新薬史観

地雷カプお断り

ジュリア・デュクルノー『TITANE/チタン』観た!

ジュリア・デュクルノー『TITANE/チタン』(2021)

TITANE/チタン - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画

映画『TITANE チタン』公式サイト

【総合評価】9.5点(総合12点:全体10点+百合2点)

【作品の立ち位置】

ガチで大事にしたい作品(9<x)

積極的推し作品(8<x≦9)

オススメの手札に入る作品(7<x≦8)

まずまずな作品(6<x≦7)

自分からは話をしない作品(x≦6)


【世界構築】3点 (2点)

これについては簡単にストーリーを書いた方が早いと思うので、ネタバレ満載のあらすじを書きます。絶対にあらすじも読みたくないという人は注意してください。自分は大まかな物語を知ったうえで観ましたが十分に楽しめました。なぜなら私は話のあらすじを理解できなかったので。

<あらすじ>

幼い頃の交通事故によって頭にチタンプレートを埋め込まれた少女アレクシアは、手術以来車に対して性的に興奮するようになる。その後、成長してモーターショーでダンサーとして働くようになったアレクシアは、自分に寄ってくる人間を殺し続けたり、車と激しくセックスをしたりする。ある日、ひょんなことからアレクシアは車との子どもを妊娠するが、一方で殺人時に獲物を取り逃がし、連続殺人の犯人として指名手配されるようになる。アレクシアは自分の髪型や体形、顔つきを変化させることで、昔行方不明になった少年に成り代わり、少年の親である消防士ヴァンサンのもとを尋ねて無事に保護される。それから妊婦のアレクシアは男装をしたりひげを生やしたりして、消防士見習いとしてヴァンサンと親子関係を結ぼうとする話です。

あらすじはともかく、カメラの動き方や映像としての強さは最高で誰でも興奮できるので、映画好きなら観て損はないです。グロいけど。

 

【可読性】0.5点 (1点)

身体破壊による映像から伝播する痛みがかなり強く、何度か途中退場か目を瞑ろうかと考えてしまった。まあ、それより映画の面白さが勝ったので仕方なく観ましたが、途中で帰る人がいてもおかしくないとは思う。グロいの苦手なので。


【構成】2点 (2点)

完璧な気がする。エンタメとして模範的ではないだろうか。殺人、妊娠、成りすましというアレクシアを取り巻く3要素は常に物語に緊張をもたらし、ラストでしっかりと決着が付く。どんどん醜くなるアレクシアの身体も、キモい赤ちゃんの余韻も、ふたりが行き着いた関係性も全てが素晴らしい。

 

【台詞】1点 (2点)

そこまで響いた台詞はない。ラストのヴァンサンの台詞くらい?

 

【主題】2点 (2点)

観た人なら殆ど分かると思うが、やっていることは神話(っぽいこと)の再生産である。TITANEはタイタンとも読む点であからさまだし、ヴァンサンは自身を神と、アレクシアをイエス・キリストと呼ぶように強制するし、最後の出産は神々しく感じさせるように作り込んでいるし、明らかに神話との親和性を高めている。ポスターに書かれている「壊して、産まれる。」というフレーズは処刑されたキリストの復活を連想させるし……まあ、そういうことなのだろう。この辺りはねちねち書いていても面白くない。とはいえ、本作は完全に聖書と対応しているわけではない。個人的にここが気になるポイントだ。キリストは処女のマリアから生まれるが、本作におけるキリストであるアレクシアは、(車と性交した)処女として子を授かって産むマリアの役割を果たす。さて、果たしてアレクシアはキリストなのかマリアなのかハッキリしてほしいが、最後に生まれた赤ちゃんを「復活」したアレクシア自身だと考えると、あの出産によってキリストが再生産(あるいはマリアからキリストに転換)されたのだと考えることができ、ヴァンサン(神)とアレクシア(マリア→キリスト)は、真の意味で親子になったのだと考えられる。アレクシアはキリストに成りすましたマリアだったのだ。もちろん、その成りすまし(嘘)は共に過ごした時間(既成事実?)によって真実となる。その大筋にぶら下がる形で、先天的な肉体・血縁関係・性的嗜好を乗り越えた家族愛のかたちが表現されているように思った。自分は既成事実というフレーズが好きです。楽しい主題だと思います。

 

【キャラ】0.5点 (1点) 

ヴァンサン、アレクシアともに魅力的である一方、アレクシアの殺人衝動を押さえる理性については理解しがたいし、車への性的嗜好やダンス後の人間への対応でも表現されている①アレクシアの人間への興味の無さと、自傷を容易にする②自身の身体に対しての興味の無さと、③守りたい者も(信頼できる)保護者もいない現状という上記3点からは、警察から逃れようとするアレクシアの意識が説明できないように感じた。何故アレクシアは警察から逃れたのか?おそらく大量殺人による死刑を免れ、自分の自由を確保しておきたいためだとは思うが、そこまでしてなぜ彼女は生きようと思っていたのかがうまく掴めなかった。確かに、誰でも死ぬのは怖いだろう。ただ、他人を殺すことにまったく躊躇が無い彼女にとって、自分の死も恐怖の対象になり得るのだろうか。アレクシアの持つ「死」のイメージが、自分のなかでうまく消化できなかった。もっとも、他者を完全に理解することなんて不可能なのでこれで良いのだけれど、行動原理だけは把握しておきたかった。自分の理解力がなさ過ぎるだけ説はあります。

 

加点要素

【百合/関係性】0.5点 (2点)

僅かに女性間での性交シーンがあるが、自分が百合を主張したいのはその部分ではない(あれはレズビアンによる性交であり、物語性はない。異性間における性交のように通常の営みである)。自分が心を引かれたのは、父親ヴァンサンとアレクシアが到達する関係性である。虚構により成立した関係だが、その既成事実が二人にとっての思い出となり真実にすらなる様は非常に百合的であると感じられた。そろそろお気づきの方もいるかもしれないが、もうこの百合カテゴリでの加点方法は無茶苦茶なので、これからは「百合/関係性」という表現に変更しようと思います。もちろん優位性を持つのは百合だけれど、女性同士でない関係性についても受け皿が欲しかったし、そもそも百合という関係性を女性同士に限定している必然性も、自分自身よく分かっていないので。

まあでも今回の関係性の良さも、幼なじみの美少女がいちゃついているシーンと比べれば全然格が違いますけれどね。

 

【総括】

面白かったのでオススメです。少なくとも、一度観たら忘れられない映画になると思います。個人的には対物性愛の取り扱いがちょっと気になってしまって、まあ車とセックスをしてもいいのだけれど、(今はまだ)男性性の象徴とされる車と女性をセックスさせてもあんまり面白くなくね?感はありました。車である必然性はないように思えたし(車とのセックスの映像は最高でしたが)、ビルとか自転車の方が個人的には好みです。

一方で、放火するアレクシアと消防士のヴァンサンとの関係性は、ヴァンサンの方が支配的になる(親になる暗示)という意味で良い配置だな~と思いました。とにもかくにも、自分はこの映画の世界観と設定、構成・脚本に惚れ込んだので、しっかりと真似していきたい次第です。あと、ジュリア・デュクルノーの『RAW~少女のめざめ~』も観たいな~と思いました。何処かで観れるのかな。

デヴィッド・フィンチャー『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』観た!

