)

現在と回想を交互に挿入するなどの工夫があるが、先述の通りもうちょっとクッキリした境界線が欲しかった。とはいえ、今と過去の対比という面ではこのシナリオは効果的に働いているように思う。


【台詞】1.5点 (2点)

最近の映画のなかでも、台詞が特徴的なキャラ(ジャスミン)を観ることができると本で紹介されていたので閲覧した。確かに嘘の付き方がえげつなく、観る者をハラハラさせるのだけれど、このような嘘は『パラサイト 半地下の家族』で経験済みなので免疫があった。もしパラサイトを観ていなかったらヤバかったかもしれない。嘘のエグさはパラサイトの方が上ではあるものの、嘘の身近さや現実感のある人間の醜さによる魅力は本作のほうが優れているような気がする。

 

【主題】1点 (2点)

嘘が招く破滅には興味があるが、上流階級に魅入られた人間の振るまいなどは想像通りであり、特に作品で描かれても目新しさがない。とはいえ、目の前にあるもので満足をしなければならないというメッセージはなかなか強烈なものがあり、そういう意味では自分にとっても耳が痛い作品だった。自分は消極的なジャスミン派です。


【キャラ】1点 (1点)

何としてでも上流階級に復活しようとするジャスミンの精神の疲労っぷりは最高だったし、過去と今でジャスミンの周囲に集まる人々の民度が見事に異なるのがかなり面白い。民度が低くデリカシーのない地元人間の描き方もかなり巧く、楽しかった。


加点要素【百合】0点 (2点)

該当描写無し。


【総括】

悪くない作品ではあるが、特に他人に勧めるような作品ではない気がする。「嘘による破滅が観たい」という人にはパラサイトをお勧めするし、「それも観たけどもっと観たい!」ということであればオススメできるかもしれない。破滅の仕方もマイルドだし、どちらかと言えばジャスミンの愚かさにカメラが向けられているので、「現状に満足できなくて、どうしても夢を追いかけたいんです」という人を思いとどまらせる(その必要性があるのかはともかく)ためには効果的かもしれない。逆自己啓発