新薬史観

地雷カプお断り

2021-01-01から1年間の記事一覧

他人のために役割を固定化されるのはストレスがすごいという話

予め書いておくが自分は男であり、男2人とルームシェアをしている。この男三人に(恐らく)恋愛感情はなく、あくまで経済的であるという理由のみによって集まっている。つまりこれから書く文章は男だけの生活空間で起こっているということをご了承いただきた…

【ネタバレ注意】エヴァあんまわからんけどシンエヴァの感想と考察

この記事はシンエヴァのネタバレ含みます。お気をつけください。 (サムネイルネタバレ回避用の□を何個か置いておきます) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□…

松浦理英子「ナチュラル・ウーマン」読んだ!

ガチで大好きノベルになっちゃった。本当に攻撃力が高い。自分は攻撃力が高い本と相対すると酒と煙草で防御値にバフをかけないと絶叫して死ぬタイプの人間なので、手元に煙草と酒があって本当に助かった。自分は煙草を常飲しないのだけれど、こういう数ヶ月…

松浦理英子「最愛の子ども」読んだ!

本当に素晴らしい作品だと思う。以下、感想というか考察というかなんというか。 日夏と真汐と空穂という同じ歳の女子高生が家族を構成するという奇妙な設定で非常に面白かったが、さらに本作の面白さを高めているものに、その疑似家族の関係性を内部と外部の…

ウェス・アンダーソン「天才マックスの世界」「ダージリン急行」観た!

ウェス・アンダーソン「天才マックスの世界」(1998) これめっちゃ良かったです。すべてが自分には生み出せない設定とストーリーラインで刺激しかなかった。マルチタレントを持つ(というか手を出してる?)ゆえにどうしても浮いてしまう(というより学生離…

平田オリザ「東京ノート」「ソウル市民」「ソウル市民1919」観た!

代表作らしいので観た。この前観た作品よりかは良かった。 以下、簡単な感想。 「東京ノート」 これが今までに観た平田オリザ作品のなかで一番好きだな。美術館を舞台にした作品だが、美術館のロビー?という本来静かにしなければならない場所から唯一逃れて…

toi「四色の色鉛筆があれば」ままごと「あゆみ」(長編)観た!

「わが星」の柴幸男の作・演出作品ということで知り合いにDVDを貸してもらい(実は貸してもらったのは数年前の何かしらの同人イベントでのことだった。放置しててすみませんでした)、いまさら視聴した。 四色の色鉛筆があれば 「過去と未来を材料に新しい現…

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第13話感想

「虹ヶ咲13話の感想を更新しないんですか」と聞かれ、慌てて書いています。なんかもういいやと想って放置していましたが、折角13話まで書いたんだし最後まで書こう。今更すぎるけれど! 久しぶりにアニガサキを観ると、懐かしい気持ちになる。あの頃はよかっ…

最近観た映画②「クール・ランニング」「海の上のピアニスト」

ジョン・タートルトーブ「クール・ランニング」(1993) 非常に面白い映画だった。随分まえにオススメされていたのにどこにも見当たらずに泣いていたところ、大学で発見した。パッケージがB級で「面白いんかこれは」と疑りながら視聴したが、氷のない国ジャマ…

最近観た映画①「ランナウェイズ」「ミスター・ノーバディ」

フローリア・シジスモンディ「ランナウェイズ」 (2010) 1970年代に大ヒットしたバンド・ランナウェイズの軌跡を描いた作品。これアレです、「最愛の子ども」で引用されていたバンドだから見た感じです。「最愛の子ども」での文脈としては、「メンバーのジョ…

平田オリザ「火宅か修羅か」「南へ」「この生は受け入れがたし」観た!

最近いろんな映像作品を観ているのだが、普通に観るペースが速すぎるのと、二次創作を久しぶりにやってしまったので感想記事が追いつかない。後々書いて行こうと思いますけれど、実はウマ娘にはまったこともあり、かなり時間がない。ひえ~。頑張って書いて…

ラーメンズ第8回公演「椿」観た!

観ました。ラーメンズの演劇(コントなのか?)がすごいというのはよく聞いていたのだけれど、実物を観たことがなかったので、この機会に見れてよかった。 感想としては、とにかく言語遊びがうまい。演技もすごい。 以下、それぞれのコント(演目?)の感想 …

劇団ままごと「わが星」観た!

実はこれ、めちゃくちゃ前にオススメしていただいていた作品でした。演劇ということもありなかなか配信しているところがなく困っていたんですが、たまたま大学の蔵書データベースにアクセスしたらAV資料として保存されていました。有能ですね。 というわけで…

キャメロン・クロウ「バニラ・スカイ」(2001) 観た!

「ファイアパンチ」で死を迎えつつあるトガタがアグニに向けようとした言葉に「猫になって…」というものがある。その後トガタは「バニラ・スカイ見てないと通じないか」と考えを改めるのだが、それは全くこちらとしても同じで、バニラ・スカイを見ていないの…

ジュリアン・シュナーベル「永遠の門 ゴッホの見た未来」観た!

視聴内容メモ ゴッホとゴーギャンの共同生活(1888年 9週間のみ) ゴッホ(1853~1890)の考え 自然を観る。常に新たな発見(すべてを結びつける絆、強烈なエネルギー、神の声)がある。ポスト印象派(あくまで時代による区分であり、ゴーギャンと作風は全く異な…

乙一「失はれる物語」読んだ!