デヴィッド・フィンチャーベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00GJGAVMG/ref=atv_dp_share_cu_r

【総合評価】8点(総合12点:全体10点+百合2点)

【作品の立ち位置】

ガチで大事にしたい作品(9<x)

積極的推し作品(8<x≦9)

オススメの手札に入る作品(7<x≦8)

まずまずな作品(6<x≦7)

自分からは話をしない作品(x≦6)


【世界構築】2点 (2点)

老人として産まれて赤ちゃんとして死ぬ、というのは普通に文句なしの勝ち設定だと思う。年齢毎に違和感のない映像作りもできていて呑めり込んだし、映画として画面が見やすい。

 

【可読性】1点 (1点)

不快に思う点はなく、最後までストレスフリーに観ることができる。


【構成】1.5点 (2点)

ベンジャミン・バトンが存在する時点でこの物語の大まかなプロットは決まると思うので、正直もうちょっと捻りが欲しかった感はある*1。ただ、死ぬ間際の老婆に対して娘が物語を語るという構図はかなり良いし(赤ちゃんへの読み聞かせと同関係)、サブプロットも面白くはあった。ここからは難癖かもしれないが、最後に時計に触れるのであれば、時計という存在についてもう少し掘り下げがあれば良かったのになあとは思った。やりすぎかもしれないが、トマス・バートンの職業を時計職人にするなど。

 

【台詞】1.5点 (2点)

素晴らしいとおもった台詞がややあった。

第一次世界大戦も終わり、生まれるには最高の日だった

人は機会に左右される、それが失われた機会でも

人生は複雑とは限らない。求めるものを知っていれば。

このあたり好きですね。あとは

ニキビ顔でおねしょしても僕を愛せる?

これはベンジャミン・バトンでしか言い得ない台詞だなと思う。良かった。

 

【主題】1点 (2点)

この作品の主題は、ポスターにもあるし最後にも語られる「(人間は誰もが死ぬし)どんな人間の人生も素晴らしい」というものであり、そこまで乗り切れるものではなかった。とはいえ、ベンジャミン・バトンを扱う以上、作品のテーマがここから逸れてはならないとも思う。

 

【キャラ】1点 (1点) 

ベンジャミンやデイジーともに魅力的であると思う。サブプロットで描かれるキャラのストーリーは、まあまあ魅力的だった。

 

加点要素

【百合】0点 (2点)

該当描写無し

 

【総括】

ずっと観たかったので観ることができて良かったです。この作品でしか得られない体験があるなと思っていて、そういう意味ではかなり独自の立ち位置を築いているように思う。映像としての快感もあり、最後に時計の足元に水が入り込んでくるシーンは、あの映像の美しさに説得力を持たせるために頭からずっと台風の話をしていたのだと思うとかなり興奮しました。他に特に台風要素が効いてくる場面ないですからね。

クソリプをすると、デイジーがタクシーと事故に遭うときにifの映像が流れて事故現場を映さないという演出に死ぬほど震えて(大抵は後悔を埋め合わせるかたちで現実→空想の順で並び、空想のみが映されることは極めて稀だと思っていたため)、「デヴィッド・フィンチャー、お前は天才だよっっ!!!」と叫んでボロボロ泣いていたのですが、そのあとに普通に現実の事故の映像を流しやがったのでかなり苛つきました。俺の感動を返してほしい。

まあでも結論としてはオススメの映画です。超有名なのでみんな既に観てそうだけど。

*1:でも、捻りがなくても十分に面白いんですよね。勝ち設定なので

中国地方旅行6日目(鳥取→たつの→姫路→神戸→京橋)

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中国地方旅行最終日となる6日目、鳥取→たつの→姫路→神戸→京橋のコースです。

 

これまでの旅行の記事はこちら。

中国地方旅行1日目(京橋→広島) - 新薬史観

中国地方旅行2日目(広島→宇部新川→下関→福岡→下関) - 新薬史観

中国地方旅行3日目(下関→秋芳洞→角島→須佐) - 新薬史観

中国地方旅行4日目(須佐→仁摩→石見銀山→出雲→松江) - 新薬史観

中国地方旅行5日目(松江→地蔵崎→倉吉→鳥取) - 新薬史観

 

今回は6日目の記録用メモです。

 

旅行6日目ともなると流石に皆にも疲れが見え(前日の宿が酷かったこともある)、予定通り早々に新大阪まで帰ることになりました。ひとつ、帰り道で見かけた揖保乃糸の体験型施設が面白そうだったので立ち寄ることに。

 

①そうめんの里(兵庫県たつの市

揖保川を渡ってすぐのところにあった施設。

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そうめんの里!ストレートなネーミングセンスがいいですね。
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なかでは、麺類の製作風景を見ることができて良かったです。機械がすごくはやく動く。
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入り口にあったそうめんすだれが綺麗。

他にも売店が充実しており、揖保乃糸のパスタや中華そばなど、面白いものを購入しました。

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外には食事スペースもありました。せっかくなので利用することに。かなり早めに着いて予約をしてみたのですが、開店前になるとすごい人の数に圧倒されました。人気なんですね、ここ。スムーズに案内されて良かったです。

そうめん4人前を注文。デカすぎる。
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テーブルの真ん中にあるプールのようなところにそうめんを流せば、簡易的な流しそうめんが味わえるということらしいです。
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こんな感じ。

自分の記憶では流しそうめんってあまりしたことがなかったので、楽しめてよかったです。ただ、当たり前ではあるのですが、水に流して「動」の状態にしたそうめんと、普段食べている「静」のそうめんとでは味に変化があるわけもなく、一同揃って「普通にそうめんだな……」と呟いて以後黙々と食べることになり、会話が盛り上がることはありませんでした。私は流しそうめんに過度な期待をしすぎていたのでしょうか?流しそうめんの立場になって考えてみると、たしかに過度な期待をしすぎていたのかもしれません。でも見ていて楽しかったので良かったです。

 

②姫路城(兵庫県姫路市

せっかくなので、通りがけに姿だけでも拝むことに。
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時間に余裕はあったので駐車スペースがあれば近くまで行こうと思ったのですが、駐車場はどこも満車なうえ、観光客が想像の10倍以上詰めかけていて、コロナのコの字もなかったので諦めました。そんなに集客力のある施設か!?と思いましたが、実際に眺めてみると綺麗で唸ってしまいます。流石に白鷺城と呼ばれるだけのことはありますね。あと、姫路城が世界遺産に登録されていると知らなかったので、それを知れたのもよかったです。

 

③ナワジョティ(兵庫県・神戸市)

かつて(今も?)Twitterでめちゃくちゃ人気だった、絵文字満載ツイートをしているお店。友人が唐突にその名前を出したことにより、数年ぶりに存在を思い出しました。実は神戸にお店があるということで、早速訪問。
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「店員がインド人だ」はインドカレー屋あるあるのなかでもトップレベルの実証性を誇っていますが、初手の挨拶で「ナマステ〜」は初めて食らいました。うまく返事が出来ず、悔しかったです。強欲なので、一番高いランチセットを注文しました。
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ボリューム、すごっ!

デブオタクが大好きなチーズナンを食べました。チーズがトロットロで甘くて脳までとろけそうでしたが、ここまで甘いと辛めのチキンカレーとは相性が悪く、「チーズナンは単品で食うべきものだな……」という友人の言に同意しました。みなさんも度が過ぎたチーズナンには気をつけましょう。相性問題はさておき、ぜんぶ美味しかったのでよかったです。

その後、駐車場混雑しすぎ問題を乗り越え、新大阪に無事に到着。そのまま三重方面に行く友人とは別れ、東京行きの新幹線を待つ友人と、時間を潰すことになりました。

「さて、じゃあ何処に行こうか?」

 

④ねこ劇場たちのみねこ(大阪・京橋)

友人と戻ってきたのは大阪の京橋でした。

そう、この中国地方旅行が始まる前に、別の友人と一緒に酒を飲んだ地です。

中国地方旅行1日目(京橋→広島) - 新薬史観

自分は現実を虚構と同じような構成にしたい欲求があるので、旅の始まりと終わりを京橋という土地で一致させることに強い快感を覚えました。

たちのみねこはせんべろの店として有名らしく、旅行の前に友人に紹介されたものの、満席だったので(立ち飲みなので満員か?)入れませんでした。今回はギリギリ入店できてよかったです。

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とりあえず乾杯。

このお店の特徴は、店内にやたらと貼られた猫のシールと、とにかく安い価格設定にあります。ドリンクはほとんど200〜300円ですし、フードは100〜200円のものが殆ど。嬉しいですね。
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気になっていた天使のハイボールも注文しました。これ何を割っているんだっけ?どこかで見たことがあるんだけど思い出せないな……と思っていたら、張り紙で「銀座のすずめ白麹」を割ったやつだとネタバレされていて良かったです。それはそれとしてどこで飲んだのかを思い出せないのですが。

また、もうひとつ目立っていた、白雪大吟醸ハイボールがとても美味しかったのでオススメです。吟醸の香りをハイボールで楽しめるのって嬉しいですよね~ウイスキーの香りもいいんですけれど。

 

⑤立ち飲みいなせや(大阪・京橋)

続いて入ったのが、このお店。

最近できたばかりらしく、ネオンライトや店内の装飾がオシャレで、若者を中心にかなり賑わっていました。それほど待たずに入店。
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サラリーマン風の侍がコンセプトっぽいですね。それはそうとして、店外にあるこのメニューはどうやらブラウン管で表示されているらしく、カメラのシャッタースピードに走査線がついてこれずに黒い線がめちゃくちゃ入って撮影に苦労しました。斜めから撮影すれば線が入らずに撮れることが分かって良かったです。

まぁ、これを撮って何かをしたい訳ではないですが、猫がもたらすおみやげのように私の戦利品も受け取ってください。
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とりあえず乾杯。生ビールは280円と破格。
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このアンチョビポテトは180円
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こちらのあさりの酒蒸しは380円
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そして、この鯛の荒炊きは330円!

やっす!!!

この価格だけでも嬉しいのに、料理の見た目も丁寧だし、提供は早いし、味も美味しいしで文句の付け所がありません。カコイチコスパ最強のお店でした。ここ本当にいいので、全人類にオススメします。本拠地は京都らしいので、京都でも立ち寄ってみたいですね。

 

このお店で完全に満足した自分と友人は、新幹線の時間的にもいい頃合いなので、京橋駅で別れることになりました。これで私の旅行はおしまいです。よく「お家に帰るまでが遠足です」と言いますが、あの言説は気の緩みによる事故防止を啓発するためのものでしかなく、個人的には妥当性に欠ける言説であると思っています。旅行にしても遠足にしても、一緒に同じ時間を過ごした人間と別れてひとりになり、非日常による高揚感が薄れゆき、微かな孤独を覚え始めた時こそが「旅の終わり」ではないでしょうか。

そういう意味でも、私の旅行は久しぶりに会った最後の友人と別れ、ひとり違うホームに向かうその瞬間に終わりました。さようなら。そしてありがとう。

 

全日程の所感

かなり楽しかったです。久しぶりに会う友人は、服装や髪型が変わっていても、中身は全然変わっていないな〜と感じることができたのが大きな収穫でした。旅行で回ったところとしては、ひとりでは行きづらい秋芳洞角島大橋石見銀山あたりに行けたのがよかったです。これでまたひとつ、明日死んでもいいかもなゲージが貯まりました*1。あと、あれだけバカ食いしても体重が全然増えてなかったのも嬉しかったです。旅行中もひたすら特茶を飲んだり、こっそりスクワットや腕立て伏せをしていた甲斐がありましたね。

さて、私を含め、友人はみな自由な時間を作りにくい社会人になってしまいましたが*2、またこうやって旅行できればいいなと思いました。地元に友達がいないので最近はずっとひとりで行動していたのですが、複数人による旅行の楽しさを思い出してしまったので、人間の存在って大事だなと思います。今回の記事を書きながら、ネットの人間とも旅行に行ったら楽しいかもなと思ったりしています*3。個人的にモチベが高いのは、文章を書くオタク複数人で温泉宿に2泊くらいして、小説家になりきって特定のテーマのもとで1万字程度の原稿を仕上げるというイベントです。はやく仕事を終わらせた小説家から自由に観光ができ、最後の夜に完成作の読み合わせをする……という筋書きでやりたいなぁと。もしそれなりの人数が集まるなら、完成作を編集して「○○(任意のカプ/あるいは一次創作)温泉旅行合同本」として同人イベントで頒布するのも面白いかもしれませんね。構想から5年くらい経っているので、そろそろ動き出してもいいのかな~とは思います。やりたい人がいたらTwitterのDMにでも連絡ください。

*1:自分は常日頃から明日死ぬかもしれないと思いながら過ごしているので、自分の手持ちの時間には敏感ですし、忘却を恐れて自己の精神や時間をブログに記録したがる側面があります。おそらく私はこの先も、死んだ時によぎる「後悔」という名のド級のダメージを減らすことだけに時間と費用を費やしていくつもりなのですが、これが自分にとって本当に「良い」方向なのかは分かりません

*2:尤も自分以外の友人は福利厚生のちゃんとした企業に就職しているので、休みを取ることにはそれほど苦労しなさそうですが

*3:ただ、これは他者の現実の振る舞いを見て双方ともに幻滅してしまう危険性も孕んでいるので、慎重気味ではあります

中国地方旅行5日目(松江→地蔵崎→倉吉→鳥取)

 

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中国地方旅行5日目、松江→地蔵崎→倉吉→鳥取のコースです。

 

これまでの旅行の記事はこちら。

中国地方旅行1日目(京橋→広島) - 新薬史観

中国地方旅行2日目(広島→宇部新川→下関→福岡→下関) - 新薬史観

中国地方旅行3日目(下関→秋芳洞→角島→須佐) - 新薬史観

中国地方旅行4日目(須佐→仁摩→石見銀山→出雲→松江) - 新薬史観

 

今回は5日目の記録用メモです。

 

①地蔵崎(島根県・松江)

友人に半島の先端まで行きたい症候群患者がいるので、島根県の先っぽの地蔵崎に向かうことになりました。ただ、メインドライバーが首を痛めたので、自分を含めたペーパードライバーが数人で交代して運転をすることに。

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道中の道が狭く、かなり運転しづらそうではありましたが無事に到着。運転の前にサイドブレーキを解除しましょう、バックするときはシフトレバーをRにしましょう、などというおさらいから始まったので一時はどうなることかと思いましたが、怪我や事故もなく到着できてよかったです。
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かなり景色がきれいです。
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美保関灯台。白くてかっこいい。
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高浜虚子与謝野晶子与謝野鉄幹も美保関について言葉を残していて、そういうのに触れるとちょっと感慨深くなりますね。

ちなみに、この辺りで海の八甲田山と呼ばれる日本海軍の多重衝突事故が起こり、演習にも関わらず駆逐艦「蕨」が沈没し、駆逐艦「葦」も大破して119名が死亡したらしいです。日本海軍はその事故を隠蔽していて……という内容の説明板が設置されていたので、気になる方は調べてみては如何でしょうか。

 

②こめ蔵(鳥取県・米子)

気になっていたお店が軒並み休業しており、全員疲弊しながらなんとか入店。究極の丼を謳っていたので割と期待していたのですが、ひと口食べてウーンという感じ。悪くはないのですが、味がかなり濃くてしょっぱかったです。

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頼んだ味噌カツ丼

 

二十世紀梨記念館(鳥取県・倉吉)

鳥取砂丘に向かう途中で、看板を発見したので寄り道をすることに。名前が面白いですからね。
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そして到着して驚く、その規模の大きさ!