乙一というのはまったく変わった名前で、自分は「バーサーカーが人をミンチにする物語でも書いているのではないか」という偏見を持っていた。怖そうなので。 古本屋で見つけたこの本を手に取った理由としては、現在進行中の「偏見やめよう委員会」に則っての…

あまりに欲がなさすぎる

欲望が欲しい。 これはおかしい一文である。「欲しい」の目的語は欲しいものであるべきなのに、その対象が「欲望」となると、まったくの自己撞着ではあるまいか。そうでもないか。 今日は久しぶりにラボの後輩に会い、軽い日常会話をした。その時の話題が「…

パーシー・アドロン「バグダッド・カフェ」(1987) 観た!

今読んでいる乙一の「失はれる物語」に収録されている「Calling You」という作品を読んでいたら「バグダッド・カフェ」の名前が出てきたので観た。自分はそういう人間です。 映画冒頭は非常にカメラが不安定というか、見せたい画が非常に雑で(もっといいア…

諏訪哲史「アサッテの人」読んだ!

本作の構造のまとめ ①書きたい内容「叔父の話」(本来の小説) ②その執筆を邪魔する自分の「ポンパ」、およびそれをありのままに書くことで「叔父の話」は邪魔された、と考えている自分(通常小説の執筆者の姿) ③その様子をただ文章にしている自分(②をあえ…

小説「ユウとリリィ」

なんとなくメタフィクションについて考えていたら、去年書いた自分の小説が思い当たったので掲載することにします。ピクシブにも投稿しているから、読んだことがある人もいるかも。 www.pixiv.net 当時は「これはメタフィクションなのか?」と思いながら、自…

スパイク・ジョーンズ「マルコヴィッチの穴」(1999)観た!

観ました。話には聞いていましたがかなり面白い映画でしたね。 他人になりたいという変身願望は誰しもが持っている、かつもし本当になれる手段があるのなら人はどのようになるのか、というのが大きなテーマだとされている。多分。その手段がビルの7と1/2階(…

藤本タツキ「ファイアパンチ」考察

本当に良かったのでいろいろ考えた。 ネタバレしかないので未読の人は読まないでほしい。 なお、これから書くことは、あくまで「トガタやスーリャの言説を信じれば」という条件がつくことに留意していただきたい(トガヤ、スーリャともに信頼できない語り手…

地雷カプへの向き合い方

marshmallow-qa.com マシュマロをいただきましたが、返答が長文になるのでブログに書きます。 今回いただいたやつは以下の通りです。 ================================================= 定期的に話題を蒸し返して申し訳ないのですが、どうしても地雷カプを…

わたてん5 1stワンマンライブ 「デリシャス・スマイル!」を絶対に観てほしい

「私に天使が舞い降りた!(以下わたてん)」という漫画原作があって、アニメがある。陰キャの女子大生星野みやこが、ある日妹のひなたが連れてきたクラスメイトの白咲花(小学5年生)に一目惚れし、花の大好物のお菓子で釣ってコスプレさせるという物語だ…

秋山徳蔵「味 天皇の料理番が語る昭和」読んだ!

前書き 最近の感想の記事タイトルがあまりに味気ないなと悩んでいる。 例として 茂木俊彦「障害児を育てる」 サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」安堂信也 高橋康也 訳 こんな感じですよ。 タイトルがタイトルだけに近寄りがたすぎる。 あと著者名と…

マシュマロへの返信「キャラの痛みはあなたの痛みではないか」

先の記事について意見をいただきましたので、共有 させていただきます。 marshmallow-qa.com で、こちらについては自由に公開してもよい、とのことでしたので遠慮なく公開させていただきます。ありがとうございました。 以下本文 __________________________…

マシュマロへの返信「ことりと穂乃果と海未の関係性について(SID準拠)」

※すべて個人の感想です!!!! ※この記事はある方からのマシュマロへの返信のために書いたものです。2つある記事のうちの2番目であり、ラブライブ!というコンテンツがわかる方を対象にしています。 なんのこっちゃ?って方に向けて前の記事のリンク貼っと…

マシュマロへの返信「カプ解釈における『正解』があると信じる思考過程、また地雷カプへの考え方について」

※すべて個人の感想です!!!! ※また、この記事は、「ラブライブ!」をテーマにはしていますが、だれでも読めるような内容にしているつもりです。 さて、このたび、自分の「ラブライブ!」における二次創作のスタンスについてマシュマロをいただきました。…

茂木俊彦「障害児を育てる」

古本屋で見つけた一冊。自分は子供もいないし周囲にそういう人もいないのだが、いろんな見方を学んで損することはないので手に取った。万が一にもないと思うが、自分が結婚して(!)子供が生まれ(!)その子が障碍を抱えていないという保証はない。 初版か…

サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」安堂信也 高橋康也 訳

古典に全く明るくない自分だが(そもそもあらゆることに知識がない自分だが)背表紙に「現代演劇の神髄!」と書かれているのを見ると、「現代演劇の神髄なのか」と素直に信じるほかない。神髄というからにはこれまでとこれからの現代演劇に通底するなんらか…