もっとも、これは鳥取県立倉吉未来中心という建物であり、その一部が記念館になっているようでした。
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中国、韓国、日本の梨一覧。こんなに梨が並んでいる光景を見るのは初めてかもしれない。
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入館すると、もれなく梨の食べ比べもついて来ます。入館料がたった300円であることを考えると、これだけで元は取れるかも。

食べ比べできたのは、「愛宕」「新雪」「王秋」の3種類。日本酒飲み比べと違って、ぜんぶちゃんと味が違うのがわかってよかったです。個人的には王秋が一番美味しくて好き。

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面白かったのが、これらの品種のほとんどの元に二十世紀梨があるということです。競馬で言うところのディープ産馬的な立ち位置なのかと考えると、ちょっと面白いですよね。
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あとこの辺りのパネルは非常に勉強になりました。梨には他の果実と違って、お菓子などによく採用されているソルビトールという成分が含まれているので、ひんやり美味しく感じるらしいです。また、梨は冷やすことで果糖がα型からβ型になり、3倍近く甘くなるとのこと。おもしれ〜。f:id:negishiso:20220504113042j:image

他にもひなビタとコラボしたお団子があったので買ってみたり*1
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二十世紀梨99.9%の梨ジュースもあったので、試しに飲んでみました。想像以上に梨でビビりました。

 

鳥取砂丘鳥取県鳥取市

ラストは本日のメインの砂丘へ。
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日没より1時間早く来てしまいました。本当はもっとゆっくりして日没までだらだらしても良かったのですが、飲食店の予約を取っていたため、日の入りを見ることは出来ず……。
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とりあえず一番高いところまで行こうと砂丘に足を踏み入れたのですが、想像の10倍くらい観光客がいてビビりました。駐車場も満杯でしたし、集客力すごいですね。

ていうか砂が多すぎる。

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パノラマで撮影しましたが、マジで一面砂景色。かっちょいい。ラクダとかいてほしいですね。

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ようやく馬の背と呼ばれる、周囲を見回せる地点に到着。けっこう苦労しましたが、その分景色はとても良いです。個人的にはこれくらいの時間帯が一番綺麗だと思います。
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馬の背から降りるついでに、自然発生したというオアシスにも立ち寄ってみました。
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面白いかたちの草が生えている。

砂丘に移入する植物 : 鳥取砂丘未来会議

詳しそうなサイトをさらっと見たのですが、種類がよく分からないですね。なんなんだろう。

鳥取砂丘「緑化」に悩む コロナ禍 除草ボランティア半減 | 山陰中央新報デジタル
また、この砂丘の雑草は毎年ボランティアによって駆除され、景観を守られているという事実が面白かったです。果たして大人数でわざわざ自然の動きに逆らうことが自然環境に対して良いことなのかは分かりませんが、それはそれとしてこの砂丘を見ると感動はするので、誰かがやるべき仕事なのかもしれません。個人的には砂丘が草で埋もれていく様子を眺めるのも楽しそうなので、放置してほしさがありますが……。

 

⑤酒処わさび(鳥取県鳥取

前日、島根でどこにも入れない問題を解決すべく予約して行ったお店。なかなか駐車場が見つからず、先に店内に入った自分と駐車場を探す友人と、連れを待ち続ける店員とでプレッシャーの掛け合いが始まり、なかなかキツイバトルになりました。結局は十数分後になんとか合流できたのでギリギリセーフでしたね*2

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鳥取名物の豆腐ちくわは絶対に食べたかったので注文。豆腐をちくわにした感じでした。それはそう。お前は豆腐ちくわに何を期待していた?f:id:negishiso:20220504113144j:image

続いて、お店オススメの「ブリのレバ刺し風」。これ、ごま油と塩を混ぜたやつと絡めて食べるんですけれど、ドチャクソに美味しくてビビりました。ごま油と塩を混ぜたやつだけでも美味いので、ブリが美味いのかどうかは審議の対象ではありますが、しっかりと美味しかったので安心してください。鳥取のブリは旨いです。

他にもブリしゃぶとか、めちゃくちゃ辛いわさび菜を食べました。美味しかったです。

お酒は地酒の鷹勇 純米吟醸強力や、諏訪泉 純米酒を注文しました。鷹勇は1合1400円とかいうバケモノみたいな値段でしたが、たしかにその価格だけ美味い……ような?諏訪泉の純米酒は、2年間熟成してから出したのでやや黄色になっていて、それだけ臭みに近いものがありました。個人的には鷹勇の方が好きかなあ。

 

⑥お好み工房 こな(鳥取県鳥取

初日に食べた粉物の美味しさを求めて入店。f:id:negishiso:20220504113012j:image

豚平焼きや、
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カレーそばめし、
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1日10食限定のおこバーグ(お好み焼き×ハンバーグ)は美味しかったのですが、
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最後に注文した広島焼が全然美味しくなくて、全員涙を流しました。店名にも「こな」って書いているのに、粉物が美味しくないの嫌すぎる。広島焼を食べるなら、やっぱり広島で食うしかないのかもしれませんね。

ここでも地酒の日置桜(鳥取)や瑞泉(鳥取)を注文しました。自分は瑞泉の方が好きですね。

 

5日目所感

急遽自分も運転することになったり、スケジュールが思うように進まずにドタバタした1日でした。というか、これまでに比べて5日目は事前にルートやスケジュールを作り込んでいなかったので、大人数で移動する際の指針が失われて良くないように思いました(たとえ途中で変更することになるとしても!)。あと、この日の宿はこれまでに泊まったことがないレベルのもので、ロッカーに物を入れるなとオーナーに言われる程度に治安は悪く、すべての寝室空間はつながっていて臭く、埃が雪のように舞っていて汚く、朝になったら教官が笛を鳴らして「起床ォーーーー!!!!」と叫びだしそうな宿だったので、もういい大人なのだし、これからは少し高くてもビジネスホテルに泊まった方がいいし、そのためにも早めに計画を立てて予約をする必要があると思いました。

あと、古い銭湯に入るときにはシャンプーとリンスとボディーソープを持参すること。これまでに何度もやらかしているのにも関わらず、ついつい忘れがちなのですが、最低でもミニタイプは持っておきたいですね。

 

*1:ひなビタは1mmも知りません

*2:店側からしたらアウトだったかもしれない

中国地方旅行4日目(須佐→仁摩→石見銀山→出雲→松江)

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中国地方旅行4日目、須佐→仁摩→石見銀山→出雲→松江のコースです。

 

これまでの旅行の記事はこちら。

中国地方旅行1日目(京橋→広島) - 新薬史観

中国地方旅行2日目(広島→宇部新川→下関→福岡→下関) - 新薬史観

中国地方旅行3日目(下関→秋芳洞→角島→須佐) - 新薬史観

 

今回は4日目の記録用メモです。

 

仁摩サンドミュージアム島根県・仁摩)

宿を出て石見銀山に向かう途中、島根オススメスポットとして上司に勧められた博物館があったので立ち寄ることに。
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めちゃ三角なピラミッドですね。

実はここに、ギネスにも登録されている世界で一番大きい砂時計があるらしいのです。なんと、1年間を測ることができるのだとか。なんじゃそりゃと言う感じですが、実際こんな感じの等身大レプリカが置いていました。デカい!
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本物は天井に飾られているのですけれど、見えづらいのでこのようなレプリカが置いているみたいです。デカさが写真だと伝わりにくいように思うので、レプリカで把握してもらえれば……。
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近くのパネルの説明にもありましたが、この砂時計を設計するためにはとてつもない資金と技術を費やす必要があったそうです。容器の製造にあたったドイツのショット社は、当初はこの壮大な計画に「日本人は何を考えているのだ。こんなもん作って何になる。気は確かか」という姿勢を見せたそうでウケました。それはそう。

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砂時計の他にも回転する砂のアートや、
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よくわからんけど綺麗なアートがあってかなり良かったです。砂が好きなら行って損はないと思います。おおよその所要時間は30分くらいでしたが、もっとたっぷり時間をとって遊びに行くのもアリかもですね。
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最後に、砂のアート作りもできるということなので、推しカプカラーのピラミッドを作りました。良いですね〜こういうの。

 

石見銀山島根県大森町

折角だし世界遺産に行こうという話になったのですが、石見銀山へのアクセスが想像以上に悪く、周遊するのに費用も時間もかなり掛かるということが判明したため、急遽短縮コースを編み出すことにしました。具体的には、石見銀山のメインとされる龍源寺間歩には行かず、大森の街並みを眺めて名物の団子を食って帰るというコースです。楽をしすぎ説はありますが、石見銀山世界遺産登録理由の要点に人々が景観を守り続けてきた事実がありますし、この街全体の空気としても石見銀山を非常に大切にしているように感じられたため、こういう歩き方も全然いいんじゃないかなと思います。

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古き良き街並み。これを守るために、自動車の侵入を制限しているらしいです。そこにつけ込んだ割高なレンタサイクルのビジネスにはちょっとウーンな感じですが、まぁそれも世界遺産の見どころのひとつということで。
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京都で見るような景観への配慮が、自動販売機にもなされていますね。

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途中、名物の団子を買えました。自分が頼んだのは期間限定の桜餅の甘みそタレ。モチモチしていて、とても甘くて美味しいのでよかったです。
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龍源寺間歩には行かず、横道にそれて清水谷製錬所跡を訪問。遺跡みたいでカッコよかったです。案内図によると、トロッコの線路跡があるとのことで、しばらくこの山道を登ってみたのですが、どこにも線路はなく、おそらく線路が通っていたのだろうという細道があるだけだったので引き返しました。

 

③松の屋(島根県・出雲)

出雲そばを絶対に食べるぞ!と意気込んでいたものの、到着がやや遅れたために出雲大社の近くの蕎麦屋は軒並み営業を終了していました。悲しい。諦めずに探してようやく見つけたのがこちらのお店。なんと自分たちの分で今日分のそばが終了したということで、めちゃくちゃギリギリでした。タイミング良く入れてよかった……。
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注文をしたのは三段そば。同じ大きさの容器が三段に積まれて提供されるのが特徴らしいです。お蕎麦の味はかなり良くて、2秒で全てを食べ尽くしてしまいました……。また機会があれば食べたいですね。

 

出雲大社島根県・出雲)
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過去に一度だけ訪れたことがある出雲大社。10年ぶりくらいの再訪です。
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縁結びの神様がいるということなので、推しカプを4組書いて結婚を祈願しました。

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けれどよくよく考えてみると、私が推しカプに求めている関係性は「結婚」ではなく、「ずっと側にいる」「恋愛感情で結ばれるのではなく、パートナーとして支え合う」というようなニュアンスが強いため、その部分をうまく言語化せずに脳死で結婚祈願をしたのは良くなかったと反省しています。まぁでも推しカプが結婚すると普通に嬉しいしな……。あながち間違いでもない。
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アラサーにもなって、いつまでも架空のキャラの関係性を祈り続けるのも良くないので、そろそろ自分の運命についても取り組んでいきたいと思います。
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「【重要】お前の人生終わりのお知らせ」みたいな結果が出たので腹が立ち、木に括り付けました。マジで許さん。

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出雲大社の近くのお店に飾られていた、良い感じの貝殻。さしみらしい。さしみは道端で常温保存していいものなのか?

 

宍道湖島根県・松江/出雲)

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松江にある宿に向かう途中で、宍道湖を通りがかりました。たまたま日没タイミングということもあり、どこの側道も車でギチギチで駐車ができず、走る車の中から眺めることしかできませんでした。なんとか走行中に撮れたのがこの一枚なんですが、偶然映り込んだチャリに乗っている人間がかなりいい感じになっていました。たいへん羨ましいのでこの写真の人物は私ということにして、知り合いや家族に紹介しようと思います。

 

⑥立ち呑み居酒屋ドラム缶(松江)

宿についてから良い感じの島根飯を食べられそうな居酒屋を探してみたのですが、ビックリするくらい混んでいました。誇張なしにこのお店以外全てが満席でした。ドラム缶居酒屋と言えば、フランチャイズ方式で全国展開している居酒屋なので、観光客が訪れるのは悪手な気もするのですが、何も飲まずにブラつく訳にも行かず、これまで入ったことがなかったこともあり、試しに入店。
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結論から言うと、お店としてはかなり良い部類に入ると思います。アルコールも薄くないし、飯は美味しい。ワンオペなので対応に色々と時間は掛かってしまいますが、これで低価格なので言うことはないです。店員さん曰く、どこの店も観光客が訪れているんですよとのこと。私たちの仲間が大量に松江を荒らしているらしい。本当に申し訳ない。島根にはあまり立ち飲みの文化がなくて困っています、ともその店員さんは言っていて、なるほど確かに立ち飲みを見かけなかったことを思い出しました。立つか座るかでも地域性って出るんですねえ。

 

⑦地産地相酒場たかの屋(松江)

続いて、無理やり当日予約を入れることに成功し、なんとか入店。

地元のものを取り扱っているお店らしく、かなりよかったです。ただ、記憶があまりない。値段はちょい高めかも。
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ご当地のおでんを頼んだり、宍道湖なのでしじみ汁を頼んだ記憶はあります。

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地酒にも、月山や七冠馬など、いろいろ手を出しました。なかでも一番美味しかったのは、李白の将進酒ですね。このお酒は結構感動できたので、かなりよかったです。

 

⑧ごっつおらーめん(松江)

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ドラム缶居酒屋の店主から、牛骨ラーメンがおすすめですよとの情報をもらっていたこともあり、こちらのお店に。流石に爆食い生活も4日目に入ると、胃が疲れてしまってそれなりにお腹がいっぱいになるのですが、久しぶりに食べるラーメンは美味しくてよかったです。でも牛骨ラーメンのスープとか全然覚えていない。何が違ったんだろう。

 

⑨途中で見かけた面白そうな店(松江)
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ここも割といきたくて、ずっと入るタイミングを伺っていたのですが、残念なことに常時満席でした。山陰餃子、何が特別なのか全然わかりませんが、実際に入店して食べるまでは知らないままで居ようと思います。

 

4日目所感

仁摩サンドミュージアムのような施設がかなり好きで、ニッチな情報を提供してくれる場っていうのは本当に貴重だなと思います。今回はそこに行けてよかった。石見銀山世界遺産という情報しかなく、具体的なイメージが思い浮かばない場所だったのですが、今回の訪問で石見銀山が地域から長年にかけて大切にされているという事実を知れて良かったです。このように「観光地における観光客を脅威として取り扱うシステム」を目の当たりにすると、自らの加害性を自覚させられるようで辛くなります。でも本当に万事に通じる(加害者にとっての)ありがたい痛みなので、これからも大切にしていきたいですね。そういう意味でも、大森の街並みは一見の価値ありだと思います。人がしっかり住んでいるので。

あと、本当に推しカプには幸せになってほしいので……出雲大社さん、マジで頼みますよ。

 

中国地方旅行3日目(下関→秋芳洞→角島→須佐)

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中国地方旅行3日目、下関→秋芳洞→角島→須佐のコースです。

 

これまでの旅行の記事はこちら。

中国地方旅行1日目(京橋→広島) - 新薬史観

中国地方旅行2日目(広島→宇部新川→下関→福岡→下関) - 新薬史観

 

今回は3日目の記録用メモです。

 

①唐戸市場(山口・下関)

ホテルを出てすぐに向かったのが、唐戸市場。ここではうまい海鮮が味わえるということなのですが……。

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マスクをしているフグが出迎えてくれる*1

会場内は海鮮のコミケみたいな感じでした。市場はどこもそんな感じですが、この日は人があまりに多すぎたこともあり、各ブースでは行列ができているところもあったりして面白かったです。
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例えばこういう感じに展示されています。結構寿司ネタ、高いですよね〜。回転寿司に慣れている自分にはつらい価格でした。最低価格1貫100円、最高600円という価格帯は、他の店舗でも統一されており、ブースごとの差別化はそこまでハッキリとなされていないイメージなので、気になったものをとっていくスタイルで十分楽しめると思います。

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で、自分が選んだのがこいつら!

アジ、大トロ、エンガワ、脳天、頬肉、カマトロなどなど。

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ネタがデカすぎる……。

感想としては、お値段分の価値は最低限保証されている印象があります。ただ、大トロ(400円)やカマトロ(500円)は人間の旨味許容量の閾値を超えているので、脳で逝くコスパを考えるなら大トロで問題ないかと。個人的にはエンガワ(200円)が最高すぎたので、流石にリピしました。

もうひとつ、友人からのタレコミで「のどぐろはヤバい。大トロより美味い」ということなので、600円というふざけた価格に本当に悩みましたが、後悔はしたくないので購入に踏み切りました。

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真ん中、トップランクの価格ののどぐろ。
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たしかに見た目は最強感が溢れていますが……肝心のお味はかなり旨い程度。大トロより旨いかと言われると首を傾げてしまいます。ただ、大トロやカマトロがほとんど魚というカテゴリを超えて、もはや牛肉に該当することを考えると、のどぐろの旨味は間違いなく魚のものであり、ほぼ完璧な「旨い魚」であるようには思いました。試してみる価値はあるとは思いますが、旨味で脳をハッキングすることを目的にするなら大トロや頬肉で十分役目を果たしてくれるかと。

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また、市場のなかでは日本唯一のふぐの自動販売機や、
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アンパンマン自動販売機があって興奮しました。特に何も買いませんでしたが……。

ちなみに、この市場では寿司や天ぷらを食いすぎて多分5000円くらい使ってしまったので、もう二度とここに来ないようにしようと思いました……。

 

海響館(山口・下関)

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個人的にめちゃ行きたかった水族館。唐戸市場の近くにあったので驚きました。時間に余裕があれば寄りたかったのですが、友人にこういうのが好きな人間がいないのと、馬鹿みたいに人が並んでいたので諦めました。また無職になった時に来ようと思います。ここに来る時は、唐戸市場にも来てしまうんだろうなあ……。嫌すぎる。

 

秋芳洞(山口・美祢)

ずっと前から来たかった、日本屈指の鍾乳洞!

車じゃないと来づらい場所にあるので、実績を解除できて本当に良かったです。ありがとう友人達。入場料の1300円は高いけれど、体験価値には変えられない……。
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鍾乳洞の入口。よく秋芳洞のサムネで見るやつだ!

中に入ると一気に冷え込み、湿気もすごく高い。足元は濡れているので、間違ってもサンダルとかで来ないようにしてください。友人はサンダルで入ってしまったので、マジで苦労していました。
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有名スポットの百枚皿。ポケットモンスタールビサファの「りゅうせいのたき」っぽい。ルナトーン出てきて欲しすぎ。
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なかは水が激しく流れる音で五月蝿く、びっくりしました。静かな空間だと思っていたので。ゴウゴウ流れているのでウケます。
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鍾乳洞っぽい光景。
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なんか面白い空間。苔が生えていますね。
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ガチで極太の黄金柱。これは圧巻なので一見の価値ありです。
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マリア観音。名前的にいろいろと大丈夫なのか心配になる。
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個人的に一番面白いなと思ったのは、鍾乳洞内で足元用につけられているランプの近くに、苔や植物が生えている点です。植物の発生条件が揃っているんだ〜!と興奮しました。おそらく、人間の足にくっついていた植物の種が洞窟内に運ばれてきたんだと思いますが、果たして人間が入らなくても苔とかは生えていたのかなと考えると、その後の植生の遷移を見たさがあります。

 

秋吉台(山口・美祢)
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秋芳洞の上部にある、日本最大級のカルスト台地です。お〜となりました。でかいし広い。

で、賢明な読者なら気がついているかも知れませんが、先述の鍾乳洞が秋芳洞(あきよしどう)で、ほぼ同じ土地にあるカルスト台地秋吉台(あきよしだい)というように、読みが同じ「あきよし」なのに漢字は違うんですよね。

これなんでかな〜って調べたんですけれど、

秋芳洞はしゅうほうどう?あきよしどう?どっち? - 美祢市観光協会 スタッフ・ブログ

秋吉台のスタッフの人が10年前に書いていてくれています。

時系列で言うと、

1. 秋吉(あきよし)という地名が先ずあり、秋吉にある台地なので「秋吉台(あきよしだい)」と名付けられる。

2. 大正15年に、殿下が秋吉にある鍾乳洞を「秋芳洞(あきよしどう)」と名付ける。←ここが捩れの原因

3.秋吉の地域は昭和30年の4月に合併して、秋芳町(しゅうほうちょう)と名付けられる。

4. 秋芳町にある「秋芳洞(あきよしどう)」なので、住民からは「しゅうほうどう」とも呼ばれるようになる。

と言うことらしいですね。ややこしすぎる。

ちなみに、この辺りの景色はめちゃくちゃに良くて、車で走ると最高に気持ちが良さそうでした。それもあってか、スポーツカーや高級車、高級バイクとめちゃくちゃにすれ違いました*2。この辺りは車好きのドライブスポットとしても有名なのかもしれません。

 

⑤見蘭牛ダイニング 玄(山口県・萩)

道の駅にあったハンバーグ屋さん。めちゃくちゃ人気で、午前1時ごろに到着した時にはかなりのメニューが売り切れになっていたので、そんなに美味しいのか!?とドキドキしながら入店。

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これが注文した「ハンバーグ 究極の黒」です。見た目はかなり美味しそうですが、個人的には全然牛じゃなかったので悲しくなりました。食感がふわふわで、全然牛を食べている気がしないんですよね。もしかしたらこのふわふわが人気の要因なのかもしれませんが、自分は肉が詰まった肉汁溢れる系統が好きなのでうまくマッチしませんでした。相性が悪かったですね。残念。

 

 

⑥角島(山口県・下関)

道の駅にあるハンバーグ屋を出てからそのまま萩に行こうとしていたのですが、調べてみると萩には想像以上にピンと来る観光地がなく、これじゃあ宿泊施設にチェックインするまで暇だね……という空気になりました。そこで友人と話し合い、「ルートとしては逆になってしまうけれど、今後の到着の難しさを考えると角島に行った方がよくね?」という話になり、無事に承認。ドライバーへの負担が唯一の懸念点でしたが、「俺は運転する機械なので……」ということでOKをもらえて良かったです。

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これでがっかりスポットだったらマジで終わってましたが、結果、来れてよかった……と全員が口を揃えていたのでよかったです。かなり綺麗ですからね。ドライバーは最高に気持ち良くなれると思います。

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角島にはいろんな国からのゴミが届きがち。
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これが角島の先っぽです。密漁すると罰金3000万円らしい。震える。

帰り際、角島大橋の情報を見つけました。

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なんと、8年と149億円をかけて橋を竣工したらしい。事業案が「過疎地域市町村道代行改革事業」となっているので、おそらく角島の住民のためにかけられたのでしょう。

調べてみると、このような記事がありました。

《平成の名所はこうして生まれた》角島大橋(3) 「目立たない橋に」 主役は海と島のこだわりで景勝地に - 産経ニュース

個人的には、これほどまでに魅力的でめちゃくちゃ人も集まっている観光地になっているんだし、もっと積極的にビジネスをやればいいのになあと思っていたのですが、やっぱり島民第一の橋らしいですね。疑問が解消されてよかったです。

 

⑦浜ごはん 遊縁

この日の宿は、翌日島根に移動することを考え、なるべく島根に近い地域を選びました。自宅を改修した民宿らしいのですが、かなり快適で良かったです。

夕食がすごいと聞いていたのですが……
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マジで品数に圧倒されました。全部めちゃくちゃ旨いのでサイコーです。

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なかでも、ご当地ブランドの「須佐男命いか」は身が甘くてめちゃ旨でした。これ、しかも刺身にされながらも生きているんですよ。イカからしたらマジで可哀想ですし、人間様はマジでサイコパスなんですけれど、これでめちゃ旨なので本当にごめんなさい……と思いながらモリモリ食べました。イカおいしい。

 

3日目所感

ずっと行きたかった、秋芳洞と角島の二大名所に行けたのでマジで良かったです。実績解除も出来たことだし、この地域には割と思い残すことがないかもしれない。ひとりではレンタカーを借りてまで行くモチベがマジでなかったので、友人にガチ感謝です。

*1:下関周辺では、フグではなく「ふく」という呼称が徹底されているのですが、めんどいのでここではフグにします

*2:自分は車やバイクを全然知らないのですが、車好きな友人がすごく興奮していたのでお高いんでしょう

中国地方旅行2日目(広島→宇部新川→下関→福岡→下関)

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中国地方旅行2日目、広島→宇部新川→下関→福岡→下関のコースです。

旅行1日目の記事はこちら

中国地方旅行1日目(京橋→広島) - 新薬史観

2日目の今回も、印象に残ったところを簡単にメモしていきます。

 

①ドクターごはん(広島)

原爆ドームに行くために散歩がてら周囲を散策していたのですが、明らかに飲み歩いた若者がベロベロになりながらいろんなところで群れていて良かったです。青春ですね。

そんな若者を尻目に移動していると、変な店を発見。虹色の外装をしているので嫌でも目を引く。

ドクターごはん?

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検索してドクターごはんのサイトを見つけました。

和食はもちろん
フレンチ、イタリアン、中華
アジアンエスニック~世界の料理まで(5大陸・5大料理)
安心・安全な
冷蔵・冷凍食品で
“ドクターごはん”

5要因の多くの方々に
ご提供頂ければと思います。
私たちの願いは
5感・5味・5色・5食・5嬉を意識し
『身体は健康、食は安心・安全、
味はおいしく、見た目は美しく、食材は新鮮』
であること。
食における、5意・5要素を重視し、
また、5S・5SDGs・5MDGs・5考・5仲間を徹底し
全国の生産者様、食のプロの協力と大企業の技術の集結で
この冷蔵・冷凍自動販売機専門店ができました。

ドクターごはん(Dr ごはん) – ドクターごはん(Dr.ごはん)

らしいです。

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よくわからんけど、よくわからんことは分かりました(何も買いませんでした)。

 

原爆ドーム(広島)
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実は生で見るのが初めてでした。なかなかにインパクトがある。

そういえば昔どこかで、原爆はドームの直上で爆発したのだと聞いたことがあるのですが、じゃあ何故この建物はある程度は無事に残っているんだ?とずっと思っていました。現地の説明を読んで知ったのですが、爆発した時の爆風が真下に吹いたことにより、逆に吹き飛ばされずに済んだらしいですね。同時に、爆発によって建物内にいた人間は全員即死したという話を読むと、果たして人間はぺちゃんこになったのか、あるいは蒸発したのか、どのような死を迎えたのだろうと考えてしまいます。一緒に見た友人が「でも即死って苦しまなくていいから、癌で苦しんで死ぬより良くね?」と言っていたのが印象的でした。自分はそもそも死にたくないと返しました。会話が成立していない。

 

③新時代(広島)
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新時代が広島にはあるという事実!

自分的にはかなりの驚きなのですが、別に驚くことでもないのかもしれない。もしかしたら福岡にもあるのだろうか。朝だし立ち寄りはしなかったのですが、学生時代にこの居酒屋を知っていたらすごい生活になっていただろうなと広島の学生たちを想います。伝串くいて〜。

 

広島市環境局 施設部 中工場(広島)

ドライブマイカーの聖地!ということで、今回旅行している友人は誰も知らないのに無理やり連れてきてもらいました。

建築デザインはかの有名な谷口吉生氏。お陰様でゴミ処理場とは思えないような美しい外観になっていますね。
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この2階のエコリウム、最高の空間ですね。映画で観た時からずっと来たいと思っていたので、無事に来れてよかったです。

映画では原爆ドーム平和記念公園を結ぶ線を遮らないように設けられた空間なのだと言っていましたが、本当かは知りません。たぶん真実。
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確かこのあたりもロケ地になっていたような気がする……ということで写真を撮りましたが、違ったら面白い。周囲には釣り人がかなりいました。何が釣れるんでしょうね。

 

⑤島田水産 かき小屋(広島)

お昼ご飯にはやっぱり牡蠣が食べたいよね〜と話をしていたのですが、残念ながら牡蠣は11〜3月が旬なので、GWはシーズン外。ダメ元で検索をすると、GWでもギリギリ牡蠣食べ放題をやっているこのお店を見つけました。しかも、行き先である山口の道沿いにあることが判明。駐車場がかなり混雑していましたが、なんとか無事に入店。
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安心安全の地産地消だ。牡蠣の幼生の見た目が面白い。

店員(というかガッツリ漁師さん)に案内され、海上テラスに。なかなかの大賑わいです。

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これ眺めが綺麗ですごくいいんですけれど、誰かが歩くたびにめちゃくちゃ揺れて下手すりゃ船酔いをする恐れすらあるので、気になる人は地上で食えるところをリクエストするといいかもです。

さておき、全員が席について戦闘準備用意。さっそく牡蠣食べ放題やるぞ〜と全員笑顔になっていたのですが……。

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肉とは違って、牡蠣を焼くには8分くらいかかります。貝なのでそこの焼き加減は慎重になりたいですよね*1。20分前には新規牡蠣投入を控えてくださいという謎のお願いに従えば、50分間を最大効率で回しても6サイクルなので、網における牡蠣の個数によって焼ける数が左右されます。試しに他のテーブルを見てみると、おおよそ10個が限度でしょうか。なので理論上は60個くらい、重さに換算すると、9個で1kg程度なので7kg分焼ければいいねという話にはなります。今回の旅行は5人で行動しているので、ひとり頭1.4kgの牡蠣が税込2300円/人で食べられるという計算に。

一方の「牡蠣づくし定食」というメニューは、1900円で牡蠣ごはんや牡蠣のお吸い物、カキフライなどの定食に加え、一人当たり1kgの牡蠣が付きます。

……こっちの方がよくない!?

全員胃の大きさに自信があるオタクなので、これまでも食べ放題には目がなく、今回も絶対に食べ放題をしようと話していたのですが、限数のある定食を選んだことにより「大人になった気がする」「初めて理性的に胃を統べることができた」「社会人の余裕を体感できた」などと好評の嵐でした。食べ放題のあるお店でこういうコスパの逆転が起こることは珍しいのですが*2、どうしても食べ放題の魅力に逆らえないという人は、大人数でこの店を訪問すればリハビリに良いかもしれません。

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こちらが牡蠣づくし定食1900円!

カキフライに牡蠣4個、牡蠣ご飯に牡蠣2個、お吸い物に牡蠣が2個、佃煮も牡蠣2個と、この定食だけで牡蠣が10個食べられるという異次元っぷり。しかもここに新鮮な牡蠣1kgが付くので、本気でやべぇお店です。
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このぷりっぷりの牡蠣!エロすぎる……。

流石に全員笑顔になって牡蠣を馬鹿食いしました。もう2度とここ以外で牡蠣が食えない。食うけど。

 

宇部新川駅(山口・宇部新川)

2日目の旅程は下関にいって関門海峡を越えて福岡県にちょっかいを出しに行くことだったのですが、どうせそれをやるなら途中でシンエヴァの聖地にも寄らせてくれ〜と懇願して下ろして貰えました。そこまでシンエヴァにめちゃ興味がある訳ではないのだけれど、シンエヴァの最後に宇部新川駅が出てきた理由を真剣に考えた自分としては、せっかくなのでその姿を見てみたさがありました。

【ネタバレ注意】エヴァあんまわからんけどシンエヴァの感想と考察 - 新薬史観

これ、オチは「宇部新川は庵野秀明の故郷なので深い意味なんて無いよ😅」で終わりなのですが、自分は庵野秀明の故郷について一切知らなかったので本気でキレた覚えがあります。俺の時間を返してほしい。

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お〜これこれ、映画で観たこのビジュアルですよ。
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このポスターがめちゃくちゃ貼られていた。

せっかくなので入場券を買って中も見てみることに。入り口ではシンエヴァのコースターをもらいました。
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お〜、宇部新川だ。
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こんなシーンもあった気がする。

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ここの階段を上がるんですよね。
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ここの線路がポスターに採用されているはず。
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個人的に一番よかったのが、駅構内の枯れた湖の真ん中にいる白鳥でした。可哀想。水くらい入れてあげればいいのに。それがダメなら撤去してあげてほしい。

ちなみに、駅構内にはガチガチのカメラを持ったエヴァのファンが6人くらいいたので、エヴァのコンテンツ力の凄さを改めて実感しました。

 

関門海峡(山口・下関)

ここ良かったです。下関側には、あの源平合戦のラストバトル、壇ノ浦の戦いの跡地もあるので歴史オタクにもオススメ。跡地はコンクリートでガッチガチに固められていて、マジかよとなりました。無機質すぎる。

個人的には源平合戦に特段の思い入れはないので、関門海峡を眺めていました。
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下関側から見た関門海峡大橋。かっこいい。あれを渡った先が九州なんですよ。興奮しますね。

で、自分はてっきり、上の橋を渡るんだと思っていたのですが、歩行者はトンネルから行かねばならないそうです。ショック。f:id:negishiso:20220501132445j:image

これがトンネル。

門司行きの矢印がアツイ。

ちなみに、関門海峡トンネルの両端には半分に割られたスタンプラリーのスタンプがあるので、是非やってみてください。自分ははしゃいで押したはいいものの、紙をどこかにやってしまった。

ここが中国地方と九州のボーダーライン!
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はい、確かに私はここで反復横跳びをしたくなるタイプの人間です。そして、歩行者が結構いたのでできなかったタイプの人間でもあります。

約1kmのトンネルから出て地上に上がると、今の自分は九州にいるのだという実感が……そこまでないな。
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門司(福岡県)から見た関門海峡大橋。どっちから見ても、君は綺麗だよ……(囁きボイス)。

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鳥居もあるらしい。映えスポットだ。

本当はここから門司港に行って焼きカレーを食べたかったのですが、結構離れているそうなので諦めました。またの機会に行かせてもらいます。

最後に、門司港側からだとよく見えると思うんですが、下関側にはクソでか電子蛍光板があって「T」「4」「↑」みたいな表示をし続けています。あれなんだろうと思ったのですが、こちらのサイトに詳細が書かれていました。

https://www6.kaiho.mlit.go.jp/kanmon/info/others/tidal_station/tidal-station.htm

なるほど、潮流信号所!どこかの案内に、関門海峡の潮流は日に4回も切り替わると聞いたことがあるので、こういうのが非常に大事になるんでしょうね。すごく面白かったので、是非現地で見てください。

 

⑧平家茶屋(山口・下関)

山口に来たからには、名物の瓦そばを食べたいねとは話していて、関門海峡大橋のすぐ近くにちょうど食べられるお店があったのでインしました。かなり高級そうなお店ではありましたが、単品で瓦そばを注文することができたので本当によかった……多分懐石料理やコース料理がメインだと思うんですけれど、観光客向けにそうした配慮をしてくれているのかな。

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こちらが名物瓦そば(1100円)。

文字通り、瓦でジュウジュウと焼かれているのがすごく面白い。普通のそばと同様、出汁につけて食べるんですけれど、そばの表面はカリカリになっていてお菓子みたいに食べやすいのが特徴。一方で、トッピングのたまごや穴子、牛肉と食べ合わせると一気に味がリッチになるので、本当に面白くて良かったです。うますぎて3秒で平らげました。

 

⑨さかな屋おかもと(山口・下関)

昨日は食べすぎという反省を活かして、この日は一軒だけの居酒屋巡りにしました。

でもね、
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こういう刺身盛りとか
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揚げた白子豆腐とか、
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クソでけぇどんぶりとか

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伊勢海老のグラタンとか
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ふぐのひれ酒とか、
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馬路村の柚酎ハイ、

東洋美人 純米吟醸

貴 特別純米酒

海響とか、

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こういう海鮮鍋とか頼んでいるのを改めてブログに貼っているのを見ると、何も根本的な解決にはなっていないと思うんですよね。

本当に食い過ぎだし飲み過ぎ。マジで良くないです。でも味はぜんぶ美味しかったのでサイコーでした。特に「東洋美人 純米吟醸」は、地酒のなかでも群を抜いて甘くてかなり美味しかったです。酒を飲む舌がないので甘いのはぜんぶ美味しい。料理としては、他のところでも食べられるのかは分かりませんが、白子豆腐を是非食べてほしいですね。よかったです。

 

⑩ホテルの張り紙

宿は下関にとっていたのですが、流石はふぐの街とでもいうべきでしょうか。
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なんというか、すごいな。

 

2日目所感

いろんなところが回れて良かったです。

特に広島市環境局 施設部 中工場のエコリアム!本当に綺麗なので、マジで広島観光にオススメです。市街からもそう離れていないので、是非訪問してください。行程には全然後悔はないのですが、思い返せば厳島神社とか宮島とか全然見てないな。あと、広島に来たら絶対に行きたい!と叫んでいた「ビールスタンド重富」に行くのを忘れてしまった!たまゆらの聖地・竹原も回れていないし……と考えると、やり残したことは結構ありますね。下関の方面でも、門司港周辺を散策したい気持ちはまだまだあるので、またこっちには来ようと思っています。焼きカレー食べたい。

 

*1:ねきしそは最近E型肝炎の恐れがあるという検査結果を貰って以来、生食を恐れている節があります

*2:牡蠣の焼く時間の長さ、多人数で割るためにひとり頭の数が少なくなるという2要素が重なることが原因なので、1〜3人で訪れる分には食べ放題の方がコスパが良いということになります